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放射性廃棄物問題を埋めるとき

Time to Bury the Radioactive Waste Issue

By Tim Fryer

Engineering & Technology   January 20, 2020

 

放射性廃棄物は危険でここにある。我々はどの様にしてそれを将来何千年かも安全にできるか?

 

消えない問題という点では、放射性廃棄物が最も長く続く問題である。我々が発生させている核廃棄物は数万年の間危険な放射能を出し続ける。したがって、この廃棄物を取り除くことは時間の試練に耐えるように構築された解決策を必要とする。地質処理施設(GDF)の提供を担当する公的機関の放射性廃棄物管理部(RWM)の主任科学者であるチェリー・ツイードによると、その解決策は“これまででイギリス最大の環境プロジェクトの1つとなる。”

ヨーロッパの法律の下で、放射性廃棄物を作り出す全ての諸国は自分自身の処理法を見出すように義務づけられている-核廃棄物の輸送は幾つかの遺産協定を除いて一般的に許可されていない。しかし、最初の国が核エネルギー生成(または核兵器研究)に突入したとき、放射性廃棄物の処分は主要な考慮事項ではなかった。今や約70年前になるイギリスのようなそれらの国々の幾つかについて、廃棄物は性分されるのではなく、保管されている。それが問題となっている。

 世界的にニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)だけが操業中の永久処分場である。一方、新しい種類のGDFが幾つかの国々によって計画中である。例えば、フィンランドのオンカロ貯蔵施設が2,3年中に最初に試運転される。スェーデンとフランスはそれほど遅れてはいない。その様な場所の開発は長いプロセスとなる。例えば、多くの政治寿命よりも長い。そのためイギリスの問題は、政権が変更されたとき、または“難しすぎて”時に議題から外れる前に、数回支持されてきた。

今では必要と見なされて議題に戻っており、クロスパーティーの賛同はプロジェクトの継続性を保証しているように見える。さらに、それは全てその最終的な場所を解決していないプロジェクトである。それはそのデザインと様式の多くを定義した。これは基本的に聞こえるかもしれないが、宇宙に投棄する、海底の沈下ゾーンの下に埋めるそして地表貯蔵を続けるといったような核廃棄物の処理のために多くのオプションが提案されてきた。

後者の問題は著しく時間を要し、廃棄物施設の継続的な管理と保守を続けなければならない。その様な施設は低レベルと中レベルの廃棄物処理に使用されており、今後も使用し続ける。これらには放射性物質と接触してきた衣服や材料を含む産業や製薬からの廃棄物を含む。カンブリアン沿岸のドリッグ低レベル廃棄物貯蔵施設(LLWR)はこの目的を果たしている。

 2014年に環境庁は、沿岸の浸食が100 – 1000年以内に施設から漏出する可能性があると言う懸念を提起した。しかし、そのような時間が経った後の放射能レベルは十分に低く無害になるだろうと反論された。これは高レベル廃棄物には絶対に当てはまらない。高レベル廃棄物の放射能は次の氷河期以降も危険なままである可能性があるので、長期間処分の必要性がある。

 地下深く建設された一連の高度に設計された安全なトンネルと貯蔵室であるGDFは解決策として広く見られる。それらには3つの指針がある、その第一は隔離である-地表から放射性物質を移動する。“施設を建設しようと計画している深さは地下200m – 1000mの所である、”とツイードは言っている。その数字を念頭に置くと、ロンドン地下の一番深い所は地下60m – 65mである。“したがって、我々は廃棄物と地表環境との間に非常に厚い岩石バリアーを置くつもりである、”と彼女は続ける。

 第二の指針は封じ込めである。自然の放射性崩壊で物質が無害になるまで封じ込められたままにすることを保証しなければならない。

 第三の指針はツイードが述べているように受動的な安定性の1つである:“一度地質的な処分施設が満杯になり封印されると、それ以後の継続的な積極的な管理は必要ない。そこは安全であり続ける。我々はそれを受動的な安定性システムと呼ぶ:積極的な継続管理によるよりも固有の特徴のために安全であり続ける。それで達成される方法は多層バリアー・システムであり、岩石による自然のバリアーと共に効果を示す多層に設計された保護層を置いている。”

