7.食塩感受性

 食塩と高血圧に関する研究の流れ見ると疫学調査の結果から食塩摂取量が高血圧の原因ではないかとの仮説が立てられ、それを証明しようダールはラットによる食塩負荷試験を行った。その結果、予想通り食塩負荷で血圧上昇を示すラットがいた反面、いくら食塩負荷しても血圧上昇を示さないラットもいた。前者を食塩感受性ラット(SSR)、後者を食塩抵抗性ラット(SRR)と名付けた。ラットの中には成長すると自然に高血圧になるラットがおり、その系統からモデル動物として自然発症高血圧ラット(SHR)を作り出し、さらにその中から必ず脳卒中で死ぬラットとして脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR-SP)を作り出した。その後、食塩感受性は人間にも当てはまることが分った。そこで食塩感受性について多くの研究が行われた。食塩感受性については自分で診断する方法のあるが厄介で、簡便に判定する方法はまだ発見されていない。