11. 食塩摂取量

 食塩摂取量については厚生労働省が毎年発表する国民健康・栄養調査の中で食塩摂取量も発表されている。長い間、1日当たり10 gの目標値で保健政策が行われた来たが、最近になって30年ぶりにその値は下げられた5年毎に改定される日本人の栄養所要量の中で一日当りの目標摂取量が定められている。21世紀に向けた健康日本21でも食塩摂取量について述べられている。目標値設定以来、摂取量はある時期までは減少してから増加し始め、どこから食塩を取っているかを明らかにしている。栄養所要量から見た食塩摂取量をその変化の推移から見るとなかなか目標摂取量まで下がらない。しかし、減塩する必要はなく、現在の食塩摂取量が適正であるとの論文が発表された。

 海外でも食塩摂取量に対して保健政策がとられている。日本の食塩摂取量を世界各国と比較すると日本は中国に次いで高く、別の報告でも同様であった。1990年と2010年について世界の地域別食塩摂取量が発表された。

 食塩摂取量は高血圧発症と因果関係があることについて論争されており、死亡率受療率についても疑問が持たれ平均寿命が短くなる関係は見られない。腎不全との関係についても相関関係は見られない。胃癌との関係も明確ではない。