食品医薬品局は減塩を望む。
これは良いことだろうか?
FDA Wants to Limit Your Salt Intake. Is That a Good Thing?
By Alice Park
TIME June 18, 2014
塩については多くの多くの混乱がある。すなわち、我々は塩を摂取し過ぎているのだろうか?あまりにも少なく塩を摂取することは害にならないだろうか?塩の健康に悪い効果により感受性がある人々がいるのだろうか?どれくらいの量が十分なのか?知りたいと思うことをここに示す。
火曜日に、アメリカ人が加工食品から摂取する塩の量を制限することを食品医薬品局が発表した時、物議を引き起こした。彼等は過剰な塩摂取量は高血圧とそれによる心疾患、脳卒中、腎臓問題の高い危険率と関係しているという研究を引用した。しかし、最近の著名な専門家達からの相反する報告は当局の報告を信じ難くし、消費者は誰が正しいのか訝るようになった。
食品医薬品局は、食品製造者が製品に加える塩の量を下げるように自発的なガイドラインを提案している(これは製造者やレストランがトランス脂肪酸を強制的に下げることを遂行している)。一方、いくつかの会社はその考えに賛同している。例えば、ウォルマートは来年中に食品のいくつかで塩を25%減らすと言い、コンアグラはいくつかの製品で既に20%減塩していると報告し、サブウエイ・レストランは塩を30%減らしてきた。何人かの専門家達は自発的な変化が多くの効果を持っているとは信じてない。
“食品産業界が減塩するための自発的なガイドラインを食品医薬品局が提案したいと思っていることに私は賛同する”とクリーブランド・クリニックの健康栄養部長のクリスティン・カークパトリックは言う。“しかし、消費者が効果を見たいとは、私は考えていない。販売が製品で好調であれば、高塩含有量のままが続き、塩が多ければ保存期間も増大し、味も濃くなる。したがって、そのことは食品製造者が低塩化を始めにくくしている。”自発的なトランス脂肪酸低下と比較すると、トランス脂肪酸の自発的な低下は食品の完全性と味を維持しながら会社にトランス脂肪酸の代替物を見つけるように要求しており、自発的な方法でそのようにするインセンティブはまったく弱く、目に見える差が現れるとは思えないと、彼女は言う。
連邦保健局によれると、アメリカ人は1日当たり約3,300 mgのナトリウムを摂取しており、その75%は調理食品、加工食品、レストランの食品から来ている。最近の食事ガイドラインは、ほとんどの成人は毎日2,300 mg、それは茶さじ約1杯を摂取することを勧めているが、それが包装食品や他の所で調理された食事から来ている時には、測定が難しい。この勧告は、多くの塩を摂取している人々は高血圧を発症させる大きな危険性を持っており、高血圧は心疾患、脳卒中、腎臓問題に寄与することを示した研究に基づいている。
しかし、保健専門家達は、約2,300 mgの限界値には何のマジックもなく、その値まで塩摂取量を下げることは心疾患による死亡を下げることにつながると言う直接的な事実はないことを認めている。“2,300 mg以下でも減塩と血圧低下との間に研究は明らかな関係を示している”とカリフォルニア大学サンフランシスコの医学・疫学部の教授であり集団のナトリウム摂取量に関する2013年報告書を出した医学研究所パネルのメンバーであるKirsten Bibbins-Domingo博士は言っている。“残念ながら、これらの研究のどれ一つとして心臓発作や脳卒中、心疾患による死亡を本当に見極められるだけの十分に長い追跡をしていない。”しかし、他の研究は高血圧とこれらの結果を結び付けてきた。
高血圧による健康への悪い影響を及ぼす高い危険率を持ったアフリカ系アメリカ人、51歳以上の人々、糖尿病または腎臓に問題のある人々を含めていくつかのグループの人々は1日当たり1,500 mg以下のナトリウム摂取量に下げることから利益を得られるという強い証拠もないが、2013年の医学研究所報告書はその勧告のために強い科学的な支持を見い出せなかった。
より混乱させる事実はある人々は他の人々よりも血圧に及ぼす塩の影響に対してより感受性があることである。したがって、減塩勧告は全ての人に適用すべきではなく、有害な影響を及ぼすかも知れない人々だけに適用すべきであると主張する人々がいる。それに対して、全ての人々は食事中の多すぎる塩によって影響を受ける、とKirkpatrickは言う。“食塩感受性に関係なく、塩は健康全体に対して過剰に摂取すべき物ではない。そんなに多量の塩を必要としない。”と彼女は言う。
一つのことがそんなに販売量を少なくするのだろうか?あまりにも塩を食べないことは心臓問題の危険性を増加させることを示唆したイタリアの研究がある。しかし、参加者は心臓病の患者を含んでおり、患者達は毎日の塩摂取量を正確に報告して来なかったかもしれない、と専門家達は言う。“減塩の悪い効果を示唆する良いデータはまだない。”とタフト大学の栄養・科学・政策の教授であるAlice Lichtensteinは言う。
それらのことは全て減塩がまだやりがいのある目標であることを意味している。しかし、食品医薬品局の自発的なガイドラインは目標を達成するには役立たないかもしれない。
Kirkpatrickはそれでも患者に減塩を勧め、2,300 mgの目標値よりもむしろ1,500 mgを目指すように勧める。“制限値を指示すれば、その制限値に固執するチャンスがあるか、もっと多く摂取する。それが人間の行動だ。”と彼女は言う。
少なくとも塩を欲しがるアメリカ社会にとって良いニュースは塩辛さが獲得した味覚であることだ。“摂取する塩の量を次第に減らせていけば、我々の味覚受容器はそれに対応でき、それは比較的速やかに6週間で慣れる。食品会社が製品で使用する塩の量を下げさせることが出来れば、塩辛い食品をあまり摂取しないようにできる。”とBibbins-Domingoは言う。そして多分、そうすることによっても同じように健康利益を得る。