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低塩食は心疾患危険率を下げる、本当か?研究は否定

Low-Salt Diets Reduce Heart Disease Risk, Right? A Study Disagrees

By Alice Park

TIME  May 04. 2011

 

 アメリカ人のための政府の最近の塩ガイドラインは健康についていくつかおなじみの勧告をした:果物や野菜をもっと食べなさい、もっと運動をしなさい、食べる塩の量を減らしなさい。

 今やヨーロッパからの新しい研究は、減塩は結局、心臓の健康に利益をもたらさないかもしれないことを示唆してアドバイスに挑戦している。高血圧者は減塩によって高血圧や心疾患の発症の危険率を下げられることをこれまでの研究は示してきた。しかし、新しい研究では、食事でほとんどの塩を摂取している人々は心疾患による死亡の危険率を実際に最低にした。

 そうです。それは正しい。研究は心臓に問題がなく、ほとんどが正常血圧である3,681人を含んでいた。アメリカ医学協会誌(JAMA)の報告では、尿中ナトリウム排泄量(塩摂取量を測定する最も正確な方法)が最高の人々は最低の人々よりも心疾患による死亡が4倍も少ないことを研究者達は知った。ほぼ8年間の追跡期間中に、心臓関係の死亡率は最高塩摂取量の人々で0.8%、最低摂取量の人々で4%であった。

 “そうです、私とアメリカ心臓協会(AHA)の人々はこの結果に驚いた。”とAHA会長でマイアミ大学神経科長のラルフ・サッコ博士は言う。AHA2020年までにアメリカ人の塩摂取量を3.8 g/dまで下げたいと思っており、それは現在、アメリカ農務省が勧めている最高5.8 g/dよりもはるかに低い。

 “多くの人々が高血圧の高い危険率に曝されていることを忘れてはいけない。そして年を取るにつれて、高血圧者の割合は70 – 80%以上になり、高血圧の生涯危険率は非常に高くなる。”とサッコは言う。

 塩は血圧で役割を演じ、現在の研究はこれを確認しており、収縮期血圧は最低塩摂取量の人々と比較して最高摂取量の人々でわずかに高い結果であった。そうだとしても、それらの人々は高血圧を発症させる危険率は高くなかった。

 現在の研究は、低塩摂取量標準を全ての人々に同じように適用するかどうかについて行われている論争に油を注いでいる。ある人々は他の人々よりも塩に対してより感受性であるかもしれない、または正常血圧者では減塩が利益にならないかもしれないことを何人かの専門家達は示唆している。塩に関する黄金基準研究(人々が高塩摂取量または低塩摂取量にランダムに割り当てられている研究)のほとんどは、高血圧者であるか、または高血圧を発症させる危険率の高い人々のいずれかを含んでいた。そのデータに基づいて、科学者達は、同じ低塩摂取量原理が同様に低い危険率の人々に利益を与えると仮定しているだけであった。

 しかし、研究著者の一人のように、ベルギーのルーベン大学医学部教授のジャン・スタッセン博士はJAMAQ&Aで次のように語った。“厳しい減塩をすれば、ナトリウムを保持するいくつかのシステムを活性化し、それらのシステムは心血管疾患に悪い影響を及ぼすことが知られている。”これが実際に反対の結果についての理由であるかどうかは分からないが、試験で減塩は心臓問題を大きくすることとどうして関係しているかを説明できる。

 それでもサッコは著者と共に驚くべき結果について他の理由があるかもしれないと思っている。第一に、研究の被験者は全体的に比較的若く(参加者の年齢は20 -60歳の範囲)、したがって、高齢者よりも高血圧の危険率が低い。塩摂取量が心臓に及ぼす影響は年齢に依存して異なっているかもしれない。

 第二に、科学者達は参加者の24時間尿中ナトリウム排泄量を1回しか測定しておらず、その測定費は変わる。いくつかの測定値の平均値が参加者の本当の塩摂取量をより正確に把握できるであろう。

 最後に、ボランティアの年齢が若ければ、8年間の追跡調査は心疾患や心臓発作による死亡の危険率を十分に把握できないかもしれない。それらの現象は中年以後に生じ勝ちであるからだ。

 塩が心臓の危険性にどのように影響を及ぼすかについての疑問は複雑であるように見える。高血圧者は減塩によって血圧を下げられるいくつかの強くて明白なエビデンスがある。したがって、たとえエビデンスを支持する黄金標準の科学的エビデンスがなくても、同じことが正常血圧の健康な人々に適用される理由を主張している。

 もちろん、血圧を下げ過ぎることは健康上危険 (めまい、失神、ショック)であるが、ほとんどのアメリカ成人は低血圧の危険性はない。高血圧は年齢と肥満の両方に関係しているので、アメリカ人の多くが減塩する良い理由がある、とサッコは指摘している。

 “我々の集団は高齢であり、多くの人々が肥満しており、あまり運動もしないので、大部分のアメリカ人は高血圧を発症させる中間から高い危険率にあるので、全てのアメリカ人に減塩を勧めるアメリカ心臓協会の勧告は重要であると我々は感じた。減塩すべきであると言う他の大きなエビデンスで全て一つの研究で変えるべきではない。だから塩振出器を使わないで。”と彼は言う。