オーストラリアの製造者が1 MWhの塩化ナトリウム電池の
設計を明らかに
Australian Manufacturer Reveals 1 MWh Sodium Chloride Battery Design
By David Carroll
https://www.pv-magazine.com/ より 2023.04.03
西オーストラリア州の電池技術会社であるAltech Batteriesは、新しい電池1 MWh Gridpackに「革新的な」塩化ナトリウム技術を組み込んだ。新しいシステムは、主要なリチウム・イオン代替システムよりも生産コストが最大40%安くなると予想していると同社は述べた。
パースに拠点を置くAltech Batteriesは新しい1 MWh Gridpack非リチウム電池エネルギー貯蔵システムの設計を発表した。ドイツの研究機関Fraunhofer IKTSとの合弁事業協力の一環として、再生可能エネルギーと送電網貯蔵市場向けに開発した。
「プラグ・アンド・プレイ」GridPackの発売は、FraunhoferのCerenergyナトリウム・アルミナ固体電池技術を商業化するための合弁契約に両者が署名してからわずか6ヶ月後に行われた。この技術は、食卓塩に一時的に含まれるナトリウム・イオンに依存しており、リチウム、コバルト、グラファイト、銅などの希少で高価な金属の使用を避けている。Altech Batteriesは、この技術により重大な金属価格の上昇やサプライチェーンへの懸念が解消されると述べた。Fraunhoferは、Cerenergy電池の製造コストは、現在、世界のエネルギー貯蔵市場を支配しているリチウム・イオン電池よりも約40%安価になるはずであると推定している。
この合弁事業は塩化ナトリウム電池技術の商業化を進めており、ドイツのAltech社の土地に100 MWhの生産施設を建設する計画である。この施設では、送電網貯蔵解決策を市場に提供するために、毎年10,000個の10 kWh Cerenergy電池モジュールを生産することが見込まれている。
製塩施設の開発が続く一方で、両社は現在、1.0 MWh GridPackの設計を開始している。各GridPackは標準の輸送コンテナに収容され、電源管理システムに接続された20個の60 kWh電池パックを備えている。各ユニットは600 V(DC)および100アンペア時という個別の定格を持ち、直列に配置して系統機能に必要な数千kWの定格を達成できる。
Altechによれば、GridPackはモジュール式で積み重ね可能であるため設置面積が削減され、遠隔地への設置が容易な「プラグ・アンド・プレイ」機能を備えている。同社は、冷却ファンなどの可動部品がなく、電池は熱管理を必要とせずにどのような気候でも動作できると述べ、これあがリチウム・イオン代替電池に対するナトリウム・アルミナ全固体電池の主な利点であると述べた。
Altechs社は15年以上の予測寿命と無制限のサイクルにより、この技術は信頼性が高く長持ちするエネルギー貯蔵解決策を求める企業にとって「好ましい選択肢」になると確信していると述べた。
「これらの1 MWh GridPackは、急速に成長する再生可能エネルギーと送電網貯蔵セクターに大きなメリットを提供する。」と同社は述べている。「これらは、需要が高い時期や再生可能エネルギー源が十分な生産能力を発揮していないときにバックアップ電力源を提供することで、送電網を安定化させる優れた手段である。また、送電網スケールの貯蔵、マイクロ送電網、電気自動車の充電など、様々な用途に再生可能エネルギーを貯蔵および分配するための費用対効果の高い解決策でもある。」