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塩摂取量を減らすと血圧が下がることが研究で判明

Reducing Salt Intake Can Reduce Blood Pressure, Study Finds

By Hannah Echols 

https://www.uab.edu/       2023.11.14

 

 高血圧は世界中で死亡の主因となっており、1億人以上のアメリカ人を含む125千万人以上が罹患している。世界中のほとんどの人が推奨量よりも多くの塩を摂取している。

では、関係があるのだろうか?

 アラバマ大学バーミンガム校、バンダービルト大学医療センター、ノースウエスタン・メディシンによる新しい研究によると、現在、降圧剤を服用している人も含めほぼすべての人がナトリウム摂取量を減らすことで血圧を下げることができるという。結果はアメリカ医師会雑誌に掲載され、1111日に開催されたアメリカ心臓協会2023年科学セッションで発表された。

 「多くの研究で、塩の過剰摂取量は高血圧や、早死や心臓発作、脳卒中などの心血管疾患のリスク増加につながるとされている。」と、アラバマ大学バーミンガム校公衆衛生学部教授でこの研究の共同研究者でもあるCora Lewis医学博士は述べている。「これまでの試験から、低ナトリウム食は平均的に血圧を下げることが分っているが、まだ理由は明らかではないが、人によって他の人よりも塩に敏感な人がいる。」

 この試験は、Lewisが共同リーダーを務めたアラバマ大学バーミンガム校若年成人の冠動脈リスク発症研究の補助研究であった。50代から70代の中年から高齢者を対象に、高ナトリウム食(通常の食事に加えて12,200 mg)と低ナトリウム食(1日合計500 mg)1週間ずつ実施した。

 この研究では、すでに血圧の薬を服用しているかどうかにかかわらず、参加者の7075%が食事中のナトリウムを減らすと血圧が下がる可能性が高いことが分った。全体として、参加者の72%が通常の食事と比較して低ナトリウム食で収縮期血圧の低下を経験した。

 「ほとんどの人にとって、どんな身体活動でも全くしないよりはましであるように、血圧に関しては、現在の通常の食事からナトリウムを少しでも減らすことは、ほとんどの人にとって全きしないよりはましである可能性が高い。」とバンダービルト大学医療センターの医学准教授で共同主任研究者のDeepak Gupta医学博士は述べた。

 アメリカ心臓協会が推奨する1日の総ナトリウム摂取量は1,500 mg未満であり、この研究はそれをさらに低く抑えるように設計されていた。

 「この結果は、高血圧の薬を服用している人でも、血圧をコントロールするために食事中のナトリウム摂取量を減らすことの重要性を裏付けている。」と、ノースウエスタン大学ファインバーグ医学部の予防医学教授で共同主任研究者のNorrina Allen博士は述べた。「難しいことかもしれないが、どんな量でもナトリウムを減らすことは有益である。」

 この研究は、すでに薬を服用している高血圧患者を対象に、食事中のナトリウム摂取量を減らすことによる血圧への影響を調査する最大規模の研究の1つである。Lewis1週間で食事中のナトリウム摂取量を減らすことで血圧が急速かつ安全かつ大幅に低下したことは、この研究結果が公衆衛生に及ぼす潜在的な影響を示していると述べている。

 「高血圧は世界中で大きな健康問題となっていることを考えると、この結果はナトリウム摂取による高血圧を軽減する有望で手軽な方法を示している。」とLewisは述べた。「特にうれしいのは、低ナトリウム食で使用した製品が一般に入手可能なため、人々はこの方法で食生活を改善することで健康を改善できるチャンスがあるということでる。」

 この研究は、国立衛生研究所の国立心臓・肺・血液研究所からの助成金および契約によって支援された。内容は著者の責任のみであり、必ずしも国立衛生研究所の公式見解を表すものではない。