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中国のCATLが新型EV用ナトリウム電池を発売

China’s CATL Launches New EV Sodium Battery

https://techxplore.com/  より   2025.04.21

 

 中国の電池大手CATLは月曜日、電気自動車業界を再構築するとされる新型ナトリウム・イオン電池と、2つの電池技術を1台の車両に統合する新システムを発表した。

 同社は、てすら、メルセデスベンツ、BMW、フォルクスワーゲンといった大手ブランドと提携し、世界で販売される電気自動車用電池の3分の1以上を生産している。

 ナトリウム・イオン電池は、電子機器や電動自転車の両方で広く使用されているものの、損傷すると発火の危険性があるリチウム・イオン電池に比べて、安価で、ある意味ではより安全な代替品と見なされている。

 「年末までに量産体制を確立し、業界全体の構造改革につながるであろう。」とCATLの最高マーケティング責任者であるLuo Jianは月曜日、上海で行なわれた記者会見で述べた。

 ナトリウム・イオン電池の生産は6月に開始される予定で、まずはNaxtraブランドの大型貨物車用小型始動用電池を生産する。この新型電池は、寒冷地での車両始動に大きなメリットをもたらすと期待されている。

 電気自動車とハイブリッド車用の大型電池の生産は、今年12月に開始される予定である。

 CATLCEO, Robin Zengは記者会見で、ナトリウム・イオン電池は「研究室から登場し、商業規模での生産準備が整った。」と述べた。Zengは、ナトリウム・イオン電池がリチウム、鉄、リン酸電池市場の半分を置き換えると見ていると述べた。

 ナトリウム・イオン技術は数十年前から存在していたが、性能面ではリチウム・イオン電池に遅れをとっていた。しかし、この技術への関心が再び高まったところで、高価な金属を使わずにナトリウム・イオン電池を製造できるようになった。

 CATLNaxtra電池は、電気自動車で500 kmの走行距離を実現する。月曜日の上海モーターショー開幕の数時間前、Shenxing電池も発表した。この電池は、今年ZeekrNioAvatrといった中国ブランドの車67台に搭載される予定である。

 この急速充電電池は、800 kmの航続距離を誇り、わずか5分の充電で520 kmの航続距離を回復できる。これは中国のライバルBYDの電池よりも長い。

 CATLは、パートナーであるNIOのような電池交換システムの開発に期待を寄せ、新技術の普及に努めている。

 しかし、ドナルド・トランプ米大統領が中国に課した高関税は、部品や車両の価格上昇につながる可能性がある。

 CATLの幹部は関税についてコメントを控えた。米国防総省は、中国軍との関連を疑う企業のリストにCATLを含めたが、CATLはこれを否定している。

 上海モーターショーでは、CATLEV向けの新型デュアル電池システムも発表した。同社の技術ディレクターであるGao Huanは、このデュアル・システムは、2つの電池のうち1つが故障した場合でも故障を防ぐため、特に自動運転車において安全性を高かめると述べた。

 5年間開が進められているこのデュアル電池の生産開始時期はまだ発表されていない。しかし、ある自動車メーカーが既に自動運転車の設計にこのデュアル・システムを採用していると、Gaoは述べている。