かん水精製

 天日塩や岩塩を溶解した溶液をかん水という。天日塩や岩塩の中にはマグネシウム化合物やカルシウム
化合物が不純物としてある。それらは溶けてイオンとなっている。かん水を煮詰めて塩を析出分離するとき、
それらの化合物が再び塩に混入し、塩の純度が悪くなる。したがって、それらのイオンを除去するためにかん
水の精製を行う。

 カルシウムイオンを除去するためには炭酸ナトリウムや煙道ガス(炭酸ガス)を入れて、炭酸カルシウムを析
出させて分離除去する。マグネシウムイオンを除去するためには水酸化ナトリウムを入れて水酸化マグネシ
ウムを析出させて分離除去する。

 基幹産業の一つであるソーダ工業ではイオン交換膜電気透析によってナトリウムイオンと塩化物イオンを分
離する。この時のかん水精製は厳密に行われる。上記の工程を一次精製とし、さらにイオン交換樹脂にマグ
ネシウムイオンやカルシウムイオンを吸着させることによる二次精製を行ってかん水の純度を高める。