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近代科学論争 パート1:塩戦争

Modern Scientific Controversies Part 1: The Salt Wars

By Kip Hansen

Watts Up With That?  2016.06.09   httm://wattsupwiththat.com より

 

プロローグ:これは進行中の科学的論争を議論する一連のいくつかの論評の最初のもので、しばしば科学報道や他では“戦争”として参照される特別な種類の論評である。例えば、この論評は塩戦争を扱っている。類似性や相違を照らし出すシリーズの目的はそれぞれに含めた。

警告:これは短い論評ではない。もっと長い論文を読む時間があるとき深く勉強する。

 

ニューヨーク・タイムズ2016.06.01水曜日の記事“食品医薬品局は食品に加える塩についてのガイドラインを提案”から:

“食品医薬品局は水曜日(2016.06.01)に食品業界が減塩するための自主的なガイドラインを提案した。標準は結局、何千人ものアメリカ人の生命を救うと言っている消費者や公衆保健推進者によって長く求められてきた運動である。”

“アメリカ人はほとんどの専門家達が勧めているよりもほぼ50%も多くのナトリウムを摂取している。高ナトリウム食は高血圧と結び付いており、それは心疾患や脳卒中の大きな危険因子である。”

“どれくらいナトリウムを減らすかについて科学的論争が行われてきたが、食品医薬品局の科学者達は、健康利益は言うまでもない、と言った。”

 “科学的論争”に提供された関係を追って行けば、本論文は20135月のジーナ・コラタがニューヨーク・タイムズに書いた記事「食事中の厳しい塩制限には利益がない」に行き当たる。それは国立アカデミーの医学研究所が行った塩摂取量と健康に関する近代科学の全てをレビューしたブックレット・サイズの報告書に関することで、表題は、集団の減塩結果に関する委員長が書いて2013年に出版した「集団のナトリウム摂取量:エビデンスの調査」である。

 この大規模なレビューのいくつかの結果と結論は:

“結果2:直接的な健康結果に関する研究からのエビデンスは不十分で、1日当たり2,300 mg以下のナトリウム摂取量と心臓血管疾患の結果(脳卒中と心臓血管疾患死亡を含む)または全アメリカ人口の全死因との関係に関しては矛盾があることを委員会は認識した。”

さらに

“…ナトリウム摂取量と直接的な健康結果との関係に関する利用できるエビデンスは過剰なナトリウム摂取量を下げる集団ベースの努力と一致しているが、集団全体を1日当たり1,500 mgのナトリウム摂取量に下げることを奨励する勧告とは一致していないことを委員会は認識した。”

 長い間ニューヨーク・タイムズのジャーナリストであったジーナ・コラタは次のように要約した:

“公衆保健警告の年数を切り下げた報告書で、政府によって招集された名声あるグループは、健康結果に基づいて多くのアメリカ人が国民の食事ガイドラインで勧められている非常に低い量までナトリウム摂取量を下げる良い理由はない、と言っている。”

 201310月号のアメリカ高血圧学会誌は、医学研究所の2013年報告書に従って塩戦争に特化した本号で広範囲な話題を提供した。テオドールA.コッチェンが書いた「紹介:2013年の塩論説」は医学研究所報告書の結果の特性を次のように述べている:

医学研究所報告書は次のように結論を下した:

  1.“高いナトリウム摂取量と心臓血管疾患の危険率とのポジティブな関係をエビデン

スは支持している。”

  2.“健康結果に関するエビデンスは集団全体を1,500 mg/dまでナトリウム摂取量を下げる努力とは一致していない。”

  3.“アメリカ人全体よりもサブグループの集団に別に処理することを支持する研究結果に関するエビデンスはない。”

 それでも、我々が20166月始めに報告したように、“集団全体の減塩の健康利益は言うまでもない”、と言う仮定に基づいて食品医薬品局は加工食品業界にガイドラインを提出した。

 集団全体の減塩の健康利益は言うまでもないことだろうか?

