塩が欲しくなるのはどういう意味か?
What Does It Mean When You Are Craving Salt?
By Cristina Mutchler
https://www.verywellhealth.com/ 2025.06.23
人体は胃来るために塩分(ナトリウム)を必要とする。しかし、ほとんどの人は毎日の食事で十分な塩分を摂取している。塩分への渇望を引き起こす基礎疾患がない場合は、生活習慣を改善し、このミネラルの過剰摂取を防ぐことを検討する。
1.退屈
退屈な時に、塩辛い食物を強く欲しがるのは珍しいことではない。研究によると、退屈な時に特定の食物に手を伸ばすと、脳の報酬系が刺激され、ドーパミンのレベルが上昇することが示されている。
退屈を紛らわすために食べてしまうことは、感情的な食行動やパターンになる可能性があり、多くの人が塩辛いもの、甘いもの、あるいはその両方を選んでいる。
2.水分補給が必要
体が正常に機能するためには、電解質としてナトリウムが必要である。電解質レベルが崩れると脱水症状に陥る。このバランスの崩れを補うために、塩分を欲しがるようになるかもしれない。
空腹感をコントロールする脳の部位は、喉の渇きもコントロールしている。ある研究では、実際には水分が必要なのに、塩辛いスナックを欲しがっている可能性が示唆されている。
3.習慣的に塩分を摂取している
塩辛い食物を日常的に摂取している場合、知らず知らずのうちにナトリウムの必要量を増やしている可能性がある。ナトリウムを多く摂取するほど、塩辛い食物への欲求が高まる。
2020年に発表された過剰な塩摂取量に関する報告書の著者らは、塩辛い食物の摂取は成人の塩摂取量を促進すると結論付けている。さらに、幼少期の塩摂取量に関するいくつかの理論についても議論されている。
幼少期に塩分を過剰に摂取すると、生涯にわたって塩辛い食物への渇望につながる可能性があるとする研究もあれば、幼少期に十分な塩分を摂取しないと、同様の結果につながる可能性があるとする研究もある。
4.自己満足しようとしている
ストレスを感じると、副腎からコルチゾールなどの食欲を刺激するホルモンが分泌され、塩辛いもの、脂っこいもの、甘いものへの欲求が刺激される。
ストレスの多い状況では、感情的な過食に陥り、自分を慰めようとすることもある。そのため、慢性的なストレスを抱えているときには、塩辛いものを食べる習慣が身についてしまうこともある。
5.睡眠不足
睡眠不足は、ついつい食べ過ぎてしまう食品に手を伸ばしてしまう可能性を高かめる。研究によると、睡眠不足は、塩辛い物、甘いもの、香ばしいものなど、高カロリー食品への欲求も高めることが示されている。
睡眠不足になると、ホルモン信号が脳の「報酬」部位に働きかけ、塩辛いスナックへの欲求を促す。
6.汗をかきやすい
運動や暑さなどにより大量の汗をかく人は、塩辛い食物を欲しがることがある。これは、全身の機能に不可欠な電解質であるナトリウム濃度のバランスを整えようとする体の反応である。これが塩分を欲する理由である場合、喉の渇きや疲労感といった他の症状も現われることがある。
7.生理が近づいている
月経前症候群とは、月経の1~2週間前に現われる身体的および精神的な兆候を指す。この時期には、喉の渇きや食欲の変化、特に塩辛い食物への渇望がよく見られる。月経前症候群期間中に起こりうる軽度の脱水症状も、この症状の一因となる可能性がある。
8.片頭痛
片頭痛を経験する場合、発作が始まる前にいくつかの症状が現われることがある。研究によると、前駆症状の一つとして、塩辛い食物への渇望が挙げられる。これは、塩辛い食物を摂取することで離脱性片頭痛の緩和に役立つ可能性があるためと考えられる。
9.ナトリウム不足
ナトリウムが不足している人は、塩分への渇望を感じることがある。この一般的な電解質欠乏症(低ナトリウム血症)は、脳に塩分への食欲信号を発するよう促すきっかけとなることがある。下痢、嘔吐、心不全、利尿薬の服用、特定の腎臓病など、さまざまな原因によって引き起こされる可能性がある。
10.鉄分不足
