スポーツ・ドリンクのアドバイスを鵜呑みにしない
マグネシウムの専門家Jeroen de Baaijが電解質入りのドリンクについてアドバイス
Take Sports Drink Advice with a Pinch of Salt
https://www.radboudumc.nl/より 2024.07.11
インフルエンサーは1時間の運動や起床直後に必要だといわれている大量の電解質を含むあらゆる種類のドリンクやパウダーを推奨している。このようなスポーツ・ドリンクは必要か?日常生活ではほとんど必要ないとマグネシウムの専門家Jeroen de Baaijは言う。
「塩が水に溶けると、電解質と呼ばれる。これらはスポーツ・ドリンクに含まれており、特にナトリウムとカリウム、そして通常は少量のマグネシウムとカルシウムも含まれている。塩分と糖分がたっぷりのこのようなドリンクの背後にある考え方は、汗を大量にかくと、皮膚を通して水分と塩分の両方が失われ、補給する必要があるといものである。腸は塩分と糖分を含むと、水分より速く吸収する。これは、極度の脱水状態の人に与えられる経口補給水の働きでもある。」
自分の体の声に耳を傾ける
「しかし、そのようなスポーツ・ドリンクが必要になりことは滅多にない。健康な体は、水分と塩分のバランスを自分でうまく調整できる。水分が不足すると喉が渇き、塩分が不足すると塩分を欲しがる。後者は、特に持久力のあるアスリートによく見られる。水を飲んで、塩分の多いものを食べることができる。したがって、自分の体の声に耳を傾ける。スポーツ・ドリンクには不必要に多くの糖分が含まれている。そのエネルギーは健康的な食品から摂取した方が良い。」
リスク
「さらに、すぐに塩分不足になる可能性は低い。1日の推奨塩摂取量は5 gである。平均的なオランダ人はそのほぼ2倍の量を摂取しており、かなりの過剰量である。暑い天候で激しい運動をすると、1時間当り1 gの塩分を失う可能性がある。したがって、塩分不足になるには、何時間も激しい運動をする必要がある。トップアスリートにとっては、スポーツ・ドリンクが役立つ場合がある。また、何時間も自転車に乗ったり、マラソンを走ったり、数日間のウォーキング・イベントに参加したりするアマチュア・アスリートにも役立つ。
しかし、これらの飲み物には注意が必要である。1杯当り1 gもの塩が含まれていることもある。また、塩分を摂り過ぎると高血圧のリスクが高まる。日本で行なわれた大規模な研究では、塩分の摂取量を減らすと心血管疾患のリスクが減ることは示されている。