 それは何処になるだろうか?施設の場所は未定のままである、重要な点は、GDFが地元社会の賛同を得なければならないことである。“社会が自発的に我々と関わりを持って進めなければ、我々は何も出来ない、”とRWMの技術部長モハメッド・サンマーは言っている。ツイードは付け加えて言う:“我々は社会が快適である速度でのみ動ける、したがって、我々がタイムスケールについて話すとき、我々が言うことは全て推定である。我々は社会に協力し、彼等がプロジェクトを形成するのを助け、地上施設にすることと適当な地下環境にアクセスできるかの両方について可能性のある地域があるかどうかを探している。その最初の段階はおそらく約5年になる。”

 明らかに鍵となる要因は地質で、1つの観点は、地質が他の用途には魅力的ではないことである。今後数千年で記録が失われるかもしれない、あるいは地上の指標が変えられるかもしれないことを仮定しなければならないことで、したがって、商業的な関心のない地質を選ぶことは、そこが乱されないことを保証するのに役立つであろう。

 その上、施設は地下水面下に置かれるべきである。ツイードは言う:“その水は非常に古い物である傾向があり、その化学組成に関して行われたテストは、深い地下水は、もしあったとしても数千年間または数万年間ほとんど移動しないことをしばしば示している。そして地質的な処理施設を設置するに適した岩石の種類は、流体の動きが非常に遅いことを我々が知っている種類である。”

 そのような岩石は3つのカテゴリーになる:高強度岩石(例えば、花崗岩)、低強度堆積岩(例えば、粘土)、そして岩塩である。フィンランドやスェーデンのGDFは花崗岩にあり、フランスやスイスのプロジェクトは粘土にあり、一方、アメリカのWIPPは岩塩にある。

 これらの地質が存在するイギリスの周りには多くの場所があるが、地質図は詳細に見え、地上については多くの情報があるが、深い地質の構成は精度が低くなる。“深い地下を見るモデルの多くはそれぞれの掘削点間の補間であり、それらの点は最大50マイル離れている、”とツイードは言う。“3つの種類の岩石は全て潜在的に適している、”と彼女は説明する。“原則は設計された解決法を調整することで、解決法は岩石の自然な性質を補完しているので、2つが一緒に働いて安定性を提供する。可能性のある設置岩石の異なった種類で非常に効果的となる設計材料の組み合わせがあり、そこではサポートと理解が十分に開発され、文書化され、核[と環境]規制当局と共有されてきた。それらの設計されたことと自然の組み合わせで安定性に高度の信頼性を持たせる。”

 放射性廃棄物をどのように包装するかについて多くの研究が既に行われてきた。廃棄物は自然に放射性ウランとはるかに少ないプルトニウムを含んでいるが、その多くは、マグノックス反応器の黒鉛芯または高度な冷却反応器のコンクリートや鋼材のような放射能を持つようになった材料を含んでいる。この廃棄物全てに共通していることは、それが固形の状態であることで、それは地下処理にとっては基本的なことである。燃料再処理によって作られるような液状廃棄物は処理に安定な状態にするためにガラス、コンクリートまたはエポキシ樹脂に変えられる。

 廃棄物を含む容器は一般的にステンレス鋼、銅または鋳鉄で作られており、自動化された環境で安全なシーリング、取り扱い、輸送を可能にするように正しく設計された製品であるトップエンド容器の価格は5,000ポンドである。ほとんどの放射性廃棄物では放射性崩壊の過程で損傷を引き起こすのに十分な熱が発生するためにずっと厚い壁の容器が必要である。したがって、高度な放射性廃棄物容器はGDF内で単独で処分され、直ぐに埋め戻され、一方、低放射性廃棄物は一杯になると埋め戻されるもっと大きな地下貯蔵室に積み上げられる。その埋め戻しはベントナイトベースのセメントである。粘土ベースの物質であるベントナイトの利点は、それは曲げられ、したがって、貯蔵施設の岩石の小さな動きに対して容器をクッションで支える。それはまたキャニスターのために否腐食性環境を提供するが、キャニスターが最終的に壊れたときでも、粘土はガスや地下水に混じり込む放射性粒子を保持するのに非常に良い。

 ある興味深い研究がハーウェルのRWM付近の施設の1つであるダイアモンド光源シンクロトロンで行われてきた。シンクロトロンは電子を光速近くまで加速する巨大なリングで、そこで太陽光よりも100億倍も明るい光を作れ、これは原子内レベルの現象を研究するために非常に良いものである。

