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2022年の世界のナトリウム・イオン電池会社トップ10

Top10 Sodium-Ion Battery Companies in the World in 2022

https://www.tycorun.com/      2022.07.17

 

産業の発展により電池企業はナトリウム・イオン電池の導入を推進

 さまざまな自動車会社や電池メーカーが、上流の原材料価格の高騰とリチウム鉱山の確保不能に不安を感じている中、ますます多くの企業がナトリウム・イオン電池を導入し始めている。2022年頃から相当数のナトリウム・イオン電池事業を展開する企業が資金調達活動を行っており、その多くは世界トップ10に入るナトリウム・イオン電池企業に属しており、多くのナトリウム・イオン電池起業プロジェクトが2020年に市場で評価され始めている。

 現在、中国では多くの企業がナトリウム・イオン電池を展開しているが、大きく2つに分類できる。1つは新興企業であり、もう1つはHiNa BATTERYCATL(リチウム・イオン電池企業トップ10で第一位)など、リチウム・イオン電池とその上流原材料の生産に長年携わってきた老舗サプライヤーである。そして他の企業もナトリウム・イオン電池を量産しようとしている。

 中国のみならず、欧米企業を中心とした世界各国の企業もナトリウム・イオン電池の導入を積極的に行っている。より良く知られているのは、Faradion(イギリス)Tiamat(ヨーロッパ)Natron EnergyAquion Energy(アメリカ)などである。日本のパナソニックと三菱も関連する取り組みを行っているが、進歩は比較的遅い。

 この記事は、上記トップ10のナトリウム・イオン電池企業の開発の歴史、中核事業、産業構造などの具体的な状況を詳しく紹介し、ナトリウム・イオン電池業界の最新の発展と、この分野の業界リーダーの関連する配置について、より包括的かつ深く理解するのに役立つことを目的としている。

 

2022年の世界のナトリウム・イオン電池企業トップ10

   CATL 

 設立年月日       20111216

 世界本社        中国、福建省

 市場価値合計      13,0084,400万人民元

 会社のウェブサイト   https://www.calt.com/

会社概要

 世界のナトリウム・イオン電池企業トップ10の中で第一位にランクされているCATLは、新エネルギー車両用動力電池システムとエネルギー貯蔵システムの研究開発、生産、販売に注力する。世界をリードする新エネルギー革新技術企業である。そのコア技術には、電力およびエネルギー貯蔵電池、材料、電池、電池システム、電池リサイクルおよび二次利用の分野における産業チェーン全体の研究開発および製造能力が含まれる。CATLの最大の特徴は三次元系リチウム電池を採用しており、電池寿命が長くなる。

主要な製品と技術

 電力およびエネルギー貯蔵電池、材料、電池、電池システム、電池のリサイクルおよび二次利用;CTP技術、CTC技術、高ニッケル技術などの最先端技術。

関連するレイアウト

 CATL20217月に第一世代ナトリウム・イオン電池を発売し、同年8月に正極片、負極片、セパレーター、電解質を含むナトリウム・イオン電池の特許を取得した。エネルギー密度160 Wh/kgは世界最高レベとして知られている。

 

   FARADION

設立年月日       2011

世界本社        イギリス。ヨークシャー

会社のウェブサイト   https://faradion.co.uk/

会社概要

 ファラディオンはナトリウム・イオン電池企業トップ10に入る企業で、ナトリウム・イオン技術を開発し、市場に投入することを目指している。ファラディオンは充電式電池内のナトリウム・イオンの可能性を特定し、活用した新世紀の最初の企業である。この分野で競合するナトリウム・イオン企業よりも多くの特許を取得しているファラディオンは、非水ナトリウム・イオン電池の市場リーダーとしての地位を確固たるものにすることができる。

主要な製品と技術

 定置型エネルギー貯蔵-ナトリウム・イオン電池;輸送用途-ナトリウム・イオン電池

関連するレイアウト

 2021310日、電池メーカーAMTEパワーとファラディオンは、ファラディオンの知的財産とAMTEパワーの設計および製造能力を組み合わせる提携を発表した。この提携により、ナトリウム・イオン電池技術を家庭用エネルギー貯蔵、商用マイクログリッド、風力タービン、潮力エネルギー貯蔵などのさまざまな再生可能エネルギー用途に組み込むことが可能になる;

 2021710日、AceOnは移動式太陽電池蓄電ユニットの開発を加速するためにイギリス・イノベーション・プログラムから100万ポンドの助成金を獲得した。AceOnの新設計製品にはファラディオンのナトリウム・イオン電池が使用される。これはファラディオンの技術で、イギリスで初の商用利用となる。サハラ以南のアフリカ;2021年末、ファラディオンはインドのリライアンス・インダストリーズに買収された。

