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人の過剰な塩摂取量の理由を遺伝による味覚認知が

説明しているらしい

Inherited Taste Perceptions May Explain Why Some People Eat Too Much Salt

                                              By American Heart Association 

MedicalXpress  November 13, 2016

 

  2016年のアメリカ心臓協会の科学セッションで発表された予備研究によると、どうしてある人々が推奨されている以上の塩を摂取するのかの理由を味覚認識の遺伝的差異が説明するのに役立つかもしれない。“味覚に影響を及ぼす遺伝因子は必ずしも人々に対して明らかでないが、彼等が選ぶ食品の影響によって心臓の健康に影響される、”とケンタッキー大学看護学校の学生である筆頭者ジェニファー・スミスは言った。著者らによると、苦味認識を強化する2つの最も一般的な変異遺伝子の1つを持っている人々は、ブロッコリーや暗緑色野菜のような苦味を呈する心臓の健康に良い食品を避けるらしいことを前の研究で示した。現在の研究では、苦味強化遺伝子が他の食品選択にも影響を及ぼすかどうかを決めるために研究者達は調べた。

 研究者達は2件以上の心疾患危険因子を持っており、ケンタッキー州の田舎で心血管危険性低減研究に参加した407(平均年齢51歳、女性73)の食習慣を解析した。苦味認識を強化するTAS2R38遺伝子変異を1,2持っている人々とこの変異遺伝子を持っていない人々と比較し、苦味をより強く感じる人々は、最少の推奨ナトリウム制限値以上を摂取しているらしい量のほぼ2(1.9)であることを研究者達は明らかにした。現在、アメリカ心臓協会は5.8 g/d以下の最低塩摂取量と3.8 g/d以下の理想的な限界値を勧めている。加工食品、包装済み食品、レストランの食事からの塩摂取量がほとんどである多すぎる塩摂取量は高血圧を発症させる危険因子で、それは心臓発作や脳卒中に導く。

 苦味強化変異遺伝子を持った研究参加者達は、心臓健康に悪い影響を及ぼす砂糖、飽和脂肪酸あるいはアルコールの推奨一日摂取量以上を摂取していないようであった。“より苦味の強い味の好きな人々はより塩辛い味も好み、その味を一層楽しみ、それにより塩摂取量を増加させるらしいことを示唆するある研究がある。別の理論は、彼等が食事の苦味を抑えるために塩を使い、それでより多くの塩を摂取する、”とスミスは言った。

 味覚認識に及ぼす遺伝的影響についての情報は、生まれつきの嗜好に対して戦うことを試みるよりもむしろ彼等が楽しむ心臓の健康に良い食品を選択するために将来、役立つかもしれない。“人が持っている変異遺伝子を明らかにすることにより、我々は、個人的に適した教育を通してより良く食品を選択させるのに役立つかもしれない、”とスミスは言った。

 解析で、研究者達は味覚や一日の摂取量に影響を及ぼすらしい他の要因、例えば、年齢、体重、喫煙状態、そして味覚認識を変えることで知られている降圧剤の使用について管理した。

 研究参加者達はほとんど白人であったが、結果は他の少数民族グループとほぼ同様であると著者らは述べた。彼等が研究した2つの変異遺伝子の1つをアメリカ合衆国人口の90%以上が持っているからである。人種的に異なったグループを含めるために研究を広げようと研究者達は計画している。