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食事性塩代替物は心臓発作、脳卒中および死亡危険率を下げる

 Dietary Salt Substitutes Lower Risk of Heart Attack, Stroke and Death

By British Medical Journal

MedicalXpress   2022.08.09

 

  塩代替物は心臓発作、脳卒中、および全ての原因および心血管疾患による死亡のリスクを低下させ、利用可能な証拠のプールされたデータ分析を見つけて雑誌Heartにオンラインで公開した。これらの代替品の有益な効果は、世界中の人々に当てはまる可能性が高いと研究者は言う。心血管疾患は世界的に主要な死因であり、高血圧は早期死亡の主要なリスクである。ナトリウムを含み、カリウムが低い食事は血圧を上昇させることが知られている。世界中の約128000万人が高血圧を患っているが、これらの半数以上は診断されていないと研究者は言う。

塩化ナトリウム(NaCl)の一部が塩化カリウム(KCl)に置換される塩代替物は、血圧を下げるのを助けることが知られている。中国から最近発表された大規模な研究(Salt Substitute and Strike Study : SSaSS)は、塩代替物が心臓発作、脳卒中、および早期死亡のリスクを減らすことを発見したが、これらの利点が世界の他の地域に適用されるかどうかは不明であった。これを明らかにするために、研究者達は20218月末までに発表された無作為化臨床試験を探し、血圧、心臓血管の健康、早期死亡に対する塩代替物の効果について報告する研究データベースをたどった。

 mmHgで測定される血圧は2つの数値で構成されている:収縮期血圧-心臓が体内に血液を送り出す力を示す容量高い数値と拡張期血圧-心臓が血液で満たされているときの動脈圧を示す低い数値である。彼等はヨーロッパ、西太平洋地域、南北アメリカ、東南アジアで実施された約30,000人を対象とした21の関連する国際臨床試験の結果をプールした。研究期間は1ヶ月から5年間続いた。塩代替物中の塩化ナトリウムの割合は33%から75%まで変化した。カリウムの割合は25%から65%の範囲であった。プールされたデータ分析は、塩代替物が全ての参加者の血圧を低下させることを示した。収縮期血圧の全体的な低下は4.61 mmHgであり、拡張期血圧の全体的な低下は1.61 mmHgであった。血圧の低下は、地理、年齢、性別、高血圧病歴、体格指数、ベースライン血圧、尿中ナトリウムおよびカリウムのベースライン。レベルに関係なく一貫しているようであった。そして、塩代替物中の塩化ナトリウムの割合がそれぞれ10%低いことは、収縮期血圧の1.53 mmHg大きい低下および拡張期血圧の0.95 mmHg大きい低下と関連していた。より高い食事性カリウムが健康上の害と関連していると言う証拠はなかった。

 24,000人以上の参加者を対象としたこれらの試験のうち5つの結果のプールされたデータ分析では、塩代替物はあらゆる原因による早期死亡のリスクを11%、心血管疾患のリスクを13%、心臓発作または脳卒中のリスクを11%低下させた。研究者達はプールされたデータ分析の研究が異なることや、高血圧を患っていない人々のためのデータが比較的少なかったことなど、彼等の発見に対する特定の限界を認めている。しかし、それにもかかわらず、彼等は、彼等の発見がこれまででカリウムを豊富に含む塩代替物の史上最大の試験であるSSaSSの発見を反映していることを強調している。

 「血圧低下は塩代替物が心血管保護を与えるメカニズムであるため、観察された一貫した血圧低下は、中国国外およびそれ以降の両方でSSaSSで観察された心血管保護効果の一般化可能性を強く主張する。」と彼等は書いている。「これらの知見は偶然の遊びを反映している可能性は低く、食事性ナトリウム摂取量を増やし、血圧を下げ、主要な心血管疾患を予防するための戦略として、臨床現場や公衆衛生政策における塩代替物の採用を支持する。」と彼等は結論付けている。