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工業化学品としての塩

Salt as an Industrial Chemical

 

ヨーロッパ塩生産者団体のホームページ「Salt Association」より

 

 化学の理解が錬金術師の実験や薬剤師の技術に起因した。錬金術は金属や物質を含んでいる傾向であった。それらの物質は加熱、混合などをした時、形を変え、この観点で塩は将来有望な原料ではなかった。

 歴史を通して塩は保存剤や風味強化剤として主に食品と関係してきた。肉についての塩の保存性質は皮なめしや死体の防腐保存処理にまで広がった。18世紀に塩は他の化学品を製造するための原料となった。その世紀の前半で、硫酸が工業規模で製造され始め、繊維の漂白で酸性化剤としてバターミルクと置き換わった。1770年代に工業化学品として塩が最初に使われた。タインサイドで塩と硫酸から塩酸を製造した。塩酸は繊維漂白剤として硫酸よりも優れていることが分かった。しかし、そのような使用法の寿命は1780年代に塩素漂白の導入で短期間で終わった。これはシーレの塩素と1774年の塩素の漂白作用の発見によるものであった。アルカリ溶液中で薄い塩素溶液が最初に使われ、塩、硫酸、二酸化マンガンから生産された塩素ガスであった。塩素漂白は1797年にチャールス・テナントの漂白剤発明後に急速に広がった。

 硫酸との同じ塩の分解反応に基づいているが、塩の中のナトリウムの利用は別のルートから起こり、19世紀半ばまで塩素漂白産業から分離されて残った。1760年代の後半から、アルカリ製造の原料として塩の利用はワット、ブラック、ケアー、その他の人々によってブリテンで探査され、フランスのニコラス・ルブランが最初であった。1783年の彼の工程と1791年の特許は彼の名前を付けた19世紀のアルカリ産業に基づいていた。このようにして18世紀の終わりまでに、塩は工業化学品としてしっかりと確立された。塩務局の粗雑な非効率と共にこの役割における塩の重要性は1825年に塩税が廃止された主たる理由であった。