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臨床試験でカリウム強化塩が再発性脳卒中リスクの低減に

有望であることが示された

Potassium-Enriched Salt Shows Promise for Cutting Recurrent Stroke Risk

in Clinical Trial

By Justin Jackkson

https://medicalxpress.com/      2025.02.10

 

 中国北部の農村部における患者を対象とした大規模クラスター・ランダム化臨床試験において、塩に含まれるカリウム・サプリメントは、再発性脳卒中の発症率および死亡率の低下と関連していることが示された。この結果は、中国で実施された国際研究「塩代替物と脳卒中研究(SSaSS)」におけるサブグループ(脳卒中患者)解析から得られたものである。

 脳卒中は低所得国および中所得国における死亡および障害の主要原因の1つであり、再発は依然として大きな懸念事項である。特に中国北部では、ナトリウム摂取量の多さとカリウム摂取量の少なさが主要なリスク要因と考えられている。中国では、脳卒中の再発率は世界平均よりも高く、1年で17%、5年で41%に達する。

 SSaSS試験は中国農村部の600ヶ所の村と20,995人を対象に実施された。これまでの研究では、参加者の塩を75%の塩化ナトリウムと25%の塩化カリウムを含む塩代替品に置き換えていた。

 JAMA Cardiology誌に掲載された「塩代替物と再発性脳卒中および死亡:無作為化臨床試験」という研究で、研究チームは過去に脳卒中を経験したことがある15,249人の参加者のデータを分析した。

 研究者達は、血圧、脳卒中の再発、死亡率、および高カリウム血症リスクを含む安全性アウトカムをモニタリングした元の研究のデータを使用した。尿中ナトリウム/カリウム排泄量も追加調査された。

 研究期間中、25%カリウム代替塩群では、通常の塩群と比較して、再発性脳卒中が14%低下した。これは、最初のコホート研究全体における結果と同じである。

 追跡期間中の平均収縮期血圧は、塩代替塩群では対照群と比較して低下した。再発性脳卒中は合計2,735件発生し、うち691件が致死的、2,044件が非致死的であった。

 出血性脳卒中は相対的に30%減少し、脳卒中関連死亡は21%減少した。高カリウム血症については、群間で有意な差は認められなかった。

 研究結果によると、25%カリウムを含む減塩は、脳卒中生存者の脳卒中再発率と死亡率を低下させる安全で低コストの食事介入であることが示唆されている。研究者達は、特にナトリウム摂取量が高く、予防医療へのアクセスが限られている地域において、塩代替塩の普及を推奨している。