 長い間塩戦争と呼ばれてきたことに火が付いた最近の一斉射撃は先月、2016520日に発行された。アンドリュー・メンテ博士が主導した巨大で国際的なレビュー研究の表題は「心臓血管イベント…と尿中ナトリウム排泄量の関係」で、世界の主要な医学雑誌の一つランセットに発表された。研究は49ヶ国から133,000人のコホ-トからなり、国際的に知られた29人の研究者達によって書かれた。その結果についての彼らの解釈は次の通り:

“解釈:中程度のナトリウム摂取量と比較して、高ナトリウム摂取量は高血圧者で心臓血管疾患イベントと死亡の危険率増加と関係している。一方、低ナトリウム摂取量と心臓血管疾患イベントと死亡の危険率増加との関係は高血圧の有無に関係なく観察される。ナトリウム摂取量を下げることは高ナトリウム食で高血圧者を一番の目標であることをこれらのデータは示している。”

 ランセットの同じ号に掲載されたコメントでは、ダブリン大学のバイオモレキュラーとバイオメディカル研究のコーンウェイ研究所の分子薬理学教授でアイルランド心臓財団の元理事長のエオイン・オブライエン博士は次のように書いている:

“明らかな定説が挑戦を受ける時、我々は論争を話すのではなく、ふさわしくないレトリックを避けるようにむしろ、いわゆる科学的不確実性で記述されたことを全て網羅すべきである。塩摂取量についての集団戦略の問題がポイントの良いケースである。食事中の過剰な塩は血圧を上昇させる他に論点がなく、高血圧者の減塩戦略は高血圧で心臓血管疾患になる結果を予防する。しかし、集団のナトリウム摂取量を減らすことは全てに対して利益となると言う推論は、そうすることが全く害になるかもしれないと言う主張と戦ってきた。”

 トッド・ニールはtctmd.comで研究について単刀直入に報告している:

1日当たり3 g以下のナトリウムを摂取することは高血圧者と正常血圧者の両方で中程度の摂取量と比較して全ての死因による死亡または主要な心臓血管イベントの危険率を大きくすることと関係している、と130,000人以上の観察研究は示した。対照的に、7 g以上を摂取することは高血圧患者だけの結果を悪くすることと結び付いている。”

ニールの論文は次のように続く:

 しかし、元アメリカ心臓協会会長のダニエル・ジョーンズはアメリカ心臓協会を代表してTCTMDに語った。アメリカ心臓協会はその結果を強く論争した研究を論破した公式声明を発表した。

“これは間違った研究であり、保健政策はこの研究に基づくべきではない。”と彼は言った。“良い研究を行うことは難しいが、多くのエビデンスは、ほとんどの人々が多過ぎるナトリウムを摂取しており、人々の一般的な健康は少ないナトリウム摂取量で改善される。人々はナトリウム摂取量を少なくすることに関心を持つべきである、と言うこのメッセージは真剣に取り上げられるべきことではない。”

 事実、アメリカ心臓協会はプレス・リリースと“専門家達は塩摂取量についての新しい研究を批判”と題するウェッブ・ページで反撃した。アメリカ心臓協会の現会長と前会長の二人の専門家は次のようにコメントした:

アメリカ心臓協会会長のマーク・クリーガーは…“過剰なナトリウム摂取量と高血圧との関係は証明されているが、著者らの勧告を採用することはナトリウム摂取量を修正し、高血圧の危険率と心疾患および脳卒中に及ぼす高血圧の影響を下げることで生ずる経過を悪くするかもしれない、との心配がある。今日の広く受け入れられているナトリウム勧告はゆるぎない科学的研究に基づいており、人々はそれを理解すべきである。”とクリーガーは言った。

ハーバード医学校の臨床/遺伝翻訳研究の副部長でボストンのブリガガム・アンド・女子病院の心臓血管部の上席医師であるエリオット・アントマンは新しい研究の結果は無視すべきであると言った。

“これは間違った研究であり、どのように食べるかについて自分に言い聞かせるために使うべきではない。アメリカ心臓協会はエビデンスの全体性をレビューし、1日当たり1,500 mg以上のナトリウムは理想的な心臓の健康に最も良いこととして維持することを我々は続けている。”とアメリカ心臓協会前会長のアントマンは言った。

 ここまでは、3人のアメリカ心臓協会会長が、2013年の国立アカデミーの医学研究所の結果に同意し、拡大した新しい研究とその結果を攻撃してきたことを述べた。

ここから世界は動物進むのだろうか?

