安全な核廃棄物に対する答は? 塩!
Answer to Safe Nuclear Waste Disposal? Salt!
Original Story from the American Society of Agronomy
https://www.technologynetworks.com/ 2020.05.01
世界中に最終的な休憩所を持っている核廃棄物で満たされた水のプールがある。これは何十年にもわたる原子力発電所から発生した廃棄物であり、慎重に取り扱う必要がある。アメリカでは、科学者達はこれらの廃棄物を処分するために幾つかの解決策を研究している。ロスアラモス国立実験場のPhil Staufferと研究者達はアメリカエネルギー省や他の国立研究所と協力して、長期的で安全な廃棄解決策である塩について取り組んできた。
アメリカに既に存在する深層塩層は長期処分候補の1つである。」とStaufferは言う。「この「高レベル」核廃棄物は、含まれている放射能に加えて大量の熱を発生させる可能性がある。この廃棄物を処分するための明確な道筋を開発する必要がある。」塩鉱床は地下に存在する。それらは自己回復性であり、透過性が非常に低く、熱をよく伝導する。これらはすべて放射性廃棄物の自然熱を放出するために重要である。塩の形成は放射性核種の人間の環境への長期放出に対する優れた障壁となる可能性がある。
アメリカとドイツは塩鉱床の貯蔵所に低レベルおよび中レベルの核廃棄物を処分している。これらの廃棄物はそれほど熱を発生しない。したがって、高レベル放射性廃棄物の塩鉱床の安全性と有効性を判断するには、さらに多くの研究が必要であった。しかし、塩は単なる物理的な障壁ではなく、化学的障壁でもある。したがって、これらの塩の堆積物が水、熱、その他の地質学的要因も存在にどのように反応するかを調整する必要があった。
最近の地下での熱試験は廃棄物キャニスターの実物大のモックアップを作成し、それをほぼ1年間加熱することから始まった。これが1980年代後半以来、アメリカでおこなわれたのはこれが始めてである。並行してエネルギー省の研究チームは一般的な核廃棄物処分場を研究するキャンペーンを実施している。これは、水が塩の熱源に向かってどの様に移動するかを研究することが含まれている。Staufferとチームの他のメンバーと一緒に、「塩水での塩水利用可能性テスト」またはBATSプロジェクトに参加する。研究チームは数年前にパイロット・プログラムを開始した。
塩鉱床にボアホールを掘削し、これらの塩に囲まれた穴でヒーターテストを行うことにより、研究者達は決定を知らせるための洞察を得ることができる。テストは大型のドリルリグ装置を使用して廊下と呼ばれるドリフト内の地下深くで行われている。フェーズ1s(sはシェイクダウンの場合)は2018年の夏に始まり、ほぼ1年間実行された。「この最初のテストで得られた教訓と洞察は、次の大規模な実験の設計と実装に不可欠であることが証明されている。」とStaufferは述べている。
さらに、研究者達は結果の幾つかを予測するためにコンピューター・モデリングに目を向けることができる。「長期モデリングを使用して、ボアホールの適切な初期圧力やその他の重要な要素を開発できる。」とStaufferは言う。含まれる要素は温度応答と水の利用可能性である。フェーズ1は2020年1月に開始され、数ヶ月間実行される。これは光ファイバー・ケーブル、電気抵抗トモグラフィー、塩水から蒸発した水のリアルタイム同位体測定など、より複雑なデータ収集が含まれる。
かん水の可用性のこれらの側面は、BATSテストの将来のフェーズで調査される。次の実験データは、モデルをさらに改良するために使用され、国際的な研究コミュニティと共有される。プロジェクト計画では、ヒーター実験の規模を徐々に拡大して、将来の高レベル放射性廃棄物処分場の可能性を表す構成で使用済み核燃料廃棄物キャニスターに塩水を利用できるかどうかを最終的に調査する必要がある。