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どうして海は塩辛い?

Why Is the Ocean Salty?

By Anne Marie Helmenstine

thoughtco.com より  2019.05.23

 どうして海は塩辛いのかを不思議に思ったことはないか?どうして湖は塩辛くないのかを不思議に思ったことはないか?何が海を塩辛くし、どうして他の水域の水の化学組成がことなるのかを考えてみる。

重要なポイント:なぜ海は塩辛いのか?

  世界の海は約3.5%と言うかなり安定した塩分濃度である。主要な塩類には溶解した塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム(訳者注:イオンの組み合わせでは考えられても、海水濃縮で硝酸カリウムが析出してくることはない。塩化カリウムの間違い。) および 重炭酸ナトリウム(訳者注:これも海水濃縮で析出することはない。) がある。水中ではこれらはナトリウム、マグネシウム、カリウムの各陽イオン (訳者注:カリウムよりもカルシウムの方が多くある) と塩化物、硫酸塩、硝酸塩、および炭酸塩の各陰イオンがある。

  海が塩辛い理由は、海水が非常に古いからである。火山からのガスは水に溶けて酸性にする。酸は溶岩からミネラルを溶かし、イオンを作る。もっと最近では、川は海に流れ込むので、浸食された岩石からのイオンは海に行った。

  幾つかの湖は非常に塩辛い(高塩分濃度)が、幾つかは塩辛くない。ナトリウムと塩化物の各イオン量が少ないからである。その他は単にもっと薄いだけである。水は海に流れ込み、雨水または他の沈殿物で置き換えられるからである。

海が塩辛い理由

 海は非常に長い間、存在してきたので、火山活動の増加からガスや溶岩が噴出しているときに、塩類の一部が水に加えられた。二酸化炭素は大気からの水に溶けて弱い炭酸を形成しミネラルを溶かす。これらのミネラルが熔けたとき、イオンを形成し、水を塩辛くする。海から水が蒸発すると、塩は後に残される。また、川が海に流れ込むとき、雨水や河川で浸食された岩石からのイオンを加えて持ち込む。

 海の塩分濃度は約3.5%でかなり安定している。塩の量を知るために、海から全ての塩を取りだして陸に広げたら、塩は深さ166 m以上の層を形成すると推定されている。海は時間が経つと次第に塩辛くなると思うかもしれないが、そうならない理由の一部は、海のイオンの多くが海に生息する生物によって取り込まれるためである。他の要因は新しいミネラルの生成であるかもしれない。 

湖の塩分濃度

 湖は小川や河川から水を得る。湖は陸地と接している。どうして塩辛くないのか?そう、幾つかは塩辛い!グレート・ソルト・レークや死海を考えてみて。5大湖のような他の湖は多くのミネラルを含んだ水で満たされているが、塩辛くない。これはどうして?ナトリウム・イオン音塩化物イオンを含んでおれば、水が塩辛い味になることが一因である。湖と関係したミネラルが多くのナトリウムを含んでいなければ、水は非常に塩辛くならない。湖が塩辛くならない別の理由は、水が海に流れ続けているからである。Science Dailyの論文によると、水とそれに関連するイオンは5大湖に約200年間残る。他方、水滴とその中の塩類は1 – 2 億年間海に残る可能性がある。

 世界で最も薄い湖はアメリカ、オレゴン州のオレゴン・カスケードの頂上近くにあるラエ・ノタシャである。主要な陰イオンは重炭酸塩でその伝導度は約1.3 – 1.6 uScm-1の範囲である。森林が湖の周りにあるが、流域は水のイオン組成に大きく寄与していないようである。水は非常に希薄なので、湖は大気の汚染物をモニターするのに理想的である。

   2009年世界海洋アトラスからの年間平均海表面塩分濃度。塩分濃度は実用的な塩分濃度単位(PSU)で表されている。Plumbago