実行可能な海水電池に向けた進歩
Progress Made towards Viable Seawater Batteries
Original story from Korea Maritime and Ocean University
https://www.technologynetworks.com/ 2022.02.01
科学者達は充電式海水電池用の新しい共ドープ陰極材料を製造するための効率的な合成工程を開発している。
海水電池の多くの潜在的な用途にもかかわらず、利用可能な材料の限られた性能がそれらの商品化を妨げてきた。この問題に取り組むために、韓国海洋大学の科学者達は海水電池の陰極用の新しい共ドープ炭素材料を開発した。それらの簡単な合成工程と開発された陰極材料の高性能は、リチウム・イオン電池よりも安価な海水電池の普及に水治療法を開くであろう。
リチウム・イオン電池はその優れた特性のお陰で世界を席巻した。しかし、リチウムの不足と高コストにより、研究者達はナトリウムなどのより豊富な材料を使用して作られた代替タイプの二次電池を探すようになった。ナトリウム・ベースの電池の特に有望なタイプの1つは陽極として海水を使用する海水電池である。
海水電池は環境に優しく、自然に耐火性があるが、合理的なコストで高性能陰極材料を開発することは、商業化を妨げる大きなボトルネックのままである。従来の炭素ベースの材料は魅力的で費用効果の高いオプションであるが、性能を同等に高めるには、窒素や硫黄などの複数の元素を共ドープする必要がある。残念ながら、現在知られている同時ドーピングの合成経路は複雑で、潜在的に危険であり、許容できるドーピング・レベルすら得られない。
最近の研究で、Jun Kang准教授が率いる韓国海洋大学の科学者達チームは、この難問から抜け出す方法を見つけた。彼等の論文は2022年12月22日にオンラインで公開され、2022年4月15日にCarbonの第189号に掲載され、海水電池陰極用のN/S共ドープ炭素を取得するための新しい合成工程について説明している。
「液体中のプラズマ」と呼ばれる彼等の手順では、炭素、窒素、および硫黄を含む前駆体の混合物を調製し、プラズマを溶液に放出する。その結果、カーボン・ブラックの構造骨格を持つ窒素と硫黄のドーピング・レベルが高い材料が得られる。様々な実験で証明されたように、この材料は海水電池に大きな可能性を示した。Kang博士は次のように述べている。「我々が準備した共ドープ材料は、海水電池で顕著な電気化学的性能を示し、10 A/gの電力密度で1500サイクル以上のサイクル寿命を示した。」
海水電池は海に完全に沈められた状態で安全に運用できるため、海上での海水電池の潜在的な用途は数多くある。沿岸の原子力発電所で非常用電力を供給するために使用できる。これは、壊滅的な津波が発生した場合に、従来のディーゼル発電機を使用する場合には困難である。さらに、ブイに取り付けて、ナビゲーションや釣に役立てられる。恐らく最も重要なことは、海水電池が文字通り人命を救う可能性があることである。Kang博士は次のように説明している。「海水電池は旅客船の救助設備の電源として設置できる。従来の一次電池よりも高いエネルギー密度を供給するだけでなく、水中での安定した動作を可能にし、生存確率を高める。」
全体として共ドープされた炭素陰極の古代の新しい合成工程は、海水電池を新しい高さに到達されるために必要な答えかもしれない。