塩一粒:フラミンガム子孫のデータは塩ガイドラインに異議を唱える
A Grain of Salt: Framingham Offspring Data Refute Dietary Sodium Guidelines
By LA. McKeown
https://www.tctmd.com/ より 2017.04.25
塩摂取量が現在の勧告値よりも高ければ、彼等の収縮期血圧と拡張期血圧はより低かったらしい。
減塩勧告値の妥当性は、低い塩摂取量は有害であるかもしれないことを示唆する数件の研究で近年繰り返し疑問を呼んできた。最近の事例では、研究者達は血圧と塩摂取量との間に逆相関を見出し、勧められている塩やカリウムよりも多く摂取している人々の血圧値を下げると解釈される研究であった。
“ここでの真実のメッセージは、我々は塩摂取量にあまりにも焦点を置き過ぎ、血圧と密接に関連していると同時に長い間知られている他の栄養素を無視している、”とリンL.ムーア(マサチューセッツ州ボストンのボストン医科大学)は言った。マグネシウムとカルシウムは血圧制御に対して重要な食事寄与物であると言う示唆を彼女の研究も支持している。
2015 – 2020年のアメリカ人の食事ガイドラインは5.8 g/d以下の塩摂取量を勧めており、アメリカ心臓協会も同様で、そこは健常な成人に3.8 g/d以下の理想的な塩摂取量に努力することをさらに勧めている。
昨年、ランセットに発表された研究は、血圧が正常または上昇しているかどうかに関係なく、中程度の塩摂取量と比較して7.6 g/d以下の塩摂取量は全死因危険率増加または過半数の心血管疾患と関係していたことを明らかにした。この結果によりアメリカ心臓協会は研究に反対する公式声明を発表し、“人々の総合的な健康はより少なく塩を摂取することにより改善される”とTCTMDに代表者は語った。
イリノイ州シカゴで2017年実験生物学総会中のアメリカ栄養科学会と年会で今日発表された研究で、ムーアと同僚達は30 – 64
歳の健常な男女2,632人からの食事データを解析した。彼等はフラミンガム子孫研究の一部であった。毎日の塩摂取量とカリウム摂取量は低い(それぞれ6.4 g以下と2.3 g以下)あるいは高い(それぞれ6.4 g以上と2.3 g以上)として分類された。
16年間の間に収縮期血圧と拡張期血圧は塩摂取量増加に伴って低下した。それぞれ129.5 mmHgと75.6 mmHgという平均収縮期血圧と拡張期血圧は、低塩摂取量と低カリウム摂取量グループの人々の中で、それぞれ135.4 mmHgと79.0 mmHgと比較して高塩摂取量で高カリウム摂取量グループの人々で見られた。塩摂取量(9.4 g/d)とカリウム摂取量(3.211 g/d)を結合した最高平均値の人々は最低の総合血圧であった。カルシウム摂取量とマグネシウム摂取量も塩摂取量やカリウム摂取量の人々と同様に様子で血圧と逆相関していた。
ナトリウム(塩)だけが全物語ではない
アンドリュー・メンテ(カナダ、ハミルトンの人口保健研究所/マックマスタ―大学)はTCTMDの結果に関してコメントし、“本
当に塩物語りではなく、カリウム物語である、”と言った。“カリウムの豊富な万能健康食を食べていれば、塩に集中しているよりも血圧を下げるために一番良い方法である。”
カリウムは果物や野菜、酪農製品、ナッツ類、全穀粒類のような最小限に加工された食品で一般的に追跡するため、研究参加
について引き出される結論は、塩摂取量勧告値よりも高い摂取量にもかかわらず、彼等は一般的に健康的な食事をしている、とメ
ンテは言った。
ムーアの意見を繰り返して、研究は健康を改善し、または維持するために単一栄養素に焦点を置くことは価値のある目標ではな
いもう一つのエビデンスである、と彼は述べた“塩摂取量と血圧との関係は非常にささやかで、この研究はそのことを再確認した
こと”を我々は知っている。
低塩摂取量は心血管疾患や死亡を増加させるかもしれないことを示唆した2016年ランセットに発表された研究の筆頭者である
メンテは、現在の食事勧告値を支持する根拠は本当にない、と言った。
“我々はこの新しい研究と、塩摂取量を減らすことが必ずしも血圧を下げないと言う他の研究からの療法の結果を知っており、
我々は塩摂取量を減らしたとき、意図しない結果または害を増加させることを示す幾つか他の最近の研究を持っている、”と彼は言
った。“現在の勧告されている塩摂取量はコレステロールやトリグリセライドのような脂質量の増加と同様に血漿レニンやアルドステロン量の増加と関係していることも我々は知っている。それらの全ては我々にそれらの勧告値をためらわせ、再考察させる。
勧告値は何年も何年も前から科学に基づいている。新しいデータが出てくるにつれて、我々は古い定説に疑問を持ち、我々が現在
持っている勧告値を変える可能性を考察する必要がある。”
幾つかの狩猟採取社会を除いて、5.8 g/dまたは3.8 g/d以下の塩摂取量である人々は実質的に地球上には誰もいない、とメンテ
は付け加えた。“我々は地球人口のわずかな人々について語っており、したがって、彼等が現在人々に摂取するように勧めているこ
とは誰も摂取していない量である、”と彼は言った。
ムーアは同意して、健常な成人についての適正な塩摂取目標量は7.6 – 10.2 g/dの何処かにあることを示唆している。“心血管疾
患と心血管死亡の過剰な危険率は、人々が約12.7 g/dの塩摂取量まで行った時に生じるように思えるので、私はそれは安全な範囲
であると思う、”と彼女は言った。“そのことは高血圧であることを知っている人々や塩感受性である人々については異なるかもし
れない。塩摂取量の影響は高血圧でない健常な人々についてよりも、高血圧者や塩感受性者については異なった勧告値に変更する
可能性を我々は本当に良く理解する必要がある。”一方、変更は、特に科学では決して容易ではない。塩ガイドラインの次の設定で
は過去5,6年間からの全ての塩摂取量データを考察に入れることを彼女は希望していると、ムーアは言った。
“エビデンス量は増加しており、高血圧が有無の人々について適正な塩摂取量ガイドラインを明らかにすることに本当に焦点を
置く時であると私は思う、”と彼女は結論を下した。