10. 塩と高血圧に関する海外報道


 国内では高血圧との関係で減塩推進一点張りの報道しか目に留まらないが、海外では塩と高血圧との関係を疑問視したり、減塩政策を批判する報道がある。

 タイム誌は国の政策として食塩が悪者にされたことに対して疑問を持ちながらカバーストーリーの表題で「食塩:新しい悪者」として食塩をめぐる問題を論じている。食塩の悪いイメージを払拭しようとする新聞報道もある。食塩感受性や大規模疫学調査の結果を知ってリーダーズダイジェストでは「塩を普通に振りかけよう」とかフランスの雑誌では「減塩療法に別れを告げよう」題した記事を掲載した。高血圧の予防・治療にカルシウム摂取量の増加、肥満解消、アルコール摂取量低減を勧め、食塩仮説の矛盾が現れ始めているが医者は高血圧の危険性を誇張し減塩推進に対して論争が続いている。そもそも塩についてどれだけ知っているかを問い掛けた記事もある。

 全米科学アカデミーでは保健政策として塩の問題をどのように扱っているか、高血圧治療指針ではどう考えているか、減塩政策についてニューヨーク英国EUアメリカの報道もある。

 一律の減塩政策に対する批判や減塩にはそれほど血圧低下効果がなく、危険性さえあることが専門学術誌で発表されると、海外のマスメディアはそれらの情報を流したり、批判する記事を掲載している。食塩摂取量が高血圧の原因と考えられて減塩政策が行われているが、それは消費者に誤った判断をさせるのではないか、ニューヨーク・タイムズで塩論争を呼びかけるとか、それを呼びかけた人に様々な意見が寄せられて始まった論争とか、なぜ減塩が危険なのかとか、オーストラリアの減塩政策に対する警告とか、降圧剤処方の現状と課題とか、厳しい減塩には利益がないといった