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医学研究所の塩報告 活発な論争を起こし、わずかな光を発する

Salt Report from IOM Sparks Much Heat, Only a Little Light

By Larry Husten

Forbes 2013.05.16

 

 今週始めの塩に関する医学研究所(IOM)報告は盛んな論争を引き起こした。5.8 g/d以下に減塩する現在の努力を支持するエビデンスは何もない、と報告書は結論を下している。残念ながら、問題の背後にある科学に報道はほとんど触れていない。騎士科学ジャーナリズムのトラッカー・ブログでフェイ・フラムはメディアのほとんど一般的で表面的な報道を要領よく暴露している。

 フラムによると“科学的に調べた”読む価値のある一つの例外的な記事はニューヨーク・タイムズのジナ・コラタの物語である。

   塩摂取量が血圧にあまり影響を与えず、そのことは血圧が心疾患や脳卒中の

危険率に影響を及ぼすことを示す間接的なエビデンスだけに現在のガイドライ

ンは基づいていることを彼女は我々に語っている。そのことから“減塩すれば

どれくらい多くの命が救われるかを示すモデルを研究者達は作った。”と彼女は

書いた。特に減塩し過ぎる可能性を考えると、これは現在のガイドラインに確信

を与えるものではない。

 全体的に対比して、“ポテトフライに塩が付いていることを承知して注文しよう。”と読者に呼び掛けているニューヨーク・デイリーニュースの“不適当で軽率な”記事を彼女は指摘している。

 ほとんどのニュースは“専門家達と決闘する彼が言ったこと、彼女が言ったことから成っている、”と報告している、とフラムは書いている。医学研究所報告に反して多くは減塩目標を擁護するアメリカ心臓協会や公益科学センターの声明を引用した。しかし、“ほとんどの記事についての苛立たしいことは、心臓協会と公益科学センターの情報源はこの根拠としているエビデンスに関する明細を提供していなかった。”と彼女は書いた。

 フラムはHealthdayNBC Newsウェブサイト、APBloomberg、そしてもちろんDaily Newsに書かれている記事の重大な欠陥を挙げている。“その記事はフライドポテトやポテト・チップスは結局、それほど悪くないかもしれないとある程度奨励されている概念であった。”

 Timesの記事は問題で対立している心臓学者のミカエル・アルダーマンとエリオット・アントマンを引用している。厳しい減塩目標に長く疑問視してきた高血圧専門家のアルダーマンは次のようにコラタに語った。“塩摂取量が減ると、トリグリセライド濃度が増加し、インシュリン抵抗が増加し、そして交感神経系の活動が増加する。これらの要因のいずれも心疾患の危険率を増加させる。” 医学研究所報告は“きわめて重大で、報告書はこの問題のパラダイムを変えた。今までは血圧に関することが全てであった。今や、この問題はもっと複雑であると報告書は書いている。”と彼は言った。

 対照的に、アメリカ心臓協会の立場で話すエリオット・アントマンは、アメリカ心臓協会は“ほとんどのアメリカ人が減らすことのできない加工食品中の大量の塩について関心を持っている”とコラタに語った。人々は1日当たり3.8gの塩摂取量にすべきである。アメリカ心臓協会の勧告は“血圧に及ぼす塩摂取量の影響を調査した疫学データと研究に基づいている、”と彼は言った。