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電気自転車用ナトリウム・イオン電池、再生可能エネルギー貯蔵

Sodium-Ion Batteries for EVs, Renewables Storage

By Emiliano Bellini

https://www.pv-magazine.com/  より   2022.07.19

 

アメリカの科学者達は、ナトリウム・イオン電池の新しい電解質設計を開発し、長いサイクル性能を向上させた。低溶媒和電解質は高電圧ナトリウム・イオン電池用に設計されており、300サイクル後に90%を保持した。

 

 アメリカエネルギー省の太平洋北西部国立研究所(PNNL)の科学者達は、このような貯蔵システムの主な課題、つまり充電と放電を繰り返しサイクルした後に、充電を保持する能力を克服できるナトリウム・イオン電池を開発した。

 研究者達は、この問題は電解質の分解を防ぎ、サイクル能力を維持するために、最初の回数の充電サイクル中にリチウム・イオン電池の陰極上で生成される固体電解質間相(SEI)の不安定性と厳密に相関していると述べた。SEI層は、電極材料に良好に接着され、良好な電気絶縁特性を示し、リチウム・イオンを伝導することができるべきである。

 「SEI層の不安定性は、ナトリウム・イオン電池の長いサイクリング性能にとって重要な障壁である。」とアメリカのグループは言った。「電解質は通常、低電圧で分解して陰極表面にSIEを形成する。理想的には、SEIは電気的に絶縁性であるが、イオン輸送のためにイオン伝導性であり、陰極と電解質との間の連続的な副反応を防ぐために電解質に対して不溶性で不活性でなければならない。

 SEI溶解を避けるために、学者は従来の電解質中の高極性炭酸塩溶媒を低極性の新しい液体溶液に置き換えた。それはジメチルカーボネイトとトリスホスフェートの溶媒混合物中のナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩からなっていた。この低溶媒和電解質は、4.2 Vの高電圧ナトリウム・イオン電池で動作するように設計されている。

 「ナトリウム・イオン電池の現在の電解質レシピでは、陰極の保護膜が時間の経過と共に溶解する。この膜は、電池寿命を維持しながらナトリウム・イオンを通過できるため、」非常に重要である。」と研究者達は述べ、電解質は陰極上に超薄型保護層も作成し、さらなるシステム安定性を保証すると指摘した。「当社の電解質はSEI成分の溶媒和能力を低下させ、不溶性SEI成分の形成を促進し、SEI溶解を最小限に抑える。彼の電池は、300サイクル後にその容量の90%を保持することができ、SEIの溶解を最小限に抑えた。

 「ナトリウム・ベースの電池は、技術が確立されば、より環境に優しく、より安価になるであろう。」と研究者のJason Zhangpv誌に語った。「この研究で開発されたナトリウム・イオン電池は、リチウム・イオン電池に比べて長いサイクル寿命、低コスト、材料の豊富さの利点があるため、太陽エネルギー貯蔵に適している。また、リチウム・イオン電池の既存のインフラを利用した大規模生産の実現可能性も備えている。

 「また、陰極でのガス蒸気の生成も測定した。」と研究者のPhung Leは述べている。「ガス生産量は非常に少ないことが分った。これは高温で動作する可能性のあるナトリウム・イオン電池用の安定した電解質を開発するための新しい洞察を提供する。

 アメリカのグループは、この電池について「高電圧ナトリウム・イオン電池用低溶媒和電解質」で説明したが、これは最近、Nature Energyに掲載された。「我々の発見は、何時の日か電気自動車に電力を供給し、太陽からのエネルギーを貯蔵する電池の有望なレシピを提供する。