道路から小川まで:道路用塩が環境に与える影響
From Streets to Streams: The Impact of Road Salt on the Environment
https://theconservationfoundation.org/ 2023.12.10
あまり知られていない環境問題、それがイリノイ州北東部のコミュニティに影響を与えている。それは「塩」である。具体的には、冬に道路、駐車場、歩道に撒く岩塩である。
もちろん、冬を安全に保つためには岩塩が必要である。問題は、使いすぎることである。標準的な塩漬けでは塩を過剰に使用し、雪や氷を溶かすために必要以上に塩をまき散らす。簡単に言うと、我々は塩を無駄にしている。そしてこの浪費により、地元の川、小川、湖のきれいな水が犠牲になる。
塩は雨水配水管を通って川に注ぎ込まれる
冬に道路や駐車場に塩を撒くと、その多くが水路に流れ込んでしまう。舗装上の塩分は雪解け水や雨水の流出に溶け込む。塩分を含んだ流出水は最終的に雨水排水路に流れ込み、処理されずに川や小川に流れ込む。その結果、我々の淡水の流れは年々塩分濃度が高まっている。
塩化物の環境への影響
岩塩、または塩化ナトリウムは、水に溶解すると別々のナトリウム・イオンと塩化物イオンナトリウムに分解される。塩化物成分はさまざまな形で環境に影響を与える。
淡水魚は塩辛い川を好まない
塩化物レベルの上昇(約860 mg/l)は、魚、両生類、大型無脊椎動物に有害である。5ガロンの水に小さじ約1/2の塩を入れる150 mg/lという低い濃度でも、水生生物に影響を与え、生物多様性の低下と相関している。我々の淡水魚が海水に住みたくないというのは本当に驚くべきことか?
飲料水が塩辛くなり可能性がある
塩化物は残留性汚染物質であり、一度水に入るとそこに留まる。塩化物が蓄積すると、飲料水が塩辛くなる危険性がある。塩素濃度が250 mg/lを超えると、我々は塩辛い水を感じ始める。水中の塩分が多すぎると、減塩食を必要とする人にとって健康上の問題を引き起こす可能性もある。
閉鎖系である地下水はより早く影響を受けるため、塩化物は井戸水の地域社会にとって差し迫った脅威となっている。しかし、地域全体で塩の使用を抑制しなければ、ミシガン湖から水を調達している地域でも今後数十年で影響を受けることになるであろう。
植物も塩を嫌う
道路や歩道からの塩水噴霧や塩分流出は植物にダメージを与える。塩化物が多量に存在すると、植物を完全に枯らしてしまうことさえある。また、塩化物が土壌に集中し、時間の経過と共に土壌の健康や植物に影響を与え可能性もある。
塩分がインフラを腐食させる
塩化物は建築環境にも影響を及ぼす。塩化物は金属やコンクリートを腐食させるため、塩漬けは道路、橋、車両に影響を与えることがよくある。したがって、過剰な塩化物はインフラの寿命を縮め、メンテナンス・コストを増加させる。
塩化物汚染と戦うためのSalt Smart解決策
ローカルで行なわれているSalt Smart解決策をいくつか紹介する:
● 地方自治体は、道路を除雪するための雪氷プロトコルにソルト・スマートの実践を適用している。例えば、キャロル・ストリーム村では、村での除氷作業に対する環境に配慮したアプローチが評価され、2023年ソルト・スマート賞を受賞した。彼等は塩分を減らし、雪の除去をスタートアップするために液体の散布に全力を尽くしている。
● 今年、我々は駐車場や歩道の清掃を行なう冬季専門家向けのトレーニングおよび認定プログラム、ソルト・スマート認証を開発した。
● また、ボランティアが地元の小川でサンプルを収集し、塩化物を検査するコミュニティ科学イニシアチブである。新しい冬の塩化物ウォチャー・プログラムを通じてコミュニティに参加してもらっている。
● スマート・ソルトになることを選択する住宅所有者が増えている。あなたもそうすることができる。まず雪かきをして、できるだけ多くの雪を取り除く。次に、交通量の多い場所や凍結した場所に塩を控えめに散布する。人が歩いたり車で走ったりしない場所に塩を散布する必要はない。吹雪の後は余分な塩を掃き取る。裸の舗道に残った塩は何もせず、簡単に川に流されてしまう。塩分を節約するために独自の塩水を試してみることもできる
我々のコミュニティがこの塩化学カクテル問題を真剣に受け止める気運が高まっているが、それには十分な理由がある。イリノイ州では、塩化物の水質基準(州が規制するレベル)は500 mg/lである。水生生態系は150 mg/lで影響を受け、飲料水は250 mg/lで塩辛い味になるため、健全な小川ときれいな水を守るために、塩化物を基準以下に制限する必要がある。
これは我々の未来を考えるよう求める呼び掛けである。我々の貴重な淡水資源は、今日だけでなく将来の世代のためにも保護される必要がある。