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7.氷点降下作用
物質が水に溶けると溶けた物質の濃度に応じて水が氷る温度、つまり氷点が下がる。これを氷点降下と言う。塩の氷点降下は飽和濃度の塩溶液で-21.3℃である。このことは塩の飽和溶液(温度により濃度は異なってくるが約26%)では-21.3℃で液体と固体が共存することを表している。したがって、例えば、ー10℃の雪や氷は10.3℃も高い温度水準にあるので溶ける。これが冬期の道路通行を確保するために塩が使われる理由である。塩散布の経済的な効果は非常に大きいことが報告されている。雪や氷の温度が下がると温度差が小さくなるので溶けにくくなり、-21.3℃以下になると溶けなくなる。その場合にはさらに大きな氷点降下を持つ物質、例えば、塩化マグネシウムや塩化カルシウムを使う。
融氷雪に塩を効果的に使う方法や使うことによる環境破壊についてどのように防止するかについても重要なことであり、研究が続けられている。この問題を扱う国際会議もあり、アメリカ塩協会ではニュースレターを発行している。
欧米では融氷雪のため冬期に大量の塩を使う。道路通行が確保されている間に塩を散布しなければならないことから塩の長距離輸送を避けるために要所、要所に塩貯蔵庫が設置されている。地球温暖化と言われている中で、氷河期に入って来たとの意見もあり、現実に豪雪被害が多発するようになると、日本でも被害予防のために塩の備蓄基地が必要となる。
塩の氷点降下により冷凍ブライン(濃い塩水)を製造し、それにより漁獲したカツオやマグロを船上で直ちに冷凍して持ち帰る。