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編集者への手紙

 

‘反対者と塩摂取量に関する詳細’に対する返信

Response to:More on Dissidents and Dietary Sodium

By Martin O’Donnell, Andrew Mente, Salim Yusuf

Int. J. Epidemiol. 2018;47:673-674   2018.02.22

 

 キャンベルのコメントのほとんどは我々の前の回答で取り上げられている。我々は前の発表で全ての関連した開示を行い、我々が塩産業界から資金(個人的にも助成金でも)を受け取っていないことを再び明らかにする。

 我々の見方では、キャンベルの手紙は科学的議論から議論を避けようとしている。多分、これは全人口に減塩を勧める彼の立場をエビデンスが支持しないからで、中程度の塩摂取量と比較して低い塩摂取量(5.8 g/d以下)の人々で心血管疾患率または死亡率を有意に低く報告した研究がないからである。塩摂取量と健康との間の報告されているJ字型関係は塩摂取量に対して様々な方法を採用した様々な集団による数多くの研究に基づいている。反復24時間尿測定を行った研究間でも、全集団で中程度の塩摂取量(5.8 – 11.7 g/d)の人々と比較して低塩摂取量(5.8 g/d以下)で心血管疾患の危険率の有意な低下を示した研究はない。PURE研究の塩摂取量測定についてキャンベルが挙げた点は前の回答で徹底的に述べた。キャンベルの方法は、彼の意見(例えば、低塩摂取量で心血管疾患の低い危険率を報告した研究がないこと)を支持する研究がないことを無視しながら、彼の意見(例えば、低塩摂取量で心血管疾患の危険率を増加させることを報告した研究)に挑戦する研究(とその著者ら)を批判することである。例えば、高血圧予防試験(TOHP)のコントロール・グループの観察的追跡からの結果を彼は強調しているが、中程度の摂取量と比較して低塩摂取量(5.8 g/d以下)の人々で有意に低い心血管疾患率を報告している研究の解析はない。全集団に低塩摂取量を勧めることを要求する証明の義務は害のあるエビデンスを単に論争するよりもむしろ心血管疾患に有益性の明らかなエビデンスである。

 高塩分食を食べている集団で塩摂取量を中程度に下げることを支持すると我々は再び述べる。その摂取量には有益性(と害がない)の十分なエビデンスがあるからである。しかし、我々は中程度からさらに低い摂取量に減塩を勧めることは賢明でないと考える。心血管疾患を減らす確かなエビデンスがまだないからである。中程度の塩摂取量を勧める我々の立場は、世界心臓連盟、ヨーロッパ高気圧協会、それに最適塩摂取量に関する多様な見解を持つ国際パネルを含むヨーロッパ公衆衛生協会の合同作業グループから最近発表された技術報告書と一致している。