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電池の画期的な進歩により、次世代セルに「前例のない性能」が

もたらされる

Battery Breakthrough Brings ‘Unprecedented Performance’ to Next-Gen Cells

ナトリウム・イオン電池は間もなくスマートフォンから風力発電所まであらゆるものに使用される可能性がある

By Anthony Cuthbertson

Independent 2023.11.17

 

 日本の研究者達による電池の画期的な進歩により、次世代電池がついに量産化される道が開かれる可能性がある。東京理科大学のチームは従来のリチウム・イオン電池と同等の性能を持つナトリウム・イオン電池を構築する方法を発見した。

 リチウム・イオン電池は、電気自動車からスマートフォンに至るまであらゆるものに使われているが、採取が困難で高価な資源から作られており、有毒で可燃性の液体電解質も含まれている。対照的に、ナトリウム・イオン電池は安価で、極端な温度に対して安定性があり、過熱の危険がない。これまでの主な制限は、リチウム・イオン電池と比較してエネルギー密度が低いことであった。この制限を克服するために、科学者達はナノ構造の硬質炭素から作られた高容量電極を開発し、それを最適化して実際の電池に組み込むことができた。

 研究者達は、新しい電極は「前例のない性能」を実現し、家庭用電化製品や電気自転車用の次世代電池を製造するための実行可能な選択肢を提供すると述べた。「この値は、現在商品化されている特定タイプのリチウム・イオン電池のエネルギー密度に相当し、2011年に我々の研究室が報告した最初のナトリウム・イオン電池のエネルギー密度の1.6倍以上である。」と東京理科大学の駒場慎一教授は述べた。

 この画期的な進歩により、ナトリウム・イオン電池は太陽光発電や風力発電用の低炭素排泄量エネルギー貯蔵システムなど、他の実用的な用途にも応用できるようになる可能性がある。

 この研究は、Advanced Energy Materials誌に掲載された「NaおよびKイオン電池用の異常に大容量の硬質炭素の新しいテンプレート合成」と題された研究で詳しく説明されている。