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1.塩の調味作用


 塩は塩味を示し、塩味を示しながら食用にできる物質は塩しかない。つまり塩は味付けにおいて代替物のない物である。しかも体内で合成されないので必ず体外から摂取しなければならない。また、生命を維持するために塩は体内でいろいろな生理作用を発揮する。したがって、体内で塩欠乏が起こると塩欲求が高まり、猛烈に塩が欲しくなる。普段の食生活では塩味を好む塩嗜好を示し、塩味がないと食べ物が美味しくなくて食べられない。しかし、美味しく食べられる塩味はすまし汁では塩濃度で0.8%くらいで、血液中の塩濃度と同じである。旨味物質があると塩濃度が高くても美味しく食べられる
 また、塩は旨味物質の味を強化する。塩に他のミネラルがリッチにあるので美味しいと表示する塩について東京都消費生活総合センターがテストした結果は否定的で、これに端を発し商品の優良誤認を避ける表示が検討され、塩の公正マークが制定された。