たばこ塩産業 塩事業版 2002.01.20
Encyclopedia[塩百科] 6
(財)ソルト・サイエンス研究財団専務理事
橋本壽夫
インターネットで見る世界の塩情報
21世紀2年目の年頭にあたりインターネット情報について考える。情報化社会を支える機器・ソフトの発達で世の中が変わってきた。インターネットを使えばたちどころに何処にどのような情報があるかをいとも簡単に知ることができ、情報発信も容易である。
塩産業は新しい社会環境を迎え、発展の道を模索して行かなければならない時代に入った。情報化社会に適応していく攻めと守りの手段としてインターネットを最大限に利用することを考えるべきである。
インターネットで塩の情報を得るには塩のデータベースがあれば良いが残念ながらない。したがってホームページにアクセスして個別の情報をこまめに収集していくしかない。
ホームページの中には他のホームページとリンクしてネットワークを構成しているものがあるので、新たな情報源として利用できる。
海外の塩情報
アメリカ塩協会(Salt Institute :
http://www.saltinstitute.org)
塩に関する最大の情報源はアメリカ塩協会のホームページであろう。昨年4月24日発行のSIレポー ト(毎週発行している塩産業界の情報)によると、ホームページの利用度が1月には190万件、3月には260万件の記録に達したと報じている。この団体は北米の塩生産者をメンバーとしており、9社がメンバーとなっており、準メンバーとして北米以外の国から25社が参加している。それらの多くがホームページを持ってリンクしているので、関心のある会社のホームページを容易に見られる。
ホームページの主要な内容を表1に示す。かなり幅広い内容が盛り込まれていることが分かる。
表1 アメリカ塩協会のホームページ |
塩協会について |
塩について |
塩産業について |
ニュース |
塩協会の紹介 |
塩化ナトリウムの性質 |
塩産業の概要 |
最近のニュースレター |
メンバー |
北アメリカの塩鉱床と製塩場の地図 |
塩生産技術 |
報道関係者用 |
広報冊子とビデオ |
塩の歴史 |
アメリカの塩販売 |
塩協会のニュース・レリース |
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塩の用途 |
カナダの塩 |
塩協会の公式声明 |
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塩の使用上の注意 |
世界の塩産業 |
冬期交通に関する報告 |
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塩と栄養 |
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ヨード欠乏症撲滅に対する国際的運動 |
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中学で塩の授業を教える先生への情報提供 |
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塩産業に関連する行事予定 |
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冬期融氷雪による道路管理 |
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塩と微量ミネラル |
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ヨーロッパ塩生産者協会(European Salt
Producers' Association : http://www.eu-salt.com)
ヨーロッパ14カ国の塩生産者33社をメンバーとした団体である。定期的な情報として四半期に1回ECHOが発行される。ECHOには世界の塩産業の状況が掲載されている。この機関はドキュメント・センターを持っており、そこから特許、技術情報、ECやフランスの法規・規定、世界の塩産業情報などが年1回整理され文献リストとしてメンバーに配布される。メンバー以外でこの情報を得るには年会費を払わなければならない。
ホームページの主要な内容は組織の紹介、メンバー、キーワードとなっている。ホームページを持っているメンバーとはリンクしているので、この場合も容易に関心のある会社にアクセスできる。キーワードには次の6つのカテゴリーがある。消費者、栄養士、ジャーナリスト、製造者、従業者、教師である。それぞれの該当者には関連する20項目前後のキーワードが配置されており、クリックすればそれぞれの内容が読める。キーワードは該当者によって重複しているので、全体の件数は50件くらいである。
国内の塩情報
(財)塩事業センター(http://www.shiojigyo.com/)
塩事業センターのホームページは表2に示すように塩事業に関連した内容で構成されている。表には掲載されてないが、チャレンジクイズ、レッツゴー体験君と言った子供にも関心を持たせるコーナーもある。
またセンター所属の塩業資料室が所有している資料はデータベース化されており、インターネットで検索ができるようになっていることは大きな特色で、塩に関心のある研究家にとっては有り難いホームページである。
塩が専売制であった時代の行政機関としての歴史を持つ財団であり、塩産業全体を把握しているので、このホームページが関連団体、企業のホームページとリンクしていると重宝となる。
表2 塩事業センターのホームページ内容 |
Information |
塩あれこれ |
お料理のコツ・塩編 |
最新情報 |
事業内容 |
塩のサイエンス |
魚・貝編 |
センターからのお知らせ |
商品ガイド |
日本の塩づくり今昔 |
肉編 |
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世界の塩づくり |
野菜・果物編 |
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塩にまつわる言葉 |
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塩の用途 |
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(社)日本塩工業会(http://www.sio.or.jp/)
日本塩工業会のホームページは表3に示すように大きく分けて「日本の塩」、「塩の情報室」からなっている。「塩の情報室」の中の「質問への回答」では質問と回答の事績が掲載されている。工業会傘下の製塩会社は7社あり、「塩はどこでつくられているの」のページの地図に場所と会社名が掲載されている。ホームページを持っている会社とはリンクしているので便利である。
表3 日本塩工業会のホームページ |
日本の塩 |
塩の情報室 |
塩の種類 |
需要と供給 |
日本の塩のつくり方 |
塩の種類と特徴 |
塩はどこでつくられているの |
塩の性質 |
日本の塩はここがよい |
上手に使う |
基本的な塩の種類と特徴 |
塩と健康 |
食用塩安全衛生ガイドライン |
塩づくりの話 |
塩と高血圧の関係 |
塩の歴史 |
塩づくりの歴史 |
質問への回答 |
(財)ソルト・サイエンス研究財団(http://www.mesh.ne.jp/saltscience/)
ソルト・サイエンス研究財団のホームページの内容は表4に示すように、主として助成研究の内容や出版物の内容に限られている。月刊情報誌の内容は目次だけである。収録された項目(題名)だけでも掲載できると有用であるが、著作権の関係で許されない。しかし、財団では掲載された記事はデータベース化されている。
表4 ソルト・サイエンス研究財団のホームページ |
項 目 |
内 容 |
財団案内 |
関連サイトを含む |
研究助成 |
募集要領 |
年度別研究助成一覧 |
19988〜2002年度助成課題 |
賛助会員 |
入会案内 |
月刊情報誌 |
目次のみ |
機関誌「そるえんす」 |
1988〜2001年度掲載記事 |
また、本紙で取り上げた機関と「たばこと塩の博物館」のホームページにリンクしているので便利である。
以上、海外・国内の塩に関連した主な組織のホームページを紹介した。商品の品揃えをしてホームページという店を出し、お客さんが来る(アクセスする)のを待っているようなものであるから、出来るだけ品揃えをして良い品物を並べて繰り返し足を運んでくれるようにすることが肝要である。海外組織のホームページに比べ国内組織のホームページの内容はまだまだ不十分であり、これから一層充実させて情報を発信していくことが望まれる。
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