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次の蓄電池は塩から作られた、科学者達は環境に優しい進歩を遂げる

Your Next Battery Could Be Made from Salt, Scientists Make Greener Advances

By Anna Powers

Forbes 2020.01.31

 

  科学者達はリチウム・イオン電池に代わる環境に優しい代替品の開発に近づいてきた。塩に基づく電池だ!それは正に塩で-我々が毎日使う物で、自然界に豊富にある。この発見の意味は、風力や太陽代替的エネルギーによる解決策に加えて、電気自動車、様々な電子技術のような幾つかの産業にある。新しい研究で、MIT、南デンマーク大学、コペンハーゲン大学からの研究者達がナトリウム・イオン電池のエネルギー効率を一層良くする方法を発見した。これはマンガン添加を通して電池組成を調整することによって成し遂げられた。マンガンはd殻を半分満たされた遷移金属で、多くの酸化状態の可能性があると同時に化学的に安定である。マンガンの存在は充電工程で役立ち、より高い電圧またはより長い寿命を蓄電池に持たせ、潜在的により高い蓄電容量またはより多くのエネルギーを蓄える能力を持てるようにする。この発見の十分な重要性と影響を理解するために、リチウム・イオン電池に対抗するように、どうして蓄電池が重要で塩を用いた蓄電池を作るための原理となるかをひるがえって理解しよう。

 リチウム・イオン電池は実質的にあらゆる装置に使われているので、その重要性は理解されていない。それに加えて、2,3年前の201910月にノーベル委員会は、ノーベル化学賞を3人の科学者、ジョンB. グッデナフ、M. スタンレイ・ウィッテンガム、吉野彰に与えることを発表した。彼等はリチウム・イオン電池の開発従事者で、産業利用の影響と同様に科学界の両方で彼等の研究の重要性を強調した。

 リチウム・イオン電池はその前の電池である鉛酸電池に置き換わる物として実現した。鉛電池は非常に重く危険であり、その上重要な環境問題と毒性問題を抱えていた。他方、リチウム・イオン電池は安全でより効率的な代替物であった。しかし、科学者達がリチウム・イオン電池を作ったとき、彼等はリチウム以外の他の多くの金属をテストした。それらの1つはナトリウムで、それはたまたまリチウムと同じグループにあり、その化学性は共通しているが、大きさが違う。大きさの違いのために、ナトリウムは電極から電極への移動が遅く、そのため電池の充電工程に影響を及ぼした。したがって、より小さいリチウムは早く、電池製造に最適なイオンとして選ばれた理由の1つであった。しかし、今日ではリチウム・イオン電池に大きく依存している電子装置がいたる所にあるために、リチウム採鉱が幾つかの環境的、社会的関心を持っている。それに加えて、コバルトはリチウム・イオン電池を作るために使われる別の元素である。コバルトはまた採鉱過程に関して倫理的な関心も持ち上がってきた。さらに、コバルトは高価である。

 ナトリウム・イオン電池はこれらの問題の両方を避けている。第一にコバルトに依存する必要はなく、第二にナトリウムは海水の析出物で容易に入手できる。他の利点はリチウムとナトリウムの似たような化学性のために、リチウムのためにテストされ、または使われた多くの材料はナトリウムにも十分に使える。生産側から、リチウム・イオン電池を生産するために使われる工場を少しの努力でナトリウム・イオン電池に容易に適用できる。しかし、これには全て注意が必要である。

 リチウムとナトリウムは本質的に異なった元素であり、したがって、どんなに似ていても異なっており、効率的なナトリウム・イオン電池を作る方法を見つけ出すには研究が必要である理由である。それに加えて、それらの化学性はそれらを異なる用途に向ける素因となる。より大きいナトリウムの場合、単位容量当たりに蓄積されるエネルギー量は充電にかかる時間が低下するように低下する。したがって、電池の大きさをより大きくできれば、ナトリウム・イオン電池はより良く機能する。このことは固定状態の物に電力を供給するために一番適しているかもしれないことを意味し、そのことは代替エネルギー分野での用途を示している。風力発電と太陽発電は静止しているので良い候補となり、風や太陽は常時あるわけではないので、エネルギー源は変動し、したがって、エネルギー出力は常時不安定である。したがって、電池に蓄えられたエネルギーをより一定の出力で供給することが有益である。事実そのような応用が中国の江蘇省で昨年行われた。そこではナトリウム・イオン電池がエネルギーを制御するために蓄電プラントとして使われた。中国科学アカデミーによると、“エネルギー消費量が少ないときにエネルギーを貯蔵し、エネルギー消費量がピークの時に配電する。”