私の肌はなぜこんなに塩辛いのか?
Why Is My Skin So Salty?
By Lindsey Desoto
https://www.verywellhealth.com/ 2024.06.12
発汗は体を冷やすのに役立つ正常な身体機能であるが、過度に塩分を多く含む汗は嚢胞性繊維症などの根本的な健康状態が原因である可能性がある。嚢胞性繊維症は、粘液や汗を生成する体の組織、細胞、腺に影響を及ぼす遺伝的疾患である。激しい運動や特定の薬剤も、汗の塩分濃度を高める原因となる。これにより、血液中のナトリウム濃度が低下する低ナトリウム血症のリスクが高まる。
この記事では、汗が塩分を多く含む理由、汗のナトリウム濃度が高い場合の対処法、
医療提供者を受診すべき時期について説明する。
汗はなぜ塩辛いのか?
汗のほとんどは水でできており、比較的少量のナトリウム、タンパク質、尿素、アンモニアが含まれている。研究によると、汗をかく速度が速いほど、汗に含まれるナトリウムの濃度が高くなる。これは、汗を放出する腺が通常、体表面に放出される前にナトリウムの一部を再吸収するためである。汗が腺を通過する速度が速すぎると、再吸収の時間が短くなるため、皮膚の汗にはより多くの塩分が含くまれる。
汗が塩辛句なる原因
発汗速度を速める要因や腺によるナトリウムの再吸収を妨げる要因により、汗が塩辛くなることがある。
運動の強度
研究によると、運動の強度を上げると体温が上昇する。これにより、体はより多くの汗をより速く放出するようになり、放出された汗の塩分濃度が高くなる。場合によっては、運動によるナトリウム損失を補うために、食事からのナトリウム摂取量を増やす必要があるかもしれない。
嚢胞性繊維症
塩分を多く含む皮膚は嚢胞性繊維症の顕著な症状である。嚢胞性繊維症の患者は、皮膚の塩分が汗腺に再吸収されるのを妨げるCFTR遺伝子の機能不全により、塩分を多く含む汗をかく。
副腎障害
アジソン病や副腎に影響を与えるその他の障害を持つ人は、特に顔や手のひらに過度の発汗を経験することがある。すぐに汗をかく他の病気と同様に、この病気は汗に含まれるナトリウムの割合の増加につながる。
薬剤
特定の薬剤は、薬剤誘発性多汗症と呼ばれる過度の発汗を引き起こす。この副作用の結果、汗が通常よりも塩辛いことに気付くこともある。これらの薬剤には、次の物がある:
● アルツハイマー病に使用される抗コリンエステラーゼ
● 抗うつ薬
● サラゲン(ピロカルピン)などの緑内障治療薬
● 膀胱刺激薬
● オキシコンチン(オキシコドン)やバイコディン(ヒドロコドン)などのオピオイド
● 唾液の分泌を増やすために使用される唾液分泌促進薬
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塩辛い食べ物を食べると塩辛い汗が出るか?
食物が汗の中のナトリウム濃度に影響を与えるとよく考えられているが、食事中のナトリウム摂取量を減らすことで塩辛い汗を防いだり減らしたりできるという証拠はほとんどない。
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外気温
体外の気温と湿度が高いと発汗量が増え、発汗によって放出されるナトリウム濃度に影響を与える可能性がある。
塩辛い肌の症状
汗を大量にかく人や、汗に含まれる塩分濃度が高い人は、汗が乾くと肌が塩辛いと感じることがある。
塩辛い肌を持つ人は、肌や衣服に乾燥した白い塩の結晶が付着していることに気付くこともある。
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脱水症状は塩分を含んだ汗と関係があるか?
脱水症状の人は汗をかきにくくなることが多く、通常よりもナトリウムの放出量が少なくなるため、塩分を含んだ汗は問題にならない。しかし、一部の研究では、脱水症状と汗中のナトリウム濃度の上昇との間に関連があることが分っている。今後の関連性を理解するには、さらなる研究が必要である。
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塩分を多く含む皮膚が心配な場合
塩分を多く含む皮膚自体は、一般的に心配する必要はない。しかし、発汗を抑制せずに過剰に発汗したり、ナトリウムを失ってしまうと、低ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度が低い状態)を引き起こす可能性がある。
嚢胞性繊維症の患者は、特に激しい運動中や夏季に低ナトリウム血症を発症するリスクが高くなる。
低ナトリウム血症の兆候が見られた場合は、医師に連絡する。兆候には次のものがある:
● 吐き気
● 嘔吐
● 混乱
● 頭痛
● 筋力低下
● けいれん
塩辛い肌の原因を診断する検査はあるか?
簡単で痛みのない汗検査では、汗に含まれる塩分の量を測定して、嚢胞性繊維症があるかどうかを判断する。
針は不要で、嚢胞性繊維症を診断する最も信頼性の高い検査と考えられている。この検査では、汗に含まれる塩化物(塩分の一成分)の量を測定する。
検査の最初の部分では、無色無臭の化学物質と少量の電気刺激を組み合わせて皮膚に塗布し、発汗を促す。汗を集めて研究所に送り、汗に含まれる塩化物の量を測定する。嚢胞性繊維症の人は、そうでない人よりも汗に含まれる塩化物が多くなる。
科学者やフィットネスの専門家も、アスリートに対して同様の汗検査を行ない、水分と電解質の補給を個人に合わせて調整する。
要約
塩辛い肌は、発汗量、基礎的な健康状態、環境要因など、いくつかの要因によって引き起こされる可能性がある。嚢胞性繊維症が原因の場合もある。通常、汗の塩辛さを心配する必要はないが、過度の発汗と塩分の喪失の場合は、血中ナトリウム濃度の低下の兆候が見られる可能性があり、その場合は医療提供者に連絡する。