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2017.07.01

 

熱ストレスの症状と対策

 

 毎日、熱中症になって救急車で搬送される件数がテレビ・ニュースで流される時期となった。決まって給水と塩の摂取に気を付けることが付け加えられる。日本では熱中症と言う言葉が良く使われるが、下記に示す熱ストレスのいくつかの症状が表れれば熱中症としているようだ。熱ストレスの症状をいくつかに細かく分けて述べ、その対策についてカーネギー・メロン大学のホームページで解説されている。その内容を抄訳として紹介する。

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 我々は皆、暑い条件下の作業に関連した潜在的な危険性を知っていなければならない。これらの条件は明らかに夏場に最もよく起こるが、換気されていない部屋を含めて暑い環境下での作業は暑さに関係したいくつかの危険性もある。

次のような症状に注意して下さい。

熱射病(Heat Stroke)

 体温制御システムが悪くなった時に熱射病は起こり、危険な状態まで体温が上がる。この条件は様々な変動要因によって起こり、それが起こることを予測することは難しい。熱射病は医学的緊急事態である。熱射病の主要な兆候は混乱、不合理な行動、意識喪失、痙攣、通常の発汗がない、暑くて乾いた肌、異常に高い体温である。体温が高過ぎると、死ぬこともある。

 人が熱ストレスの兆候を示せば、直ちに専門的な医療措置をしなければならない。涼しい所に寝かせて、衣服を脱がせる。専門的な冷却法を始めて、状況の重大性が分かるまで、肌を濡らして蒸発を促すように患者に風を送る。出来るだけ迅速に給水する。患者が何と言おうと、熱射病と疑われた患者は一人で家に帰してはいけないし、医者が特に一人にして良いと承認しない限り、一人だけにしてはいけない。

熱バテ(Heat Exhaustion)

 熱バテのサインや兆候は頭痛、吐き気、めまい、弱弱しさ、喉の渇き、目のくらみである。幸いにも、この状態は直ちに迅速な治療で対応できる。しかし、いくつかの理由で熱バテは軽く片付けてはいけない。一つは、失神が起きた時、病人は機械を運転しているかもしれないので、熱バテに関連した失神は危険である;さらに、失神すると怪我をするかもしれない。また、熱バテで観察されるサインや兆候は熱射病の場合と同じで、緊急の治療を要する。熱バテになった人は暑い環境から涼しい所へ移し給水する。十分な休養を与える。

熱痙攣(Heat Cramps)

 熱痙攣は発汗によって生ずる電解質のアンバランスによって起こる。痙攣は塩の摂取量が多過ぎても少な過ぎても起こることを理解することが重要で、痙攣は水分補給不足に直接的に関係しているように思う。喉の渇きは水を必要とする徴候としては信頼されない;暑い環境では水または市販の糖-ミネラル補給水を15 – 20分毎に飲まなければならない。

熱崩壊(Heat Collapse“失神”)

 熱崩壊では、血液が極端に澱んでいるので、脳に十分な酸素が供給されない。その結果、人は意識を失う。この反応は熱バテの症状と同じで、体の熱収支に影響を及ぼさない。しかし、熱崩壊の始まりは急速で予測できない。熱崩壊を予防するためには、作業者は暑い環境にゆっくりと慣れて行かなければならない。

熱発疹(Heat Rashes)

 熱発疹は暑い作業環境で最も普通に起こる問題である。チクチク痛む熱は発疹として現れ、服装が制限されている所で通常現れる。発汗が増加するにつれて、発疹のチクチク痛む感覚が増大してくる。チクチク痛む熱は、汗が蒸発しない濡れた肌で起こり、熱発疹丘疹は治療しないと感染で広がっていく。ほとんどの場合、涼しい環境に戻ると熱発疹は消える。

熱疲労(Heat Fatigue)

暑さに慣れていないと熱疲労になり易い。暑い環境の中で作業し、慣れることを勧める。熱疲労のサインや兆しは熟練している感覚運動が上手にできない、頭脳労働、あるいは徹夜作業で現れる。熱に関連した病状が悪くならないうちに熱ストレスを除く以外に熱疲労の治療法はない。

暑さの影響から我々自身を守るには次の予防措置を講ずる。

予防措置

  暑い作業環境で熱ストレスを減らすために使われる主要な機械的な制御法の5つは換気、冷房、扇風機、遮蔽、遮断である。

  人体はある程度暑さに適応できる。暑さに慣れた後では、同じ活動でも心血管の負担が軽くなる。より効率的に発汗できれば、より正常に体温を容易に維持できる。

  給水。冷水(10- 15)または何らかの冷たい飲料(アルコール飲料を除く、それは実際に熱病に望ましくない影響を及ぼす)を飲み続ける。少量を頻繁に飲む。例えば、20分毎にコップ1杯。市販の飲料水は塩を含んでいるが、ほとんどの人々は夏場の食事には十分な塩を加えているので、暑さに慣れた人には必ずしも塩を加えなくても良い。

  暑さを伴う仕事は涼しい時に計画すべきである。定期的な維持管理や修繕作業は年間で涼しい時期に計画すべきである。

  熱ストレスの危険性を増加する状態の作業は、人の目が届く所ですべき。

  誰もが知らない兆候を見落とさないようにお互いに他の人をモニターすべき。

  日中の暑い最中で掘削、過度な肉体労働などを避ける。

  体を冷やして回復できる場所を用意する。空調が利用できなければ、日陰に入り涼しい所で休む。暑い気象ではしばしば衰弱が起こる。

  熱に関連した疾患の兆しを知り、対処法を知る。

  いくつかの処方薬は熱効果を悪化させる。薬物治療を受けるとすれば、薬物が暑中作業の危険性の一因になるかどうかを医者に尋ね、それであれば、どんな用心をすればよいかを尋ねる。

熱ストレスが症状によってこんなに細かく分かれて、それぞれの対処法が決められていることを初めて知った。この中で、塩の重要性については触れていない。アメリカでは減塩政策が強く勧められているためであろうか。

私自身も後で熱中症であったのかと思い当たる経験をした。暑くて寝苦しい夏の夜の3時ころトイレに起きた時、目まいを感じ変だなと思いながらも再び寝てしまった。朝起きても目まいは治まらず、朝食を食べた後で吐いてしまった。病院に行き脳の血管造影検査をしたが異常なく、薬を貰って帰り、安静にしていたら翌朝には治った。テレビで見た熱中症の症状から夜間と言えども自分も熱中症に罹ったのだと合点した。

 今年は暑さが厳しくなりそうだ。読者はくれぐれも予防法で対処してもらいたい。