日本の近現代化と塩の歴史
製塩法の近代化と塩の用途
2016年7月27日
1.海水から塩を作るには
日本には海水しか塩の資源はない。海水中には様々な塩類が含まれているが、その中で塩は78%を占める。海水の塩類濃度は海域、深度などによって変わるが、3.5%とすれば海水中には2.7%という非常に低い塩の濃度しかない。以下省略
2.塩が専売制になるまでの塩作り
海藻を焼いて出来た灰を塩として使っていたと考えられる時代から、海水を掛けて乾燥させた海藻に海水をかけて塩を溶かし出し、得られたかん水を製塩土器で煮詰めて塩を得るようになった藻塩焼き製塩時代になり、全国の海岸で多くの製塩土器が発掘された。塩竃市にある塩竃神社では7月に藻塩焼き神事が行われている。以下省略
3.塩の専売制度下で製塩法の技術開発が行われ近代化された
塩の専売制度は明治38年(1905年)に始まった。その目的は日露戦争の戦費調達であった。歳入増加の手段として採用された財政専売であった。大正8年(1919年)には公益専売となった。生活必需品である塩の品質向上を図り、安く提供するとともに国内製塩業の育成を図ることを目的とした。平成9年(1997年)にはその目的が達成されたとして92年間続いた塩の専売制度を廃止した。以下省略
4.製塩法の近代化を実現させた技術開発
4回に及ぶ塩業整備で塩業の近代化を図ることが出来た技術開発体制を下図に示した。以下省略
5.塩の品質
塩の専売制度が始まったときから塩の品質は下表のように純度が向上してきた。当初は純度によって5段階に分類されており、70%程度の純度の低い塩が大半であったが、次第に品質改良され、海外の塩製品と同様の高純度な製品となってきた。現在では塩事業センターの塩である食塩、食卓塩とも99%以上である。以下省略
6.塩からナトリウム以外のミネラルが採れるか?塩の公正マーク
業界は食用塩公正取引協議会を設立し、表示に関して自主基準を設けて優良誤認表示になっていない製品には塩の公正マークを表示できるようにした。なお、塩からのミネラル摂取は到底期待できない。以下省略
7.塩の用途
塩の用途は14,000件あると言われています。文化社会は塩がなければ成立しない。現在では塩に関連した製品に取り囲まれて生活している。塩の用途を下表に示す。以下省略
8.塩を悪者とすることの誤解
生命の維持に必要な塩を悪者と考えると、塩とどう付き合っていけば良いか判断が難しくなる。塩が悪者になることは確かにある。しかし、その比率は小さく(30%程度と考えられる)、大半は塩を悪者と考える必要はない。以下省略