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塩代替品は脳卒中のリスクを減らし医療費を削減する可能性がある

Salt Substitutes May Lower Stroke Risk and Reduce Healthcare Expenses

By Stephanie Brown

https://www.verywellhealth.com/       2022.04.21

 

重要なポイント

  塩代替品は特定の人々に対して食塩の代わりに使用すると、脳卒中や心臓発作のリスクを軽減するのに役立つ可能性がある。

  新しい研究では、塩代替品は入院費用を削減するために、費用対効果も高いことが示唆されている。

  しかし、既に高血圧の治療を受けている場合、塩代替品を介して食事に過剰なカリウムを加えるのは危険である可能性がある。

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減塩は心臓にも財布にも優しいかもしれない。中国で行われた5年間の研究によると、食卓塩を高カリウム塩代替品に置き換えると、脳卒中のリスクが14%減少し、脳卒中と心臓発作の場合のリスクが13%減少する可能性があるという。この塩代替品は長期的には医療費の節約にもつながる可能性がある。

 この研究のために、研究者達は600ヶ所の農村に住む2万人以上の参加者を集めた。参加者は全員60歳以上で高血圧を患っていた。彼等は塩代替品介入群と食塩対照群に分けられた。

    塩代替品とは何か?

     塩代替品は低ナトリウム塩またはナトリウムを含まない塩として

一般的に知られている。通常の塩に含まれる塩化ナトリウムの一部を

塩化カルシウムに置き換えることで、血圧を下げることが示されている。

 塩代替品介入群には調理用の食卓塩の代わりに使用する塩代替品を1日当たり20 g与えたが、対照群には通常の塩を使用し続けることが奨励された。

 ジョージ・グローバル・ヘルス研究所の上級研究員であり、この研究の主著者であるトーマス・ラング博士は「塩の代替はコストを節約でき、極めてまれな発見である。」とVery Wellに語った。「私は10年以上にわたって費用対効果の調査を行ってきたが、これほど顕著なコスト削減の結果に出会ったことはない。」

 Lungは手頃な価格の塩代替品介入により、入院費用が削減され、参加者の生活の質が向上したと述べた。

 

塩代替品の説明

 食塩は塩化ナトリウムと呼ばれる化合物である。管理栄養士であり、栄養・栄養学アカデミーの広報担当者でもあるキャロライン・スージーは、ナトリウムは必須ミネラルであると述べた。体液バランス、神経伝達、筋肉機能の調整に役立つ。

 ナトリウムは必須であるが、ナトリウムを過剰に摂取すると血管内に水分が引き込まれ、圧力が上昇して血管が損傷する可能性がある。

 「心臓は血液を送り出すためにより懸命に働かなければならないため、心臓が疲れてしまう可能性がある。したがって、それは我々にとって必要なものであるが、認識しておきたい。」とスージーは語った。

 アメリカ心臓協会は現在、成人のナトリウム摂取量を1日当たり2,300 mgに制限し、さらに1日当たり1,500 mg未満に減らすことを目標に推奨している。この基準に基づくと、小さじ1杯の食卓塩には2,300 mgを超えるナトリウムが含まれており、これは1日の制限量を超えるのに十分である。

 ナトリウムを過剰に摂取すると高血圧や心血管発作を引き起こす可能性があるため、代わりに塩代替品を摂取する人もいる。

 この研究で使用された塩代替品には重量比で塩化ナトリウム75%と塩化カリウム25%が含まれており、これは中国で使用される標準的な塩代替品であった。しかし、アメリカで入手可能な市販の塩代替品の多くは、ナトリウムを完全にカリウムに置き換えている。例えば、モートンの塩代替品には、ナトリウム0 mgとカリウム610 mgが含まれている。

 

ナトリウムとカリウムの摂取量のバランスを取る

 ナトリウムと同様、カリウムは体の機能に不可欠なミネラルである。カリウムは心臓の健康をサポートしたり、血圧を下げたりするなど、多くの役割を果たす。しかし、カリウムが多すぎると、特に腎臓、肝臓、または心臓疾患を患っている人にとって、健康上の懸念が生じる可能性がある。塩化カリウムは血圧を下げる薬の一種であるACE阻害剤やカリウム保持性利尿薬など、特定の薬の作用を妨げる可能性がある。

 腎臓を患っている、カリウム保持性利尿薬を服用している、またはカリウム・サプリメントを摂取している適格な参加者は研究から除外された。「カリウムが高すぎると、心臓が適切に鼓動しなくなり、実際に心停止に陥る可能性がある。残念なことに、通常、問題が起こるまでカリウムが高すぎることは分からない。」とF.R.E.S.H Nutritionの管理栄養士であるシャロン・プエロはVery Wellに語った。

 プエロはナトリウムとカリウムの不均衡が心臓病のリスク上昇と関連している可能性があることを、新しい研究が示唆していると述べた。しかし、国民全体にカリウムが豊富な果物や野菜を十分に食べるように求めるよりも、ナトリウム摂取量を減らすことを推奨する方が簡単だと付け加えた。

 

塩代替品研究の限界と影響

 塩代替品の研究には大規模なサンプルが含まれていたが、参加者全員が中国の田舎に住んでおり、ほとんどの食事は自宅で準備している。彼等のナトリウム摂取量の大部分は調味料や保存食品から摂取されていた。

 対照的にアメリカ心臓協会によると、アメリカ人はナトリウムの70%以上を「包装された食品、レストラン食品」から摂取している。アメリカ人の平均的な食事に含まれるナトリウムのうち調理中または食卓での調味料から摂取されるナトリウムはわずか約11%である。

 この研究の結果はすべての人々に当てはまるわけでもないかもしれないが、それでも低コストの予防策が血圧の低下に役立つことを示しているとLungは述べた。

 

これは何を意味するか?

 ナトリウム摂取量を減らしたい場合は、加工食品や包装食品を制限することに重点を置くことができる。ハーブやスパイスは塩の代わりに食物に風味を付けるために使用することもできる。特に特定の血圧の薬を服用している場合は、食卓塩を塩化カリウム塩の代替品に交換する前に、医療従事者に相談する。