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PVモジュール冷却を組み込んだ太陽光発電海水淡水化ユニット

Solar-Powered Seawater Desalination Unit Incorporating PV Module Cooling

By Emiliano Bellini

https://www.pv-magazine.com/  より   2021.06.23

 

 脱塩ユニットは16×16 cmの大面積太陽電池の裏側に配置され、セルの排熱を利用して水分を蒸発させる多段膜蒸発(MSMD)構成要素で構成されている。1日当たり8.09 kgm2の淡水を生成し、太陽電池の温度を最大14.4 ℃まで下げられる。

 

 サウジアラビアのキング・アブドラー科学技術大学(KAUST)の研究者達は淡水と電気を同時に生成できる太陽光発電-膜蒸留-蒸発晶析装置(PME)を開発した。

 「このシステムはオフグリッド・コミュニティなどの分散型の状況に特に適している。」とKAUSTの研究者であるWenbin Wangpvマガジンに語った。チームはこの技術を適用して配電網電力と淡水が利用できない農村部または遠隔地での電力と淡水の供給の課題を解決することを目指している。

 最近Jouleで発表された「太陽駆動PV冷却と海水淡水化の統合による液体排出ゼロ」の研究で説明されているこの装置は、大面積太陽電池の裏側に配置された多段膜蒸発構成要素で構成されている16×16 cmの大きさで、セルの排熱を利用して水の蒸発を促進する。「熱は伝導層を介して蒸発層に伝導される。発せした蒸気は多孔質の疎水性膜を通過し、凝縮層で凝縮して真水を生成する。」とサウジアラビアのグループは説明した。

 太陽光発電装置は22度の傾斜で南に向かって取り付けられ抵抗器に接続された。多段膜蒸発装置で使用される疎水性膜は厚さが0.1 mm、多孔度が0.86%であり、太陽光発電装置の同時冷却と高い水生成率の重要な要素として科学者達によって説明されている。科学者達は、PME装置は同じ太陽電池が単独で動作しているときの61.2 ℃と比較して、太陽電池の温度を約46.6 ℃から47.8 ℃の間に下げることができたと説明した。収量が約8%増加し、淡水の生成率が向上した。PMEは1日当たり8.09 kgm2または1平方メートル当たり1.66 kgの淡水を生成することができた。太陽電池の電力変換効率は13.76%であり、対照実験で単独で動作する太陽電池と比較して2.46%高くなっている。

 提案されたシステムは蒸発晶析装置を介してプロセスで生成された濃縮かん水を蒸発させることができ、ゼロの液体排出を達成する。「生成されたかん水は毛細管現象によって蒸発結晶化装置に吸い下げられる前に、緩衝メカニズムとして装置の下の容器に保管される。」と科学者達は説明した。

 「標準的な太陽光発電配列へのシステムの適用は太陽光発電パネルの梱包技術に依存する。」とWangpvマガジンに語った。「裏面が平らな太陽光発電パネルの場合は直ぐに統合できるが、裏面が平らでない太陽電池パネルはいくつかの新しい設計を開発する必要がある。」