アメリカに本拠を置くInlyte Energy、鉄および塩電池に
800万ドルを確保
US-Based Inlyte Energy Secures $8 Million for Iron and Salt Batteries
By Anne Fischer
https://www.pv-magazine.com/ より 2023.10.30
Inlyte Energyは、800万ドルの資金、最近のBeta Researchの買収、At One venturesとの協力によって裏付けられた、ナトリウム金属ハライド技術を用いた送電網蓄電池の開発を目指している。
800万ドルのシード資金を受け取ったInlyte Energyは、ローレンス・バークレイ国立研究所と提携して2021年度アクティベート・フェローとして同社を育成したAntonio Baclig博士によって設立された。それ以来、Inlyte Energyは上昇軌道に乗り、ARPA-A賞を獲得し、Beta Researchを買収し、2023年の注目すべきCleantech 50に選ばれ、現在、At One Venturesから資金援助を受けている。
カリフォルニアに拠点を置く同社は、シード資金を利用して、鉄と食塩という最も豊富な材料で作られた第一世代の送電網蓄電池を開発することを目指している。
2022年にイギリスに拠点を置くBeta Researchを買収したことで、Inlyte Energyは設計と製造に何歩も近づいた。Beta Researchの科学者達はもともと40年以上前にナトリウム金属ハロゲン化物電池を開発し、その技術を商業的な準備と製造能力に引き上げたためである。Beta Researchには、最適化された設計が完了したら、Inlyte Energyが製造を開始できるようにするパイロット生産ラインがある。
「Beta Researchテームと操業能力施設の経験により、Inlyteはこの分野の天然の電池スタートアップと比べて大きな優位性を得ることができた。パイロット工場を見つけたり、工具を入手したり、製造方法を理解したりする必要はない。」とAt One Venturesの創設パートナーLaurie Menoudは述べている。「寿命、往復効率、そしてもちろん初期費用の点でリチウム・イオンと競合できるInlyteの能力は、現在、爆発的に成長している市場において大きなチャンスを与えてくれる。」
電池の化学的性質はナトリウム金属ハロゲン化物であり、Inlyte社は、これにより「効率的、長寿命、競争力のあるエネルギー密度、優れた安全性を備えたエネルギー貯蔵システムを超低コストで構築できる。」と述べている。この化学物質が従来のリチウム電池に比べて優れている点は、極度の高温または極寒の環境でも動作できることであると同社は述べた。
Inlyte Energyの電池のターゲット市場は、貯蔵期間が4~10時間の日中エネルギー貯蔵市場である。同社は、これにより送電網貯蔵やその他の産業用途に適していると述べている。