海水直煮製塩法
海水を平釜や蒸発缶に入れて濃縮する製塩法である。塩が析出するまでに炭酸カルシウムや硫酸カルシ
ウムなどのスケール成分が伝熱面に析出し、熱を伝える効率を悪くする。伝熱面に析出付着したスケールの
除去が大変であるし、海水の90%を蒸発させて初めて塩が析出し始めるため、製塩に莫大なエネルギーを
要する。したがって、製塩工程で
伝熱効率の向上を如何にして図るか、どのような
システムを組むかが重要と
なる。
海水を直接平釜で濃縮して製塩した製品は地場産業として各地にある。海水からの濃縮では
大量の熱量を
必要とするので、
逆浸透膜濃縮装置を用いて海水を2倍程度に濃縮した後に平釜で製塩する効率的な方法も
ある。また、海水を
加熱されたドラムや加熱盤で瞬間的に蒸発させたり、海水を霧状に噴霧して瞬間的に蒸発
させる方法もある。このような製法では海水中の成分は原則的に
全て製品の塩に含まれることになる。