 GDFプロジェクトの寿命と、それを正しく行わなかった場合の結果を考えると、放射性物質の処分の行動は許可されておらず、絶え間ない研究が進行中である。1つの事例で、RWMは、どのようにウラニウムが刺激されたGDF条件に応答するかを観察できるシンクロトロンでマンチェスター大学によって行われているプロジェクトの組み立てを支援した。最近のプロジェクトでは、一時的な物ではあるがウラニウムの新しい種が発見された。マンチェスター大学教授のカサリン・モリスは説明している:“地下処分中にウラニウムの行動を予測できるように、我々は地下で起こる他の工程と相互作用するかもしれないことを考慮しておく必要がある。これらの生物地球化学反応は、しばしば溶存化学種、ミネラル表面、微生物との間の一連の複雑な相互作用である。”

 この研究は、新しいウラニウムの形態である硫化ウラン複合体が深い地下環境の代わりとなる条件を形成できる。サム・ショウ教授は言う:“GDF安全ケースに本当に必要な物は、これらの条件下で化学的性質がどの様に行動し、そのごそれが流動性などとどの様に関係するかを基本的に理解することである。”それが判明したとして、工程の始めと後の両方のウラニウム形態は非溶解性で、不動であるので、予想可能な行動を取るという利点がある。その様な研究がGDFの建設と並行して続けることが考えられる。しかし、海外の同様のプロジェクトから得られた知識と組み合わせると、安全な施設を今すぐに始めるのに十分な専門知識がある、とRWMは信じている。

 差し迫ったスタートはありそうにない。社会レベルで考えを進めると、地質を調べる長い時間が必要である。“我々は地質について十分な知識を持つ必要がある、”とサムールは言う。“我々は全ての要求を満たし、それから抽出したデータを保証する必要があり、我々は正しく分析して、裏付けとなる議論や安全工学を提供する。したがって、岩石の種類を選択するほど簡単ではない。それは多くの要因に依存する。”“その後、10年以上になる建設期間を要しても建設を進める大きな決定を行った、”とサムールは付け加えている。“その後、実際の廃棄物配置を始める。そしてその後、直ぐにも処理できる廃棄物包装容器を持っているイギリス中の20,30サイトの全てから廃棄物パッケージを処分しながら連続的に建設を進め、施設は100年以上操業できる。”

 したがって、それらは全て、22世紀まで続く数十億ポンドのプロジェクトで、現実的な運用寿命は2040年頃まで始まらないようである。GDFは約750,000m3の包装された放射性廃棄物を受け入れなければならず、それはウエンブリー・スタジアムの約2/3を埋めることになろう。興味深いことに、全ての核活動が今止まり、廃止されれば、GDFが対応すると予想される容量の約90%をイギリスは既に作り出してきた。

 原子力発電所は環境保護論者からの意見が分かれる-それは低炭素であるが、明らかな潜在的な危険とレガシーの問題がある-したがって、GDFを持つことは認識を変えるか?ツイードは結論を下す:“安全な処理施設を操業できることを示すことは、低炭素エネルギー・ミックスの一部として核を使い続けることについて人々を安心させるために多くの事をすると私は思う。”

 

現存する処理サイト

 ドイツの2ヶ所の貯蔵施設は放射性廃棄物の永久処分のために使われてきた。1つはサクソニ-アンハルト地域のバルテンスレベン岩塩鉱山である。ドイツの原子力発電所からの低・中グレードの廃棄物を貯蔵するために使われてきており、それは地下構造物の安定性が危惧される最中の1998年に閉鎖され、その結果、古い鉱山を安定させるために塩コンクリートで汲上げられたが、これは長期的な解決策ではない。

 ロウアー・サクソニーのアッセ山脈にあるもう一つの塩鉱山は70年代の低・中廃棄物用の貯蔵施設として使われたが、安定性についての懸念と混入地下水のために再び使用が停止された。

 これによりアメリカ、ニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)が残っている。それは現在稼働中という特徴があるだけでなく、永続的な解決策でもある-それは将来管理するための核廃棄物を貯蔵しているのではなく、その廃棄物を永遠に安全に包装されている。岩塩層に掘削したその施設は1999年以来レガシー廃棄物を受け入れてきた。しかし、2014年に地下の放射性物質の漏出に続いて3年間の中断があった。