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本当に減塩が必要か?

Do You Really Need to Eat Less Salt?

By Alice Park

TIME May 01, 2017

 

 数十年間、心臓医と政府の勧告は、塩の食べ過ぎは高血圧の原因となり、高血圧は心臓に関連した問題の危険性にさらす、と警告してきた。毎日、推奨塩摂取量以上を食べているアメリカ人の89%についてはこの問題は不幸である。

 しかし、新しい1件を含めていくつかの研究は、より多くの塩を食べている人々はあまり食べていない人々よりも悪くないことを示唆している。

 塩の危険性について雑多なメッセージには単純な理由があることが分かった:減塩についての医師達のアドバイスは既に高血圧または境界域の高血圧になっている人々からのデータにほとんど基づいている。これらの人々については、減塩は劇的に血圧を下げ、そのことは次には心疾患や脳卒中から守られる。

 ナトリウムはまだ高血圧になっていない人々でも同じ様に働く、と長い間仮定されてきたが、健康な人々にはほとんどエビデンスがない。あまり塩を食べないことはこれらの人々でも同様に血圧を下げられるといくつかのデータが示唆しているが、高血圧でない人々については、減塩は高血圧者についてと同じ様に直接的でかなり大きな効果を持っていないかもしれないと何人かの専門家達は考え始めている。

 実験生物学の年次総会で発表された塩と血圧との問題を探求する最近の研究はこのエビデンスを追加している。ボストン大学医学部准教授のリン・ムーアと彼女の同僚達はフラミンガム子孫研究に登録されている2,600人以上を研究した。フラミンガム心臓研究(医者達がこれまで従っている心疾患危険性に関する多くの情報をていきょう)の子供達を含む信頼されているデータセットである。科学者達は人々に食事を記録しておくように要請し、彼等は16年間にわたって4年間毎に血圧を測定した。

 5.8 g/dの塩摂取量を勧めている現在の塩ガイドラインに従っている人々は、もっと多い塩摂取量の人々よりも平均して実際にわずかに高い血圧であった。(研究は塩摂取量がどのように心疾患のような健康結果と関係しているかについて参加者を追跡するようには設計されていなかった。)

 その驚くべき結果は、塩摂取量が血圧と関係していないとは言えなかった、とムーアは言う。しかし、塩は栄養素であるだけではなく、血圧を管理することを考えると、もっと重要になる可能性を指摘している。研究では、バナナのような食べ物から来るカリウムを多く摂取している人々は、どれほど多くの塩を食べようとも関係なく低い血圧になる傾向があることもムーアは明らかにした。高いマグネシウム摂取量の人々も研究期間中低い血圧を示す傾向であったが、その差はそれほど印象的ではなかった。

 “研究が示していることは、カリウムとマグネシウムの摂取量はナトリウム摂取量に関係なく、血圧や心疾患発症に関して非常に重要であった。”とムーアは言う。ほとんどのアメリカ人は十分な栄養素を食べていない;平均的なアメリカ人は約2,600 mg/dのカリウムしか食べていないが、医学研究所は4,700 mg/dの摂取量を勧めている。

 この特別な研究は、塩摂取量と血圧の両方に影響を及ぼす要因について研究者達がコントロールできる黄金基準の臨床試験ではなかった。その代わり、人々が食べた物を報告し観察研究であったし、ムーアと彼女のチームは塩摂取量を計算できた。塩摂取量を測定する最も信頼できる方法は24時間の尿試料から多数の測定値を得ることとカリフォルニア・サンジェゴ大学の予防医学准教授でアメリカ心臓協会栄養委員会の副会長であるシェリル・アンダーソン博士は言っている。

 研究メンバーではないアンダーソンは、高血圧者が塩含有量の少ない食事に変えたかもしれないので、彼等は低塩摂取量で高血圧のように見えたのであろう。“そのような場合、生活様式は血圧を上昇させないであろうが、血圧が高いので、人々は食事を変えた、”と彼女は言っている。そのような逆の因果関係は要因となり得ることをムーアは承知しているが、研究設計で彼女らはこの可能性について調整し、他の混乱因子についても考慮するよう努めたと言っている。

 これらの結果は最適血圧のための塩摂取量を観察する標準アドバイスを変えるには十分でない。しかし、その方法を守っている正常な血圧者については、減塩が唯一の戦略ではなく、あるいは一番良い戦略でもないかもしれない。さらなる研究が必要であるが、十分な量のカリウムとマグネシウムを摂取量することも重要であるかもしれない。“そうでない健康な人々について何がガイドラインであるべきかについて我々は再考する必要がある。それが誰のために食事ガイドラインが支持されることだ。”と彼女は言う。