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アルテック、「塩」電池のプロトタイプ生産を急ぐ

Altech Fast-Tracks “Salt” Battery Prototype Production

By mark Irving

https://thewest.com.au/    2023.05.09

 

 スコビアに本拠を置くアルテック・バッテリーズは、高価で希少な鉱物の代わりに普通の塩に含まれるナトリウム・イオンを使用する電池パックの最終プロトタイプのドイツでの生産に急ピッチで取り組んでいる。

 同社はABS60電池パックを世界の急成長する再生可能エネルギーおよび送電網貯蔵市場に向けており、経営陣はABS60電池パックが業界の「ゲームチェンジャー」になる可能性があると信じている。

 リチウム・イオン電池の製造に使用されるリチウム、コバルト、グラファイトではなく、ナトリウム・イオンを使用する。これにより、サプライチェーンへの懸念やこれらの重要な金属の価格高騰が回避されるだけでなく、アルテック社によると、同社の電池はリチウム・イオン版よりも最大40%安価になる見込みであると言う。

 塩化ナトリウム電池パックは防火性および防爆性があり、摂氏140℃から摂氏60℃までの極端な温度でも動作できる。同社によれば、可動部品がないためノイズが発生しないというさらなる利点があると言う。

 アルテックによれば、ヘルムスドルフにあるフラウンホーファーIKTS施設で2つの電池パックのプロトタイプが製造されているという。このプロセスには、480個のセラミック固体電池の製造と、ケーブル配線、モジュール構造、複合絶縁キャビネット、電池管理システムなどの補助機器の製造が含まれる。

 製造が完了すると、60 KWh塩化ナトリウム固体電池は、顧客へのテストのために発送される前に、極端な条件下でサイクルテストを受ける。

 昨年11月、アルテックとそのジョイント・ベンチャー・パートナーであるフラウンホーファーは、100 A600 Vの定格動作電圧を誇る電池パックの設計を発表した。今年3月、アルテックは再生可能エネルギー貯蔵市場向けに、最大20個のABS60電池パックで構成される送電網パックの1 MWh送電網パック設計の設計をリリースした。アルテックによれば、同社の送電網パックは「プラグアンドプレイ」機能を備えて設計されており、遠隔地に簡単にインストールできるとのことである。

    当社は、アルテック、フラウンホーファー、およびドイツのさまざまな大手

   エンジニアリング会社や産業請負業者からの人材を組み込んだ、ダイナミック

   で動きの速いプロジェクト・チームを構築した。このような短期間で60 KWh

電池パックの最終設計に加えられた進歩は目覚ましいものである。

アルテック・バッテリーズのマネージング・ディレクターであるIggy Tan

 送電網パックは輸送を容易にし、簡単に設置できるよう海上コンテナ設計で構築されている。相互に積み重ねて設置面積を最小限に抑え、変化する貯蔵要件に合わせて簡単に拡張できるようにすることができる。

 アルテックによれば、これらは塵や外部の気象環境から完全に保護されるように設計されているため、追加のシェルターや建物を収容する必要はないと言う。

 アルテック・フラウンホーファー・ジョイント・ベンチャーは現在、ドイツのザクセン州にあるアルテックの敷地内にSCSS電池を製造するための年間100 MWhのプラントを商業化している。