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減塩食はある患者には有害か、研究が示唆

Study Suggests a Low-Salt Diet Could Harm Certain Patients

MedicalXpress  May 23, 2016

 

低塩食は心臓の健康に危険であると議論のある新しい研究は主張。

 1日当たり3,000 mg以下に減塩することは非常に多くの塩を摂取している高血圧者の危険と同じほど心疾患の危険率を増加させるようだ、と主席研究者アンドリュー・メンテは言った。

 “塩の摂り過ぎも減塩し過ぎも健康には良くない、”とカナダ、オンタリオ州のマックマスタ―大学の臨床疫学者で生物統計学准教授のメンテは言った。

 アメリカ心臓協会はメンテの研究を大いに批判している。研究はナトリウム摂取量の不正確な推定値に基づいていると言い、平均的なアメリカ人の食事の過剰な塩に関する関心を緩めさせてはいけない。

 “これは新しい情報を提供しない非常に間違った解析で、社会政策を進めるために使うべきではない。アメリカ心臓協会は全ての給源から1日当たり1,500 mg以下のナトリウム摂取量を勧め続けている。”とアメリカ心臓協会前会長でハーバード医学校で臨床情報伝達研究の副学部長のエリオット・アントマン博士は言った。

 心臓協会によると、ほとんどのアメリカ人は推奨量の二倍以上の1日当たり約3,400 mgを摂取している。メンテの解析に基づいて、高血圧者だけが減塩について気にする必要がある。低塩食は高血圧でない人々について26%、高血圧者について34%の心臓発作または脳卒中の危険率を増加させることを示した彼の研究結果について述べた。高血圧者については、多すぎる塩摂取量は危険率を23%増加させることを研究は示した。

 他方、血圧が正常であれば、過剰な塩を含む食事でも危険率の増加は全くない、と研究は報告した。

 “データに基づくと、ほとんどの人々は食べたいだけ食べており、彼等は中間値にあり、それは実際に摂取量の一番安全な範囲である。”とメンテは言った。

 過剰な塩は体内に水を貯留させ、心臓に特別な圧力をかけることによってある人々で血圧を増加させる、と心臓協会は言う。

 低塩食は体のレニンーアンジオテンシン系を活性化させるとメンテは言った。これは血圧と液体収支を制御するホルモン工程である。

 “減塩によって血圧を下げようとすれば、血圧は下がるが、レニンーアンジオテンシン系を活性化する、”とメンテは言った。

 解析のためにメンテと同僚達は塩摂取量を測定し、心臓の健康を追跡した4件の研究結果をプールした。研究は49ヶ国から133,000人以上の被験者であった。

 それぞれの研究は日常の塩摂取量を推定するために各人から一回朝の尿試料を使い、それを期間に拡大しているが、その方法は不完全であるとアメリカ心臓協会は言った。

 尿中のナトリウムが3,000 mg以下の人々は低ナトリウム・グループと指定され、一方、7,000 mg以上の人々は高ナトリウム・グループと考えられた。

 “このような瞬間的なスポットによる尿中ナトリウム量の測定は、研究期間中のナトリウム摂取量について信頼できる情報を提供すると研究の著者らは仮説を立てている。”とアントマンは言った。この研究の新しい報告書は心臓の健康に良くない食事を人々に選択させることにアントマンは関心を持っている。“この解析が持つ欠如を指摘できなければ、大きな公衆保健問題となる、”彼は言った。研究結果は520日号ランセットに発表された。

 ニューヨーク市のレノックス-ヒル病院の公認栄養士のシャロン・ザラビは、塩は何千年もの間ヒトの食事の一部であった、と言った。しかし、加工食品の出現は味付けや

保存剤として塩を多く使うようになった、と彼女は言った。

 “我々は高血圧患者をDASH食で治療している。その食事はいろいろな野菜や果物を含んでおり、加えられる塩を制限している。ほとんどの食事研究は香辛料や加工食品を避けるために何事も中程度に、と主張している。サラダ・ドレッシング、マスタード、チーズ、ソース、パン製品でも思ったよりも多くの塩を含んでいるからだ。”とザラビは言った。

 ニューヨーク市ステッテン・アイランド大学病院の心臓部長ハワード・レバイト博士は、ほとんどの人々が正しい塩の量を摂取していると言う考えには議論がある、と言った。この新しい解析は、心疾患を防ぐ手段として塩摂取量を監視する必要性を論破していない、と彼は付け加えた。

 “中年になると、現在の個別のナトリウム・ガイドラインは見直される必要があるかもしれない可能性を論文は指摘している。しかし、確立されたプロトコールのレゾンデートルである予防目標から撤退することではない、”とレバイトは言った。