塩は一部の人々の血圧を高める。UABの調査では、誰がと尋ねる。
Salt Boosts Blood Pressure for Some People. UAB Study Asks: Who?
By Matt Windsor
https://www.uab.edu/ 2022.08.29
高血圧は世界中の主要な根本的な死因である。1億5000万人以上の人々が高血圧を患っている。世界中のほとんどの人々は、推奨よりも多くの塩(化学的に塩化ナトリウム)を摂取している。一貫性はあるか？
「多くの研究は、高塩摂取量を高血圧に結び付け、心臓発作や脳卒中などの早死や心血管疾患のリスクが高い。」とUAB公衆衛生大学院疫学部の教授兼学部長であるCora Lewis医師は述べた。「黄金標準型の臨床試験であるランダム化比較試験から、低ナトリウム食は平均して血圧を下げることが知られている。しかし、塩に対する血圧反応には大きなバラツキがある。
新しい臨床試験は2つの重要な疑問を探る
一部の人々はまだ明らかでない理由で、他の人よりも塩に敏感である。「研究によると、塩に敏感な人はあらゆる原因による死亡のリスクが高いことが示されている。」とLewisは言った。Lewisは現在、参加者を登録している多施設臨床試験のUAB主任研究者であり、2つの関連する疑問を探求している。
● 血圧の塩感受性はどのくらい一般的であるか？
● どのようなメカニズムがそれを説明できるか？
「高血圧の人は正常な血圧の人よりも塩に敏感である。」とLewisは言った。現在の推定では、高血圧の人の約半数が塩に敏感であるが、その数字は正常な血圧の人では約25％に過ぎない。また、「黒人は白人よりも塩に敏感である傾向がある。」とLewisは付け加えた。しかし、特にここ数十年で、血圧と塩摂取量との関係を実験的な方法で調べた研究はほとんどなかった。Lewisの研究は食物日記や血圧のスポット・チェックに頼る代わりに、参加者が家に持ち帰る小さな装置を使用して24時間にわたって継続的に測定され、高塩摂取量と低塩摂取量の食事をそれぞれ1週間食べるように参加者を募集している。
「ナトリウム摂取量と心血管疾患の関係について、特定のサークルでいくつかの論争があったが、少なくとも部分的には、我々が持っている研究の多くは観察的であり、臨床試験ではないからである。」とLewisは言った。「これは食事性ナトリウムと実際の心血管疾患の転帰との関係に関する大規模で長期的な研究に特に当てはまる。そこで我々の研究の出番である。」
調査方法
この研究はノースウエスタン大学でも行われており、バンダービルト大学の研究者達によって調整されており、正常な血圧または治療および制御された高血圧を有する50～75歳のボランティアを募集している。参加者は塩摂取量、血圧などに関するベースライン・データを確立するために、通常の食事を1週間食べることから始める。それに続いて高塩食－参加者の通常の食事にプラスして食料品店で簡単に買える塩辛いスープを作るためのブイヨン－と研究者によって提供された低塩食が1週間続く。参加者はまた、「例えば、軟水システムを持っている場合など、水道水に塩分が含まれる可能性があるため、ボトル入りの蒸留水
を飲むことができる。」とLewisは言った。
参加者は、順序が結果に影響を与える場合に備えて、低塩分または高塩分食から始めるようにランダム化されている。毎週末に、参加者は特別な血圧計を24時間着用し、尿試料を24時間収集する。(終日の尿試料は､人が摂取した塩の量を測定する最良の方法である。)
重要なデータの収集
この研究はまた、塩が血圧に及ぼす影響を説明できる可能性のあるメカニズムを掘り下げる。週に4回の訪問中に採取された血液試料によりLewisと彼女の共同研究者は、様々な免疫細胞の量が食事によってどの様に変化するかを研究することができる。「高塩食を摂取すると炎症を引き起こす可能性がある。」とLewisは述べた。「我々は免疫系が低塩含有食と比較して高塩食に反応するかどうかを研究する。免疫反応の兆候である炎症は、「動脈に影響を及ぼし、心臓発作や多くの脳卒中の根底にある動脈硬化と呼ばれることもあるアテローム性動脈硬化症の重要な要因である。」とLewisは述べた。
減塩は明らかに有益な効果を持つことが出来る。2021年にニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された中国の農村部での大規模な研究では、研究者は約21,000人の参加者に通常の塩または75％のナトリウムと25％のカリウムを含む塩代替物を使用するように無作為化した。「代役を割り当てられた人々は、脳卒中、心血管疾患、および何らかの原因による死亡率が低い。」とLewisは述べた。試験結果は、「ナトリウムとそれが心血管系にどのように影響するかについてもっと知る必要がある。」と強調している。我々は血圧の塩感受性に関するこの研究でそれに取り組んでいる。
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塩を食べ過ぎることの長期的な影響
「短期的には、体は血液や組織中のナトリウムの安定した濃度を維持するメカニズムを持っている。」とLewisは言う。「座って塩辛いポテトチップスを食べると、余分なナトリウムはかなり早く尿中に排泄される。人々が毎日食べる塩の量には多くのバラツキがあり、一般的に体はナトリウム濃度を安定に保つために反応する。
より大きな懸念は、「人の食事の一般的なパターン」である、とLewisは言った。「通常、ほとんどの人は毎日推奨よりも多くの塩を食べる。これは、少なくとも食事の塩に敏感な人々では、高血圧を促進する安定した状態にそれらを保つかもしれない。この研究では、日間にわたる複数の食事の効果を実際に調べており、異なる量の食事塩のより慢性的な影響を反映している。
なぜカリウムか？
ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの塩代替物試験では、研究者達は75％のナトリウムと25％のカリウムの混合物を使用した。「カリウム摂取量が多いほど血圧の低下に関連している傾向があり、腎臓が正常である限り、カリウム摂取量を増やすことは良いことだと思う。」とLewisは言った。「塩を沢山食べる人は、食事中にカリウムが低い傾向がある。カリウムは､例えば、果物や野菜から来る傾向がある。この試験が行われた中国の農村部では、ほとんどのナトリウム摂取量は調理中および食卓で食品に添加された塩から来ている。アメリカでは、塩の大部分は加工食品から得ている。したがって、中国は塩代替物試験を行う理論的な場所であった。」