   Natron Energy

設立年月日       2012

世界本社        アメリカ、カリフォルニア州

会社のウェブサイト   http://www.natron.energy

会社概要

 世界トップ10のナトリウム・イオン電池企業の1つであるNatron Energyは、データ・センターUPSシステムや電動資材運搬装置などの重要な電力および産業用途向けに、高出力、長寿命、低コストのプルシアン・ブルー・ナトリウム・イオン電池解決策を開発および供給する世界有数の企業である。2020年、Natronは電池製品としてUL 1973年リストを取得した世界初のナトリウム・イオン電池となり、データ・センター、フォークリフト、および電気自動車急速充電市場の顧客への商業出荷が始まった。

主要な製品と技術

 ナトリウム・イオン電池パック-Blue Tray 4000; Natronのプルシアン・ブルー・ナトリウム・イオン技術。

最近のニュースと関連するレイアウト

 20225月、Natron EnergyClarios Internationalは大規模ナトリウム・イオン電池の生産で協力する戦略的合意を発表した。Natron Energyはおそらく10年以上にわたり、ナトリウム・イオン電池の開発を行ってきた。

   HiNa BATERY

設立年月日       201728

会社所在地       中国、北京

登記資本金       3094,995万人民元

会社のウェブサイト   https://www.hinabattery.com

会社概要

 HiNa BATERYはナトリウム・イオン電池トップ10企業の中で、新世代のエネルギー貯蔵システムであるナトリウム・イオン電池の研究開発と生産に特化した企業である。同社はナトリウム・イオン電池の中核特許を多数保有しており、ナトリウム・イオン電池の中核特許と技術を保有する世界でも数少ない電池企業の1つである。HiNa BATERYは、低コスト、長寿命、高安全性、高エネルギー密度のナトリウム・イオン電池製品を中心に、各種電気自動車、低速電気自動車、通信基地局、データ・センター、家庭用エネルギー貯蔵、および大規模エネルギー貯蔵を重視している。一方、HiNa BATERYはナトリウム・イオン電池の正極材料と負極材料および電解質を供給できる。

主要な製品

 エネルギー貯蔵システム、のナトリウム・イオン電池。

関連するレイアウト

 現在、HiNa BATERYは、正極、負極、電解液、電池パックなどの生産を管理し、独自に開発研究を行ったり、他の企業→政府と合弁会社を設立したりしている。HUA YANG GROUPはまた、HiNa BATERYやその他の企業と協力して、正極および負極材料の生産ラインとナトリウム・イオン電池セルの生産ラインを構築した。今年初めに陽泉市

でセル生産ラインの建設が始まったが、これらの生産ラインはまだ生産や量産には至っていない。

 生産ラインに関しては、HiNa BATERYは三峡グループや地方政府からも支援を受けている。2021年末、三峡エネルギーは、三峡再生可能エネルギーと三峡キャピタル、HiNa BATERY、安徽省撫陽市政府がナトリウム・イオン電池生産ラインに関する協力協定を締結し、大規模ナトリウム・イオン電池生産ラインを共同で建設すると発表した。

   RONBAY TECHNOLOGY

設立年月日       2014918

世界本社        中国、浙江省

市場価値合計      6312,900万人民元

会社のウェブサイト   http://www.ronbaymat.com/

会社概要

RONBAY TECHNOLOGYは、リチウム電池用正極材料の研究開発、生産、販売を専門としている。同社は、CATLBYDLG ChemTianjin LishenFuneng Technologyなどの顧客と長期的な協力関係を確立している。最先端の高エネルギー密度製品で、安定した製品性能と成熟した製造技術を備えた三元正極材料の提供をサポートしている。RONBAY TECHNOLOGYは、中国で初めてNCM811の量産を実現した正極材料メーカーである。RONBAY TECHNOLOGYは、動力電池の正極材料のトップメーカーであることに加えて、ナトリウム・イオン電池企業のトップ10にも属している。

主要な製品

 NCM523NCM622NCM811

関連するレイアウト

 RONBAY TECHNOLOGYは、ナトリウム・イオン電池用のフェロマンガン・プルシアン・ホワイトおよび層状酸化物正極材料の技術研究開発および生産ライン構築を進めている。関連情報によると、2022年にはトン・レベルの生産量を達成できる可能性がある。

   ZOOLNASH

設立年月日       2021121

世界本社        中国、江蘇省

登記資本金       1307,496万人民元

会社のウェブサイト   http://www.zoolnasm.com/

会社概要

 ZOOLNASHはナトリウム・イオン電池の新興企業である。同社は独自の技術ルートで低コスト、長寿命のナトリウム・イオン電池の電池化学システム、構造、システム開発を徹底的に研究している。ZOOLNASHは優れた研究開発により、ナトリウム・イオン電池の研究成果の変革において、トップ10のナトリウム・イオン電池企業の最前線に位置している。

