オーストラリアの研究者がナトリウム電池用のより安全な
電解質を開発
Australian Researchers Develop Safer Electrolyte for Sodium batteries
https://reneweconomy.com.au/より 2022.07.20
ビクトリア州のディーキン大学とクイーンズランド大学の研究者達はナトリウム電池に使用するための新しい不燃性の電解質材料を開発したと発表しており、これによりこの技術はリチウム・イオン電池よりも安全で安価になる可能性がある。
今月、Nature Materials誌に報告されたこの画期的な開発は、従来ナトリウム電池で使用されていた可燃性液体溶媒に代わる固体高分子電解質材料の創出である。「ナトリウム電池を開発するほとんどの産業は、一般に炭素ベースの電極と液体電解質を使用しているが、容量が低く、電池が過熱すると火災を引き起こす可能性もある。」と同じくディーキン大学フロンティア材料研究所のMaria Forsyth教授とともに研究を主導したXiaoen Wang博士は述べた。
「我々は、電池容量を増やすために反応性ナトリウム金属を負極として使用するという異なるアプローチを採用しており、その過程でナトリウム電池の安全性を確保するためのより安全な電解質を開発している。
しかし、重要なブレークスルーをもたらしたのは、クイーンズランド大学オーストラリア生物工学技術研究所に拠点を置くCheng Zhang博士とAndrew K. Whittaker教授によって開発された重要な成分であるフッ素含有ポリマーであった。元々は生理学的用途に使用されていたが、フッ素を含むクラスのポリマーが全固体ナトリウム電池に使用されるのは高齢者が始めてである。
電池の開発は過去10年間にわたって急速に進められており、製造に必要な資源の減少に伴い、世界中の研究者や科学者が従来のリチウム・イオン電池の代替品を模索する中、加速を続けている。
「リチウムが希少品になる可能性があるため、リチウム電池の価格は高くなるが、その一方で、ナトリウム資源はより豊富である。」とWang博士は述べた。「当社のポリマーは、リチウム電池と比較して低コストのナトリウム電池の使用をサポートする。」しかし、以前は、ナトリウム電池はリチウム・イオン電池ほど寿命が長くなく、エネルギー密度も高くなかったので、唯一の利点は製造と供給にあった。
しかし、研究者達はナトリウム電池と新しいポリマー電解質を組み合わせることで、ナトリウム電池が現在のリチウム・イオン電池に匹敵する1,000サイクル近くのサイクルを実現できると考えており。
研究者達はまた、さらなる研究により新しいナトリウム電池が定置型エネルギー貯蔵装置や電気自動車に使用される可能性があると信じている。電池の小規模なテストはすでに成功しており、研究者達はプロトタイピングに進む前に大規模なテストを検討している。