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アメリカのスタートアップが大規模貯蔵用の塩水フロー電池を発表

US Startup Unveils Saltwater Flow Battery for Large-Scale Storage

By Beatriz Santos

https://www.pv-magazine.com/  より   2023.01.24

 

アメリカを拠点とするSalgenxは電解質の2つの別々のタンクを備えたスケーラブルなレドックス・フロー電池を開発し、その内の1つは塩水である。他のフロー電池とは異なり、新しいデバイスは膜を含まず、貯蔵レベルの均等化コストで大きな利益を約束する。

 

 アメリカを拠点とする技術スタートアップのSalgenxは、再生可能エネルギー、通信塔、油井ポンプ、農業灌漑ポンプ、温室灌漑または照明用途向けのスケーラブルな塩水フロー電池を発表した。電池は、スタンドアロン貯蔵または太陽光発電や風力発電に適している。

 「太陽光発電に非常に適しており、塩水電解質タンクでの太陽熱貯蔵という追加の利点がある。」とCEOGregory Giesepvマガジンに語った。メーカーによると、新しい電池のエネルギー密度は125.7 Wh/Lである。流体電解質で満たされた2つの大きなタンクが必要であり、その内の1つは塩水、もう1つは独自の電解質である。液体は電池からの電気の入出力を調整する電極を通って循環される。この解決策は電極と電解質タンクを追加することで拡張できる。Salgenx250 kW3 MWh6 MWh12 MWh、および18 MWhの構成で解決策も提供している。フロー電池はほとんどのレッドクロス・フロー電池とは異なり膜がない。「膜がないため、購入コスト、メンテナンス、消耗品費を大幅に節約できる。」とSalgenxはウェブサイトで述べている。

 同社は、材料費は5ドル/kWh、システム・インフラストラクチャは25 kWh、総システム・コストは500,000ドル、または166 kWh電池の場合は3,000ドル/kWであると主張している。この技術の平均寿命は25年以上で、往復効率は91 mA/cm210%であるとされている。

 塩水タンクは二酸化炭素を冷媒として使用するヒートポンプとを組み合わせて、蓄熱に同時に使用できる。「通常、ヒートポンプとをとより高いCOP(成績係数)を使用した熱節約は、電気料金の節約の2倍になる可能性がある。」と同社は主張している。

 Salgenxは技術を開発し、解決策を商品化するためにサード・パーティ・メーカーにライセンスを販売している。