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 世紀が変わる15年前に巻き戻し、ニューヨーク・タイムズの科学欄からの論文を見てみよう:アビゲイル・ズーガーによる「塩摂取について論争で皆が知っていること」(NT Times, January 9, 2001)。ズーガーはこれで次のようにリードしている:

“食べ物の流行は行ったり来たりするが、低塩は永遠である。またはそのように少なくとも合理的な人は過去20年間でほとんどのガイドラインからの徹底したメッセージから結論を下しているだろう:食べる塩を減らすように。しかし、公式見解の裏では、医学界で最も長くて最も罵り合いの戦いの一つが盛んに行われている。論争を終結させようと設計された画期的な研究が10年間も続いているにもかかわらず論争が続いており、一層の矛盾を引き起こすだけになっている。

 2001年には塩戦争は既に数十年間も続けられてきた。ズーガーは我々に戦線を次のように概説している:

“国の主要な保健機関のほとんどが支持している科学者達の一団は、高血圧者であろうとなかろうと、減塩は良いことであることを支持している。‘塩問題、その結果は非常に明快で、それほど多くの論争は残されていない’と最近のほとんどの研究を主導してきたハーバードの栄養と医学の准教授であるフランク・サック博士は言った。数十年間も減塩推進部隊の先頭に立ってきたシカゴのノースウエスタン大学医学部予防医学の名誉教授であるジェレミアー・スタムラー博士は1948年に自らほとんどの塩を食べることを止めた、と言った。‘塩の疑問は解決され、塩は我々が必要としない食品添加物である。’とスタムラー博士は言った。

そして一方、ことわざでは:

“しかし、他の同じように尊敬されている科学者達はそれでも塩付のプレツェルをしっかりと支持しており、減塩よりも血圧制御にはより良い道具で、減塩食は実際に健康に有害であるかもしれない、と擁護している。”

“塩がアメリカの食事で悪者にされているが、食事で多くの塩を摂り過ぎるかどうかがそれほど大きな問題ではない。”とポートランドのオレゴン保健科学大学の医学部教授であるデビッド・マッカロン博士は言った。彼が主張するには、果物、野菜、低脂肪乳製品を多くしたバランスのとれた食事をすると、塩は血圧制御にあまり影響を及ぼさない。‘それが本当の問題である。’

ブロンクスのアルバート・アインシュタイン医学校の医学と疫学の教授であり、アメリカ高血圧協会の元会長であるミカエル・アルダーマン博士は次のように言った:‘特別なナトリウム含有食を食べるための公衆保健勧告に何らかの基本的な根拠があるとは思わない。科学的な問題はデータによって解決されるべきである。そしてデータはない。’

15年前、国立衛生研究所が行った当時最新の二回行った研究のDASH研究は、果物、野菜、乳製品の多い充実した食事をすることによって血圧は上手くコントロールされることを示した。このいわゆるDASH食は血圧治療と同じ程度に血圧を下げた。二回目のDASH研究は、減塩と組み合わせたDASH食でもより良い結果を生じることを示すように思えた。両方の研究は塩戦争の両側から挑戦され、両側とも自分たちの見解に都合よく結果を解釈した。

“…ノースウエスタンのスタムラー博士は二回目のDASH研究の結果に関して次のように言った…、既に最適血圧でない人々の他に誰についても、減塩による有意な効果があることには疑問はない。”

しかしながら、

“マッカロン博士はそうではない、と言った。二回目のDASH研究の最も重要な結果は、血圧管理で最初の段階は食事:果物、野菜、低脂肪乳製品から摂れない物を加えるべきであると言う明確なエビデンスである。人々が食事介入にお金を使わなければならないのであれば、そのことから来る彼らの血圧応答は塩について心配する結果よりもはるかに良い。”

[上述の直接引用したことは全てズーガーのニューヨーク・タイムズ記事からである。]

実際的なレベルで、1日当たりのナトリウム摂取量を3,300 mgから2,400 mgに下げることは、通常食を食べている人々について研究では平均2.1/1.1の血圧低下をもたらした。DASH食に変更することは全く減塩をしないでも実質的に血圧を5.9/2.8ほど下げられた。

もっと詳しく見てみよう。通常食の人々について2,400 mg/dまで減塩するという減塩食は血圧を平均して2.1/1.1 mmHg下げた。したがって、高血圧と考えられる150/95の血圧者であれば、2,400 mg/dまでの減塩は平均して血圧を147.9/93.9まで下げるだろう。その程度の改善は最低限の臨床的に重要な差として有効とは言えない。言い換えれば、高血圧者は2.1/1.1の低下では誰も治療にはならない。そのようなわずかな低下は患者の満足度または一般的な健康状態を改善したことにはならない。事実、それは、医者が血圧を測定だけで10 – 30 mmHg上昇する“白衣効果”の範囲である。“病院に行った時だけ高血圧の値(すなわち、何時も140/90 mmHg以上の値を示す)を示せば、白衣高血圧という言葉が使われる。家庭で測定した時には血圧値は正常である。”

