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減塩は心臓の健康を本当に改善するか?

Does Cutting Salt Really Improve Heart Health?

By Meredith Melnick

TIME  July 07, 2011

 

 現存する研究の新しいレビューによると、人々に減塩を要求することは血圧をわずかに下げるが、心臓発作や心臓に関連した死亡の危険率に何らかの効果を持っているとは思えない。

 エクセター大学のロッド・テイラー教授と彼のチームは、少なくとも6か月間、塩摂取量と死亡または重症心血管疾患(心臓発作、心臓手術、脳卒中)を約6,500人の参加者で追跡した既に発表されている7件のランダム化比較試験からのデータを調べた。

 減塩は血圧を少し下げた結果であったが、減塩が高血圧者または正常血圧者で死亡率を下げた強いエビデンスを研究者達は見出せなかった。鬱血性心不全疾患で減塩が死亡の危険率を増加させたかもしれないことを一つの研究が示唆した。

 結局、主要な心血管疾患の危険率に及ぼす減塩の影響について結論を下すためのプールされた研究で十分なデータはなかったとレビューした著者らは結論を下した。さらに厳密で大規模、長期間の研究が必要である。

 それでも過剰な塩摂取量は血圧と心血管の健康に影響を及ぼすと言うデータは沢山あり、専門家達のコンセンサスもある。ウォール・ストリート・ジャーナルは次のように報告した:

   塩摂取量は心血管の危険率と関係していると言う意見に疑問を持たないと

テーラーは健康ブログで語っている。しかし、塩摂取量を永遠に下げる手段

として、個々人の食事アドバイスをするだけで危険率を減らせないし、した

がって、健康結果に長期間の影響を及ぼさないと彼は言う。“何もうまく行か

ないことがアドバイスである。”と彼は言う。

 食卓にある塩振出器が本当の問題ではない:我々の塩摂取量の75%はレストランの食事や“見えない塩”の形で包装食品から来ている、とテーラーは述べている。したがって、食品製造者にあまり塩を使わないようにと言わないで人々に減塩するように言うことは塩摂取量を大きく減らす結果にはならない。

 アメリカ人は平均して8.6 g/dの塩を摂取し、政府の塩ガイドラインで設定された限界値よりもかなり多い。ガイドラインが勧めているのは健康な成人で5.8 g/dであり、51歳以上の人々、年齢に関係なくアフリカ系アメリカ人、高血圧者、腎臓疾患またはいくつかの他の条件の人々については3.8 g/d以下の摂取量である。

 食べ過ぎないで十分な塩を摂取する一番容易な方法(良い健康に本質的なこと)は果物、野菜、肉類全体を優先して加工食品や包装食品を除外することである。

 それでは正しい塩の量はいくらか?“我々の全てが食事で必要とする健康に良い塩量がある。健康に良い塩量を定義しよう。我々が必要とする研究である。”とボストンのマサチューセッツ総合病院の心臓学者であるステファニー・ムーア博士はABCニュースに語った。

 このレビューはコクラン・ライブラリーに全文発表され、アメリカ高血圧学会誌には簡易版がある。