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新しいタイプの電池でリチウムの代わりにナトリウムが使用される

Sodium Replaces Lithium in a New Type of Battery

https://www.wnycstudios.org/       2024.08.01

 

 各国が持続可能なエネルギー目標を達成するには、電池が重要な要素になると専門家達は主張している。電池は多くの技術にとって鍵となるだけでなく、風力や太陽光などの再生可能エネルギー源から主に供給される電力網のエネルギー需要を満たすためにも必要である。電池がなければ、太陽が照っていないときや風が吹いていないときに使用するために、これらの源からの電力を蓄えることができない。

 現在、多くの技術がリチウム・イオン電池に依存している。確かにリチウム・イオン電池はうまく機能し、モバイル装置や電動自転車に革命をもたらしたが、欠点もある。まず、リチウム・イオン電池に必要なリチウム、コバルト、ニッケルは一部の国でしか採掘できず、児童労働を含む非倫理的な採掘慣行が非難されている。採掘と生産のプロセスでは大量のCO2も排出され、電池自体が爆発して火災を引き起こすこともあるが、こうした事故は少なくなっている。

 電池のニーズに対する有望で環境に優しい解決策は、固体電池と呼ばれるものかもしれない。リチウム・イオン電池は液体電解質溶液を介して電気を伝導するが、固体電池はセラミック、ガラス、硫化物などの固体材料を使用して電気を伝導する。つまり、火災のリスクが低く、充電が速く、電圧が高く、リサイクル可能である。しかし、製造上のハードル、大規模な実地テストの欠如により、その開発は予想よりも長くかかっている。

 今月初め、シカゴ大学プリッカー分子工学部とカリフォルニア大学サンディエゴ校のチームがNature Energy誌に、世界初のアノード・フリー、ナトリウム・ベースの固体電池アーキテクチャを実証する論文を発表した。この電池は急速充電が可能で、数百サイクル持続する。主成分のナトリウムはリチウム、コバルト、ニッケルよりもはるかに豊富で、将来的にはより手頃な価格で環境に優しい電池が実現する可能性がある。

 Ira Flatowはシカゴ大学プリッカー分子工学大学院の教授であり、アルゴンヌ国立研究所のエネルギー貯蔵科学の主任科学者でもあるY. Shirley Meng博士と対談し、この進歩について、また、これらのユニークな電池が我々のデバイスに搭載されるのは何時頃になるかについて話す。