再生可能エネルギー貯蔵用ナトリウム・アルミニウム電池
Sodium Aluminum Battery for Renewables Storage
By Emiliano Bellini
https://www.pv-magazine.com/ より 2023.04.03
アメリカの研究者達は7.02ドル/kWhのコストで最大100 Wh/kgのエネルギー密度に到達できる可能性がある溶融塩を設計した。この電池はアルミニウム製の陰極を使用しており、急速充電が可能で、より長時間の放電が可能であると伝えられている。
イメージ:太平洋北西部国立研究所
アメリカエネルギー省の太平洋北西部国立研究所(PNNL)の科学者達は、溶融ナトリウム(Na)で作られたアノードと、アルミニウム(Al)とテトラクロロアルミン酸ナトリウム(NaAlCl4)で作られたカソードに基づいた溶融塩電池を設計した。
彼等はこの新しい電池を長期間の再生可能エネルギー貯蔵のための低コスト送電網規模の解決策であると説明し、NaAlCl4の使用により、酸性クロロアルミン酸塩に隠された追加のアクセス可能な容量が提供されると述べた。彼等は、提案されている電池の化学は、地球上で6番目と2番目に豊富な元素に依存していると述べた。
「これにより、1つの電池で2つの異なる電池反応機構を活用し、以前のNa-Al電池よりも高い比容量と平均放電電圧が可能となる。」と研究者達は述べ、中性溶融塩反応に加えてこの2番目の反応が重要であると指摘した。装置の高い電圧と容量の要因となる。「特に大電流で345回の充放電サイクル後も、この酸反応メカニズムはピーク充電容量の82.8%を保持した。」
研究者達は、窒素を充填したグローブ・ボックス内で、放電状態のNa-Alフルセルを組み立てた。次に、ステンレス鋼のエンドキャップでセルを閉じ、8本のネジを星形に締めて密閉した。
「システム設計により、ナトリウムのみが固体電解質を通過して電池を充電できるようになっている。」と彼等は説明した。「このフラット・セル設計により、より厚いカソードを使用するだけでセル容量を増やすことができる。この研究ではこれを利用して、実験室条件下で28.2時間の持続放電を実現する3倍容量のセルを実証した。」
研究グループは、この電池が4.67 mA/cm2の高電流密度で138.5 mA/cm2の高い電池面積容量を達成することを発見した。科学者達は、この電池は7.02 kWhドルのコストで最大100 Wh/kgのエネルギー密度を達成できる可能性があると述べた。
「我々は電池の性能を犠牲にすることなく、比較的希少で高価な元素であるニッケルの必要性を排除した。」とLiは新しい電池設計によってもたらされる模擬宇宙船に1つの利点について述べた。「アルミニウム陰極はより速く充電される。これは、この研究で、実証されたより長い放電期間を可能にするために重要である。」
彼等は、最近、Energy Storage Materials誌に掲載された「低コスト、長期持続期間のNa-Al電池のためのNaCl-AlCl3状態図の解明」で電池技術を発表した。
研究者のGuosheng LIは、「この新しい溶融塩電池の設計には、他の従来の高温ナトリウム電池よりもはるかに速く充放電でき、低温で動作し、優れたエネルギー貯蔵容量を維持できる可能性があることが示された。」と述べた。