世界初の巨大溶融塩「電池」
The World’s First Giant Molten Salt ‘Battery’
https://www.vietnam.vn/より 2024.04.28
デンマークで新たに開設された溶融塩グリーン・エネルギー貯蔵施設は、巨大で極めて効率的な電池のようなものである。
デンマークの企業Hyme Energyは溶融水酸化物塩を使用してグリーン・エネルギーを貯蔵する世界初のエネルギー貯蔵プロジェクトを開始した。このプロジェクトはMolten Salt Storage(MOSS)と呼ばれ、最初のエネルギー貯蔵施設はエスビャウ市にある。
Interesting Engineeringが4月26日に報じたところによると、デンマーク議会の議長Soren Gadeがこの施設の開所式を行なった。
グリーン・エネルギーを使用する際の大きな課題は、晴れた日や風の強い日に生産される豊富なエネルギーを後で使用するために貯蔵することである。Hyme Energyの解決策は、余剰エネルギーを溶融水酸化物塩に貯蔵することである。
MOSSは巨大な電池のようなもので、非常に効率的である。この新しい施設は、風力や太陽光などの再生可能エネルギー源からのエネルギーを貯蔵する。生産が好調な時期には、余剰電力を使用して塩水酸化物を加熱し、溶融状態にする。溶融塩は非常に高温に保たれ、膨大な量のエネルギーを貯蔵するのに役立つ。
Hyme EnergyのCEO兼共同創設者であるAsk Emil Lovschall-Jensenによると、将来の商用MOSS施設では、770度に加熱された溶融水酸化物塩に、ギガワット時(GWh)規模でグリーン電力を貯蔵できる可能性があるとのことである。
溶融水酸化物塩にグリーン電力を調査することで、MOSSは再生可能電力の生産量が少ないときに持続可能で信頼性の高い蓄電源を作り出す。その後、溶融塩に貯蔵された熱エネルギーが放出され、効率的に蒸気に変換される。
注目すべきは、溶融水酸化物塩は耐熱性に優れているため、損失を最小限に抑えながら膨大なエネルギーを貯蔵できる点である。この貯蔵エネルギーは、発電所や重工業で使用されている従来の化石燃料の代替として有効である。
MOSSは、エネルギー集約型産業の脱炭素化の可能性を秘めている。熱消費は世界の総エネルギー消費の50%を占め、炭素排出量の40%にも寄与している。MOSSは、デンマークおよび世界の炭素削減目標に沿って、熱を生成するために使用される従来のエネルギー源に代わる環境に優しい代替手段を提供する。
新しくオープンした貯蔵施設は、その能力を実証するために厳格なテストを受ける。テスト・プロセスの後、Hyme Energyは、2026年の商品化を目指して、世界のエネルギー貯蔵向けにこの技術を拡大する取り組みを行なう。