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新しいナトリウム・イオン電解質は固体電池で使用出来るかもしれない

New Sodium-ion Electrolyte May Find Use in Solid-state Batteries

By A’ndrea Elyse Messer, ペンシルヴァニア州立大学

https://techexplor.com/ より

2018.04.10

 

 ペンシルヴァニア州立大学と太平洋北西国立研究所の研究者達によると、ナトリウムを使った材料の新しく発見された構造は固体電池の電解質として使用できる材料となりそうである。彼等は研究から毎日の使用までの何年間もの時間を節約することを望んで反復設計法を使って材料を微調整している。電池で3つの主要部分の1つである電解質は固体電池内で荷電されたイオンの移動を支配する。これで電池の2つの部分、陰極と陽極との間に電流が流れて回路が出来る。ほとんどの再スマートフォン、コンピューター そして他の消費電子装置中の充電できる電池はリチウムを使った液体電解質を使っている。液体電解質は可燃性が高いため、安全性の問題がある。そのことが固体電池に使う良い材料を探すための我々の動機となっている、とペンシルヴァニア州立大学のDonghai Wangは言った。

 チームの新しい材料はナトリウム、リン、スズ、そして硫黄から成っており、四角形の結晶形である。それはナトリウム、スズ、イオウ原子が入る空間を持っており、そのことでイオンを移動させられる。ナトリウムはリチウムよりもずっと豊富にあるので、ナトリウム・イオン電池はリチウム・イオン電池よりもはるかに安く生産できる。材料はまた安全に使用できる。“我々の材料は高い熱安全性とともに幅広い電圧域を持っている。液体電解質を150℃まで加熱すると、発火または他の電池あるいは電子成分に損傷を与える多くの熱を放出する。我々の材料(固体電解質)400℃まで十分に作動する、”とペンシルヴァニア州立大学の機械工学と原子力工学のポスドク研究者のZhaoxin Yuは言った。彼等の材料は今日の電池で使われている液体電解質の約1/10の室温イオン伝導度であることをチームはNano Energyに発表した。この重要な発見は結晶構造内の空間の特別な配置である、と彼等は言った。

 “この材料の新しい構造の発見は、高度なナトリウム・イオン超イオン伝導体の新しいファミリーを作り出す経路があることを我々に示している、”とペンシルヴァニア州立大学の材料科学工学の研究教授であるShun-Li Shangは言った。ペンシルヴァニア州立大学の電池エネルギー貯蔵技術センターの部門であるWang実験所でチームはこの新しい電池を作りテストした。彼等の共同研究設計法を使って、チームは、材料の不整合だけでなく、異なった結晶生成がその性能にどのように影響するかを明らかにできた。“このツールセットがなければ、ブレークスルーすることは難しかった。計算と実験の両方を使う我々の方法は、材料が異なった性能を示す理由を解析できるようにする。イオン移動を迅速にするために我々は何を制御する必要があるかを知ることが出来るので、このことは次の設計段階で物事を速やかに進める、”とペンシルヴァニア州立大学の材料科学工学の著名な教授であるZi-Kui Liuは言った。

 チームの模型制作の一部は、ペンシルヴァニア州立大学サイバーサイエンス研究所が所有するスーパーコンピューターで行われた。