一部の研究では、鉄欠乏性貧血(赤血球を作るのに十分な鉄分が体内で生成されない状態)が、激しい塩分への渇望を伴う可能性があることが示唆されている。
鉄欠乏性貧血の原因は様々で、失血、腎臓病、特定の健康状態、遺伝などが含まれる。これらの原因が塩分への渇望の原因である場合、疲労感、ふらつき、手足の冷えなどの症状も現われることがある。
11.遺伝性疾患がある
特定の遺伝性疾患は、体内のナトリウム濃度に影響を与える可能性がある。例えば、:
● アジソン病は、副腎が十分なコルチゾールを産生しないことで発症する。このホルモンがないと、体は急速にナトリウムを失い、塩辛い食物への渇望につながる。
● バーター症候群は、腎臓の塩分やその他の電解質の再吸収能力に影響を与える、これらの栄養素が尿を通して失われる。その結果、塩辛い食物への強い欲求が生じる。
● 嚢胞性繊維症は、体の臓器に粘液が蓄積し、栄養素が体内を巡るのを妨げる。嚢胞性繊維症の患者はナトリウムを失しないやすいため、塩辛い食物を欲しがることがある。
12.特定の薬を服用している場合
副腎(代謝や免疫系などに関わるホルモンを産生する臓器)に影響を及ぼす特定の薬を服用している場合、塩辛いおやつが欲しくなることがある。具体的な薬には、以下のものがある:
● トラマドール
● 抗真菌剤
● グルココルチコイド
● 免疫療法チェック・ポイント阻害薬
● プロテイン・キナーゼ阻害薬
塩分への渇望につながると思われる薬の服用を中止する前に、必ず医療提供者に相談する。
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好きな塩辛い食物が時々無性に食べたくなるのはよくあることである。しかし、長期間にわたって塩辛いおやつへの欲求と絶えず戦っている場合は、医療提供者に相談するかもしれない。健康状態や摂食障害の兆候となる可能性のある、その他の異常な症状がある場合は、医師に伝える。
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健康的なナトリウム摂取量は?
食事ガイドラインでは、1日2,300 mg未満のナトリウム摂取量が推奨されている。アメリカ心臓病学会では、特に高血圧の成人に対し、1日1,500 mg未満のナトリウム摂取量を推奨している。
しかし、平均的なアメリカ人は1日約3,400 mgのナトリウムを摂取している。1日1,000 mgでも減らすと、健康上のメリットが得られる可能性がある。
過剰なナトリウムは、さまざまな健康問題を引き起こす可能性がある。塩分を摂り過ぎは、血圧を上昇させ、心臓病や脳卒中のリスクを高める。
食への渇望を抑える方法
目標を達成し、健康を改善するには、さまざまな方法がある。以下の減塩のヒントを一つ以上試してみる:
● 塩を加える前に、食品を味見する:多くの人は、本当に風味が欲しいからという理由ではなく、習慣的に食品に塩を加えている。
● 健康的な代替品を使う:塩の代わりに、ニンニク、ハーブ、黒コショウ、酢、レモンなどの他の調味料を使ってみる。
● 自宅で間食する:店で超加工食品を買うのではなく、自宅で間食を作り、摂取するナトリウム量を調整する。
● ナトリウム添加の缶詰食品を制限する:ナトリウム添加の缶詰食品を避けるか、豆や野菜などの缶詰を水で洗って、添加ナトリウムを減らす。
● 栄養成分表示を確認する:1食あたり140 mg未満のナトリウムを含む間食を選ぶ。原材料リストの上位に塩分が記載されている食品は避けることを検討する。
塩分は思いもよらない多くの食品に隠れているということを覚えておく。例えば、多くの焼き菓子には過剰な塩分が含まれている。缶詰のスープ、サラダ・ドレッシング、チーズ、調味料、ソースには、多くの場合、ナトリウムが多く含まれている。隠れた塩分を探すには、栄養成分表示を確認するのが最善である。
少しずつ塩摂取量を減らすことで、塩欲求も減っていく。
重要なポイント
退屈、ストレス、脱水症状などにより、時折塩分が欲しくなるのは自然なことである。しかし、塩辛い食物を定期的に欲しがる場合は、薬の副作用やその他の健康状態など、別の根本的な問題が潜んでいる可能性がある。