主要な製品

 新しいエネルギー貯蔵-電気エネルギー貯蔵、通信エネルギー貯蔵、家庭用エネルギー貯蔵、ポータブル・エネルギー貯蔵;光電力-電動二輪車、電動三輪車、電動モペット、電動スクーター、;エンジニアリング・パワー・フォークリフト、大型トラック、高所作業車;乗用車-乗用車およびゴルフカート。

関連するレイアウト

 ZOOLNASHの製品は硫酸酸鉄ナトリウム電池で、高性能正極材料を調製するための特許取得済みの方法は、多くの下流顧客との戦略的協力に達していると言われており、第一世代の製品は年内に納入される予定である。

   NATRIUM

設立年月日       201858

会社所在地       中国、浙江省

登記資本金       1,4117000人民元

会社のウェブサイト   http://natriumenergy.cn/

会社概要

 NATRIUMはナトリウム・イオン電池の技術革新とエンジニアリングに焦点を当てており、市場の需要に応じて、スマートグリッド・エネルギー貯蔵、電気自動車、分散型エネルギー貯蔵、および化学向けの新世代の電力およびエネルギー貯蔵電池システムの開発、製造、販売を行っている。特別な目的に使用される電源であり、グリッドで持続可能なエネルギー解決策を提供する。

主要な製品

 ナトリウム・イオン電池前駆体および正極材料、ナトリウム・イオン電池用電解質、ナトリウム・イオン電池およびナトリウム・イオン電池応用システム製品。

関連するレイアウト

 NATRIUMの主な事業は、ナトリウム・イオン電池用の正極材料と電解質の研究開発と生産に焦点を当てている。NATRIUMは今年3000トンの正極材料と5000トンの電解液を生産し、今後35年間で段階的に8万トンの正極材料と補助電解液の生産ラインを建設する計画である。NATRIUMの正極材料パイロット・ラインは現在、24時間稼働している。下流の顧客には、Honeycomb Energyなどが含まれる。カソード材料は、製品および技術検証のために複数の企業に供給される可能性がある。

   KISHIDA CHEMICAL

設立年月日       192411

会社所在地       日本、大阪

登記資本金       5000万ドル

会社のウェブサイト   http://www.kishida.co.jp/

会社概要

 キシダ化学は日本に本拠を置く化学会社で、同社の事業内容には化学製剤の製造が含まれる。

主要な用途と製品

 研究用薬品、ファインケミカル、分析用試薬、ライフサイエンス用試薬、ビルディング・ブロック、イオン液体、有機微量分析用試薬、リチウム・イオン電池グレード、電気二重層キャパシタグルード、マグネシウム・イオン電池グレード。

   Panasonic

設立年月日       1918313

会社所在地       日本、大阪

市場価値の合計     1885000万ドル

会社のウェブサイト   https://www.na.panasonic.com/

会社概要

 パナソニックは20世紀後半に世界最大の家庭用電化製品メーカーとなり、さまざまな電気製品の開発、生産、販売、サービスを行っている日本の大規模な多国籍複合企業である。パナソニックは、充電式電池、自動車および航空電子システム、産業用システム、住宅改善および建設など、幅広い製品とサービスを提供している。その製品は家庭用電化製品、住宅、B2B、自動車に使用されている。車載用リチウム・イオン電池のパイオニアの1つであり、現在、電気自動車用電池メーカーのトップ3に入るパナソニックは、車載用電池事業で新たな段階にひりつつある。

主要な製品とサービス

 リチウム・イオン、ニッケル水素、鉛酸、コイン、ニッケル・カドミウム、リチウムおよびアルカリ技術を含む充電式および非充電式電池、さらに、アモルファス・シリコン太陽電池と民生用電池も提供している。

関連するレイアウト

 20226月、パナソニックはテスラに新しい4680円筒型リチウム電池セルのサンプル納入を開始し、量産の準備を開始したことを正式に明らかにした。パナソニックはすでに今年5月に4680型電池の小規模試作を開始しており、202341日に量産稼働を開始し、テスラの予想年間容量10 GWhに供給できるようになる。

   MITSUBISHI CHEMICAL

設立年月日       1970

世界本社        日本、東京

市場価値の合計     4491400万ドル

会社のウェブサイト   https://www.m-chemical.co.jp/

会社概要

 三菱化学グループは、ナトリウム・イオン電池企業トップ10に入る総合企業であり、機能性材料およびプラスチック製品(情報・エレクトロニクス、特殊化学品、医薬品を含む)、および機能性材料およびプラスチック製品(情報およびエレクトロニクス、特殊化学品、医薬品を含む)3つの主要部門を通じて幅広い製品を提供している。石油化学製品;炭素と農産物。

主要な製品

 機能性材料およびプラスチック製品(情報・エレクトロニクス、特殊化学品、医薬品を含む)石油化学製品;炭素と農産物。

関連するレイアウト

 三菱化学は、全固体電池と同様の高エネルギー密度のエネルギー貯蔵技術であるナトリウム・イオン電池の工業化を強力に推進している。