これは我々をごく最近の塩戦争射撃に全面的に引き戻す。ランセットの最近号にあるメンテらの研究“心臓血管疾患と尿中ナトリウム排泄量の関係…”は18年後になるが、アルダーマンの結果を確認した:中程度のナトリウム摂取量と比較すると、高ナトリウム摂取量は既に高血圧になっている人々で心臓血管疾患や死亡の危険率を増加させる一方で、集団全体に低ナトリウム食を強制することは総合的に負の健康効果(血圧に関係なく、誰についても心臓血管疾患の危険率増加や全ての死因による死亡の危険率を増加させる)をもたらし、最適な健康結果は血圧の状態に関係なく中程度の塩摂取量で見られる。

アメリカ心臓協会と長期間減塩の立場を取り続けてきた協会と同類の組織については、これらの結果(いかに科学的に健全で、いかに確固として、いかに彼らが初期の結果を繰り返し確認している)は単純に容認できない。これらの結果は無視されるべきである、とアメリカ心臓協会は公然と述べてきた。

少し休憩しよう。これまで議論されてきた情報は塩戦争に関連している膨大な文献のごく僅かしか提示してない。私は科学ジャーナリストであるガリー・トーブスとニューヨーク・タイムズの彼の記事およびサイエンス雑誌の彼の記事を意図的に避けてきた。それらはいずれも1998年半ばまでの塩戦争を一番良く要約している。トーブスは20年間以上も塩戦争について書いてきた。 (塩の論争で実際的に塩側を擁護した) 彼の仕事は伝説的である。私はまた“ソルト・グル”であるモルトン・サティンの意見や仕事を避けてきた。彼は退職してバージニア州アレキザンドリアにある非営利業界団体である塩協会で科学調査担当の副会長になった。それは多くの観点で彼の仕事を傷付けてきた団体である。(その前は、サティンは国連食糧農業機関のアグリビジネス・プログラムの責任者として16年間過ごした。)サティンの一般的な意見は、塩論争は粗雑な科学と明白な誤報で満ちている、としている。

おかしなことは別として(そしてここで読んできた多くのことはこの状況を認めている)、トーブスは電話で邪魔されることを恐れて電話にも出ない、とサティンは主張してきたことが報告されている。トーブスはこれを否定している。しかし、他の現代の科学的論争のように、全ての機関によって行われるやり方であるが、“業界による罪悪”は手に負えないためであると、私はそれに言及した。

 

塩について我々が知っていること:

1.塩はヒトの食事で絶対に不可欠な栄養素で、十分な塩摂取量がないとヒトは死ぬ。

2.ほとんどの人々にとって、1日当たり中程度の塩摂取量(2,500 – 5,000mg)は無害である。(原報はナトリウム量と塩量を取り違えている。塩で6.4 - 12.7 g/d)

3.高血圧は心臓血管疾患や早死の危険率と関係している。

4.ほとんどの人々にとって、塩を食べ過ぎることは血圧上昇を引き起こすが、その増加は臨床的に重要ではなく、平均して約2.1/1.1 mmHgである。

5.人々の何某かのパーセントについては塩感受性と言われ、10 -15%の範囲にあると思われる。彼等については塩摂取量が高血圧を引き起こし、高い塩摂取量で既に高血圧になっている人々については、改善された食事(DASH食-特に果物、野菜、低脂肪乳製品が多い)は血圧を健康な水準まで下げるのに役立つ。

6.ほとんどの人々にとって、低すぎる塩分食は心臓血管疾患に危険率を上げ、全ての死因による死亡の危険率を上げる。

7.塩摂取量に関して“低すぎる”、“中程度”、“高すぎる”と判定する計量の科学は“幾分不明確”として一番良く特性付けられる。

 

塩政策について我々が知っていること:

