ナトリウムを使ってより持続可能な電池を作る
Using Sodium to Make More Sustainable Batteries
By Canadian Light Source
https://techxplore.com/ より 2024.07.11
リチウムという元素は、長持ちする安定したエネルギー貯蔵をもたらすため、電池に広く使用されている。しかし、リチウムは有限の資源であるため、研究者達は電池製造に使用する代替材料を見つけようと懸命に取り組んでいる。
サスカッチワン大学のCanadian Light Sourceを利用して、マギル大学のチームは最近、電池のリチウムの大部分をナトリウムに置き換える方法を考案した。
この研究は、Advanced Energy and Sustainability Research誌に掲載されている。
ナトリウムの使用に関する課題は、カソード材料が空気にさらされると不安定になることである。これは、現在、リチウム・イオン電池を生産している既存の製造施設を改造する場合、大きな問題となる。
「ナトリウムは空気中の二酸化炭素や水蒸気と反応し、炭酸ナトリウムなどの生成物を生成する。とマギル大学化学部の准教授Eric McCallaは言う。「水は実際に物質に入り込み、完全に異なる構造に変化し、電池材料として適さなくなる。」
McCallaのチームは、いわゆる「ワイルドな置換」を使用して、52種類の元素がナトリウム・イオン電池の安定性に与える影響を同時にテストした。CLSのHXMaビームラインにより、使用後の電池に関する詳細な局所情報を確認でき、ナトリウムと一緒に使用した場合にどの元素が電池の安定性を保つのに効果的であるかを理解することができた。
McCallaのチームは、膨大なデータ(無数の相互に関連する変数を含む)を理解するために、機械学習を使用した。これは、大量の複雑な情報を合理化するための強力なツールであると、McCallaは言う。
「マシンは変数を切り離すことができる。」とMcCalaは言う。「競合するすべてのパラメーターを考慮した複雑な関数を作成できる。」これにより、実際にパフォーマンスに影響を与えている材料と、それほど重要ではない変数を理解することができた。
ナトリウム・イオン電池がリチウム・イオン電池に完全に取って代わるまでには、特に電気自動車ではまだまだ長い道のりが残っており、依然として研究と発見の重要な部分である。
「人々は40年以上リチウム・イオン電池に取り組んできたが、非常に優れた電池である。」とMcCallaは言う。「より持続可能な材料を使用することは素晴しい目標であるが、ハードルは高い。我々は進歩を遂げており、今後もこれらの材料をさらに改良するために懸命に取り組んでいく。」