1.塩戦争は少なくとも30年間盛んに行われてきた。

2.塩戦争の一方側は、塩摂取量が血圧を上昇 (ほとんどの人々でほんの僅か) させるので、ある人々で大きく血圧を上昇させる、と信じており、高血圧は心疾患の増加や死亡の危険率と関係していると言う考え方と結び付いて、政府は食品産業の規制、食事ガイドラインの設定等を通して全ての人々の塩摂取量を下げる行動を取るべきである、と思っている。こちら側を列挙すると、アメリカ心臓協会、国連の世界保健機関、アメリカ合衆国食品医薬品局がある。多くの食品・食事擁護グループは塩に対してアメリカ心臓協会を支持している。まとめるとこれらのグループは“強制的な解決を主張する官僚的に固定化された仮説”からなる意見を述べている。

3.反対側は、科学は集団全体に減塩を押し付けるほど十分に解明してなくて、必要でないのに減塩を続けると、有益ではなく有害となり、全てのグループで心臓血管疾患や早死を増加させる。こちら側の意見に立つ科学者の大多数は、DASH食が減塩よりも高い血圧を下げるのにはるかに効果的であることを支持している。

4.全集団に減塩を強いることによる有害なエビデンスがあるにもかかわらず、様々な政府機関は規則、規制、ガイドラインを制定して食品加工業界に従わせ、ごく最近にはニューヨーク市でチェーンレストランに塩含有量の高い食べ物に表示義務を負わせた。

5.全ての現代の科学的論争と同じ様に、社会の公職の権威を持っている機関、この場合ではアメリカ心臓協会、食品医薬品局、世界保健機関は、根拠の明確な科学的事実が自分達の側に無くても大きな強みを持っている。[“公職の権威は発言する機会を提供し、耳を傾けるに十分に顕著な立場であり…そのことで議題を主張する強固な根拠となっている。”]

6.仮説は科学的に正しいが仮説の現実世界の全体的な効果が大きく誇張されている時に塩戦争は何が起こりうるかの事例である。これは“強制的な解決”に導き、その後それは既存の問題について万能薬として売られる。基礎科学は実際には不確かであるので、この意見を支持する科学者達は自分達の立場を確立するために自分達を擁護者に転換させなければならなかった。転換した政治的な擁護者達は科学者になったように装い、主張している利益は不確実なことからせいぜい無意味なことまでの範囲であるらしいにもかかわらず、全社会に“フリーサイズ”の解決を押し付けるように政府にアドバイスしている。

 現代の科学的論争、下位区分の科学戦争は全て同じようなパターンに従っており、共通の特徴を持っている。このシリーズが進展するにつれて、これらの特徴が何であるかが明らかになり、それらが科学や科学者達の名声にもたらす害悪が明らかになる。

 

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脚注:

1.全ての事例で、本論文と全ての引用文献を含めて塩という言葉は普通の食卓塩(NaCl)を指しており、全て塩の通常の種類は台所、レストラン、食品雑貨店、食品加工工場にある。“塩戦争”と言う言葉の使用は私が初めてではなく、しばしば科学雑誌で一般的に使われてきた。一例を挙げると、サイアンティフィック・アメリカンの健康記事である“激論が続く塩戦争:マリオン・ネッスル栄養学教授との歓談”この論文では言葉の使用は、話題の塩戦争で分割されてきた世界中や年代にわたって多くの実際的な武力紛争と混乱させられていない。

2.脚注1と同じ文献から私はマリオン・ネッスルの言葉を引用する。“統計学者の一団が参加しているナトリウム会議に出席した。その時、統計学者に問うと、彼等は、塩が高血圧と何らかの関係があると考えている人はみな勘違いしている、と言った。”そしてそれはほとんど何も示していない臨床試験に基づいている。この問題を扱っているどの委員会も次のように言っている。‘我々は供給食品中のナトリウムを本当に下げる必要がある。’今やこの問題を扱っていた全ての委員会が勘違いしていたか、これらの決定の合意については客観的で合理的な根拠がなければならない、かのいずれかである。そして“どのような結論が出ようとも全ての臨床試験について誰もが主張している。したがって、私は全てのことが完全に魅力的であると思っている。”

 

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著者のコメント方針:

 何時ものように、塩戦争についてあなたの疑問に答えることをうれしく思う。私は1980年台以来、塩戦争を追い続けてきた。私が関係している6件以上ものこのシリーズでカバーするために、私は現在の科学戦争に関する提案を開放している。

 

以下の方針は省略

 

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